43.帝都からの依頼・・・再び、の巻
ある日、帝都からタイラー領へドレイク男爵が訪ねてきた。
「ご無沙汰しております、タイラー伯爵。以前ご提案いただいた治安維持の仕組みについて経過をご報告に参りました」
「ドレイク男爵、遠路はるばる、ありがとうございます」
「いえいえ、それで帝都の治安は、少しずつですが確実に向上しております。仕組みが浸透するにつれ衛兵の士気も高まっておりまして」
「お役に立てて何よりです・・・・衛兵隊のお偉方からの反発は大丈夫でしたか?」
「ああ……ハドリー伯爵の件ですね。それが帝都の治安が向上したことで、衛兵隊自体の評価も上がっております。それに伴って彼らも評価させてますので……思ったほどの反発はありませんでした」
「それはよかった。何よりです」
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「ところでタイラー伯爵、実はもう1つご相談したいことがございまして・・・近年帝都では、乾季になると帝都の人口増加にともなう必要な水資源が増加したせいで深刻な水不足が度々発生しております。噂ではタイラー領は、乾季の水不足を解決されたとか・・・皇帝陛下も事態を憂慮されてますので、ぜひお知恵をお借り出来ないでしょうか?」
「乾季の水不足ですか・・・ふむ」
「技術費用はお支払いいたしますし、建設に必要な費用はかなり潤沢に用意できるはずです。なにしろ陛下の肝いり事業になりそうですから」
「それって断れないやつですよね~・・・とりあえず帝都の現状を確認させてください」
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「というわけで、また帝都に出向くことになりそうだ」
ドレイク男爵に返答まで時間をもらい、ユウリは、アレンとサイラスを執務室に呼んだ。
「今の領内の状況を確認しておきたい。俺が長期不在にしても問題ないかな?」
「治安の方は問題ありません。モンスターの出現もありませんし、あったとしても討伐部隊は問題なく処理できます」
「経済関連は順調です。どの部門も問題なしです。ビールやソーセージ等の特産品関連も近隣貴族を中心に発注が伸びてます。ミスリル・魔晶石関連、共に右肩上がりです」
「そうか、それなら――治安はアレン、政務はサイラスに任せる」
「お任せください・・・ただし」
アレンの言葉をサイラスが続ける。
「護衛は必ず連れて行ってください。ユウリ様は、色々な意味で目立ちますから」
「そうかな~?こんなに平凡なのに・・・でも、護衛はちゃんと連れていくよ」
ボヤキながらもユウリは、素直に頷いた。
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主従のやり取りの後、ユウリは客間に戻って改めてドレイク男爵に尋ねた。
「帝都周辺の地図と水源の資料を見せていただけますか?」
「もちろんです。こちらをご覧ください」
ドレイクは、すぐさま詳細な地図を広げた。
帝都を中心に周辺の河川や湖、取水記録が詳細に記されている。
「帝都周辺の主要な水源は、この4本の河川です。そのうち堰や貯水施設を築けそうな河川は3本です。残る1本は、川幅があまりに広いため工事に向いてないと考えられます」
「帝都の人口は現在どれくらいですか?」
「およそ20万人ほどです・・・」
「20万人……さすが、帝都規模が違うな~」
(1人あたりの必要水量からざっと計算すると……安定して支えるには、相当な貯水量が要るな。雨季のこの水量なら・・・3か所にダムを造ればおそらく23万人くらいまでは耐えられるか・・)
「いかがでしょうか?タイラー伯爵」
「分かりました。現地を見せていただいた方がよさそうですね」
「では……」
「私も帝国貴族の端くれですので、皇帝陛下が憂慮されているのであればご助力するのは当然です・・・取り急ぎ帝都へ参ります」
こうしてユウリは、再び帝都へと赴くことになった。
拙い文章、読んでいただきありがとうございます。
多少なりとも楽しんでいただけたのなら幸いです。
ユウリは容姿も75点なのでそれなりに男前に育ってるイメージです。




