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親友が『男子校の姫』なせいで、俺の青春がおかしい  作者: 久遠悠羽


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第14話 理玖は何処?

 やっと体育祭実行委員会の会議が終わった。


 俺は急いで教室に戻る。

 なんだか嫌な予感がしたからだ。


「……あれ?」

 理玖がいない。


「あのさ、白藤何処行ったか知らない?」

 昼食を終わり、集まってスマホゲームをしている奴らに聞く。


「姫? そういや見かけないな」

「織姫もいなくね?」


 何人かが顔を上げて周りを見回して言って来た。


「六原も?」


「うん。そうだ、織姫ってなんかさ、また東京に戻るんだって」


「また?」


「芸能界に戻るかもとかでさ。

 この学校は暫く休学するんだって。

 お別れ会するかあ……」

 

「じゃあ、今頃姫とデートかも」


 別の奴が言う。


「は? どう言う意味」


「さっき織姫も姫の居場所探してたし」

「そうそう。黒崎は気付かなかったかもだけど、六原って結構白藤ばっか見てたんだよな。席隣だったし」


「だよな。なんか意味ありげな顔してさ」


「黒崎、早く探さないとあの二人、なんかあるかもよ?」


 太田が揶揄う様に言って来た。


 冗談じゃねえ!


 俺は返事をする間もなく弾かれた様に教室から出た。


「黒崎?」

「マジか。必死だな」


 そんな声が聞こえて来たけれど、構うもんか。


 理玖……まさか。

 まさか六原に……


 何処に行けばいい?

 アイツが一人になった時、よく行く場所は何処だ。


 渡り廊下?

 屋上テラス……?

 いや、今朝はあんまり元気がなさそうだったから、人が来ない所かも知れない。


 俺はそう思って下駄箱に行き、靴を履き替えグラウンドの方に向かった。


「理玖!」


 広いグラウンドでは、次が体育の奴らが着替えて出て来てボールなんかで遊んでいた。


 でも見渡しても理玖はいない。


 体育館の方に行ってみる。

 数人の陽キャがふざけ半分のドッヂをしているぐらいで、ここにもアイツの姿はない。


 俺は体育館倉庫の方にも行ってみた。


 すると、

「痛い痛い痛い!! ギブギブギブ!」

と誰かの大きな悲鳴が聞こえた。


「あの声……六原?!」

 急いで倉庫裏に回ってみる。


「あ! お前ら……」


 そこには理玖に背中に腕を捻り上げられて、悲鳴を上げている六原がいた。


「湊!!」

 理玖が俺に気が付いてパッと手を離し、走り寄って来た。

 怖そうに腕に縋り付く。


 六原はというと、腕を押さえて肩で息をしていた。

「……ってぇ……」


 乱れてしまった前髪から怒りの色をした目が覗く。


「何があったんだ」

 まだ俺の腕を持っている理玖に聞いてみる。


 彼は戸惑い気味の顔で答えて来た。


「六原に……キスされそうになって」

「なんだって? おい!」


 俺はカッとして六原に殴りかかりそうになった。


「やめて!」


 理玖が慌てて腕を引っ張る。

「大丈夫、されてないから。未遂だから。

 壁ドンはされたけど」


「壁ドン!?」


 またカッとして六原を見る。

 理玖にそんな事する?

 ドラマで演じ過ぎたんじゃねーの?


 奴はプイと横を向いた。


 やっぱり腹が立つ。

 俺は理玖を振り切り、ズカズカと近寄って行って胸ぐらを掴んだ。


「てめえ! 白藤になんて事するんだ!」

「ああもうやめて湊! オレだってびっくりして締め上げちゃったし」


 理玖が間に入って俺を引っ剥がす。


「好きなんだから仕方ないだろ?」

 六原が言った。


「どうしようもなく好きになった!

 キスぐらいしたくなるよ。

 なのに……白藤君が護身術みたいなの出来るとか、反則だよ」


「白藤は合気道黒帯だ」

「え」

 六原がポカンとした。


「いいか、お前が今しかけた事は立派な犯罪だからな?

 バラされたくなかったら、白藤がお前をシメた事も黙ってられるよなあ?」


 俺は凄んでみせた。

 勿論バラすつもりはないけれど。

 むしろ先生には揉め事があった事を知られたくない。


 でも遅かった……


「なんだなんだ?」

「あ、あれ1組の姫じゃね?

 もう一人も……マジかよ姫同士の喧嘩?」


 声を聞き付けた野次馬が数人来て騒ぎ出してしまっている。


 結局俺達三人は、生徒指導室に呼び出される羽目になった。


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