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後日談1.ちょっと扉を開きかける姉

日常に戻った姉妹。でも……災厄は突然降りかかる?

 例の異世界転移から数日が過ぎた、ある日の伊豆木家。


「ただいまー!」


 学校から帰って来た優華は、姉と共有してる子供部屋の自ベッドにランドセルを放り投げて、リビングのテーブルにエコバッグを置く。

 エコバッグの中身は、学校帰りのスーパーで買って来た、今日の夕飯の材料である。


「ふふ~ん♪ 今日はトマトが特売だったし、今夜はトマト尽くしだね~っとその前に」


 スマホを持ってない優華にとって、リビングのパソコンがスマホ代わり。夕食の下ごしらえをしながらアニメや動画をみるのが日課であった。

 今日はトマト尽くしにするから同じようなシーンがあった『ゆるキャソ△』を鑑賞しよう。そう思いながらパソコンに電源を入れると、新着メッセージの反応があった。


 差出人は――サツマ。


「サ、サツマ先生?!あの『フォンティーヌの囚われ姫』の作者がなんであたしに???あの人、ファンレターや感想欄どころか、出版社からの書籍化の打診さえも無反応な人だって言うのに」


 困惑しながらメールを開く。




『優華ちゃん、先日の異世界……『フォンティーヌの囚われ姫』をベースにした異世界への転移体験ツアーはどうだったかな?あれは、わざわざ優華ちゃん好みにアレンジを加えたものだったので、楽しんでもらえたなら“創造主”冥利に尽きるってものだよ。

 ただね。今回のツアー、実は優華ちゃん達が初めてのお客で、いろいろと不便をかけちゃったわけだから、そのお詫びも兼ねて、優華ちゃんが好きだというアレの全記録映像を送るよ。これをみて、存分に性欲……ん?意味合い違うかもしれないけど、まあ細かい事は気にせず、楽しんでいってね。


 追伸:異世界体験ツアーの一件。これに関しては口止めしないから、ばらしたいなら好きにばらしてもいいよ。ただし……』


 ただし……


 一般人だと、その先を気にするところだが、優華はそんなの後回しっとばかりに、添付されていた無数の動画ファイルの一つを開いた。


 そこには……


「うわあああ!本当に……本当にあの時の縛られてるあたし達が映像化されてる!!あたし、おもいっきりパンチラしてるし、トイレシーンもこれモザイクかけるとこなのにかけてないしー?!犬食いのとこも、比較対象として本物の犬による犬食いを挿入なんかしちゃってるし、もうマヂでやばいやばいやばい――?!」


 鼻息荒く、次々と動画を再生していく優華。

 夢中でみてる時、背後のドアが開いた。


「ただいま――って、ちょっと優華!?夕食の準備もせずに、何モニターにかじりついて見てぇぇぇぇぇぇ―――――っっ!?」


 真理子の顔が、みるみる赤くなった。

 モニターには、半分パニックで必死に縄を解こうともがいてる真理子の動画が再生されてたのだ。思いっきりブルチラが拝めるアングルで……


「な、なにこれ!!」


「あ、お姉ちゃん帰ってたんだ!すごいよ、こr「削除なさい!! いますぐ!!」」


「やだよ! せっかくサツマ先生が送ってくれた記念の動画なんだから!」


「サツマ!? あの原作者!? どういうこと!? ていうか、そんな事どうでもい!消さないっていうなら、力づくでぇぇぇぇぇぇ!!」


 真理子はモニターを叩き割るため、スクールバックを振りかぶる。


「ちょっとやめてよお姉ちゃん!このモニターって買ったらとんでもないお値段してるんでしょ!!こんなの新たに買い替えるお金なんてないんだから、衝動で壊しちゃらめぇぇぇぇ!!」


 優華が必死に止めに入る。そりゃぁもうすがりついて必死で止めに入ったその時……

 真理子のスマホに緊急メールの着信音が鳴り響いた。


「誰よっ?!こんな時に!!」


 普通のメールなら無視するが、緊急だと無視できない。

 仕方ないっとばかりに開けば、それは全ての元凶である黒幕サツマからのメッセージ


 中身は……






『動画は姉妹以外だとAVアニマルビデオにしか見えない超加工をしてるから、身バレは絶対ないよ。安心してね』






 ……


 …………


 ………………




「……安心、できるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 真理子はスマホを振りかぶった。でも、スマホはモニターと違って違う意味で替えが効かない。

 衝動で床に叩きつけ、ぶっ壊した後の事を考えたら……


「ぐぅぅぅぅぅぅぅっっっっ?!」


 苦難に表情を歪めながらも、その衝動を抑えるしかなかった。


 その間にも、モニターには自身の縛られてる映像がダイジェクト風味に流れ続けていた。

 セーニャと共に犬食いをしている真理子。とにかく拷問っとばかりに踏みつけては蹴りつける真理子。三人が寄り添って眠っている様子……


「……ねえ、これ」


 真理子の声が、少し小さくなる。


「なあに?」


「……ちょっと、見てみようかしら」


 真理子は顔を真っ赤にしながらも、椅子を引き寄せた。


「えっ!?いいの!? 別に無理して付き合ってもらわなくても!?」


「うっさい! あんたが一人で楽しんでるのが悔しいだけよ! それに、なんていうかその……」


「なに?」


「……ちょっとだけ、懐かしくなった」


 優華は驚いた顔をした。それから、にかっと笑って、別の動画の再生ボタンを押した。

 モニターには、縛られながらも笑っている、自分たちの姿が映っていた。


「ほんと、あたし達って仲良し姉妹だよね!」


「どこがよ……」


 でも真理子の口元は、少しだけ緩んでいた。

 幸いにも今日は金曜で母親も帰宅しない日。二人はそのまま、夕食を取る事すら忘れ、夜が更けるまで、異世界での大冒険?の記録を見続けたのだった。


 机の上には、蒼い花の押し花が、そっと光っているように見えた。


















 一方その頃、黒幕であるサツマは……





 ごちん!!



 小学生相手に完全アウトな動画を送った件で、保護者からお叱りの拳骨を食らっていた。


「つつーーっ!いやでも、あれが当人が一番うr「改竄してきなさい」」


「いやでも、あr「改竄してきなさい」」


「いy「今夜中に改竄してきなさい。朝までにできなれば……研究所が塵となってるかもしれないわよ」」


「いえすまむー!今すぐ改竄してきますぅぅぅぅ!!」


 命より大切ともいうべき研究所を人質にされた事で、即座に自身の影へと潜り込むサツマ。その出口は伊豆木家のリビング。無事に潜入できたたサツマはすぐに動く。手始めにパソコンのデスクトップに半実体化状態の漆黒の手を突っ込んで動画ファイルに直接アクセス。あのシーンをKENZENレベルまで落とし、さらに牢屋脱出後から続いた姉妹の活躍と二人が帰還した後のセーニャの活躍を追記。それらをダイジェクト風に流すものへと編集し直しての一本にまとめた。同時にベットで寝ている姉妹にも地面から這い寄る漆黒の手を伸ばし……姉妹の記憶は新しく編集し直された動画をみた事に改竄された。


 これらの作業は朝までに終えて痕跡残さず去った事から、姉妹が真実を知る事は……なかった?












 悪魔は自分勝手。それゆえに関わればロクな目にあわない。


 でも……あまりに自分勝手が過ぎると、そのさらに上の立場から粛清される可能性が高まる。


 強く、長生きする“悪魔”ほど、上から粛清されないギリギリラインを攻める立ち回りをするのである。

ちなみに、その保護者様もさらに上の立場となる神様から説教を通り越した折檻をよく受けてたりする。


酷い場合は心臓に竜騎士の剣ぶっ刺されてから雷ドッカーンという、連続で食らえば魔界の神すら死を覚悟するレベルの折檻食らうけど……一撃とはいえ、それで三日程度動けなく程度で済むあたりはたぶんおかしい(´Д`;)フツウナライチゲキデシヌッテバヨ



※ この辺りの事情はクズぷちっからの情報なので、詳しく知りたいなら向こうでどうぞ

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― 新着の感想 ―
戻った日常を過ごしていたら、意味深なメールが?!あの出来事が本当だったと実感できました(笑) 作者渾身の名場面集♪妹ちゃんは大好評!けど、お姉ちゃんには一部思い出したくない場面が(笑)そうしたらオシ…
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