表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/85

ため息の理由

 日本のプロ野球選手が海を渡り、メジャーリーグに挑戦した。


 シーズンが開幕して一か月、日米の違いに戸惑うこともあるが、まずまずの結果を残せている。


 しかし、この調子が長く続くとも思えない。


 男は窓の外に視線を向けると、深いため息をついた。


 そこに見えているのは、アメリカの街並みだ。日本の街並みとは違う。


 男は英語をほとんど話せない。球団からは通訳をつけてもらっている。


 それで周囲とコミュニケーションをとっているのだが、これでいいのか疑問を感じていた。チームの仲間たちと話す時、通訳を介す分、余計な距離があるような気がしてならない。


 そこで今さらながら、英語の勉強を始めた。だが、上達するには結構な時間がかかりそうだ。


 言葉の壁による、仲間たちからの疎外感。それを表に出さないよう、特に試合中には無理してテンションを上げている。しかし、最近では疲れてきた。


 男は深いため息をついたあとで、近くの屋根に猫がいるのを見つけた。黒い野良猫だ。


 こちらに気づき、食べ物をねだるように甘い声で鳴いてくる。


「にゃあ」


 それを聞きながら、男はしみじみと思った。


 日本の猫も同じように鳴く。


「あいつら、全世界共通語でいいなぁ」


「にゃあ」


次回は「真夏の屋外球場」のお話です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ