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箱庭ぱらだいす! Hakoniwa Paradise -“Arcadia” of graffiti-  作者: Saku†Project -ParadoX-
Another Viergeのキャンプ編
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・Another Viergeのキャンプ編ー8.夜空の下で

「にーぱっ」

あまりにも状況に似つかない、甘ったるい鳴き声がする。

「え?」

ももかは、突然すぎて口を開いてしまった。

「クスクス」

りんたはそれを見て笑っている。

「にぱぁにぱぁ……にぱぁにぱぁ……にぱにぱ……」

闇は、そう歌いながらゆめの周りを波打つように包みこんでいる。

「えっと……これは?」

ももかは、ゲテモノを見るかのようにそれを指差す。

「見ての通り、にぱにぱ」

りんたは、当たり前と言うかのように平然と答えた。

「うわぁ……」

ももかは、それを見ながらただ引いていた。

「引くなよ……仲間なんだし」

「やみか……」

しかし、ももかは引いていた。

「ゆめはあいつが何とかしてくれるだろう。俺たちはここにあるごちそうを持って帰るぞ。」

りんたは人型に戻り、テーブルの上に並べられたたくさんのお菓子や料理をワゴンに積み始める。

「持って帰るって……平気なの!?」

「うん。最初からこの世界のものを食っても平気だったし」

「じゃあゆめを豚にしたのは一体……」

ももかは、りんたの目をじっと見つめる。

「さぁ……」

りんたは首を傾げた。どうやらその事については全く知らない様子だ。

ももかもまた、彼の目をまじまじと見つめていた。

ゆめが豚になった件について、そこにいた者たちにとって永遠の謎となった……




「ふぅ……食った食った」

持ち帰ったたくさんの料理やお菓子。四人は森近辺の野原に広がる夜空の下、城の外に置いてあるテラステーブルにて見事に完食。ぱんぱんに腹を膨らませていた。

「あんなにあったのに、よく食べられたわね……tk、りんたとゆめ食い過ぎ」

そうは言うもののももかは、自分自身も食べ過ぎで体型がダルマのようになっている。一方のりんたとゆめは、ひときわ大きなダルマと化していた。

「特大ブーメランだな」

りんたから的確な指摘が入る。

「それはあんたの事よ」

ももかもまた、自分に対しての指摘を彼に返す。

そんな中、やみだけは華奢な体型のまま満足そうにイスにもたれていた。

「にぱぁ……」

彼女の周りには、お花のエフェクトが浮かび上がっている。

「やみしゃんずるいぞ……」

あまりにも一人だけ絵面が違い過ぎるためか、嫉妬するゆめ。

「まぁ、料理もちゃんと食ってたから良しとするか」

一方でりんたは、やみの満足そうな様子を見て微笑んでいた。

それに対し、ゆめが不服そうに反論する。

「ほとんどお菓子ばっかだったじゃん」

「やみたんだからいいの。文句ある?」

りんたは、にっこりと微笑んでゆめに威圧をかける。

「私たちにはちゃんと食えって言っておいて……」

ゆめは言い負かされた。敗者はこの理不尽な状況に、風船のように頰を膨らませる。

そこへももかが横槍を入れる。

「ププッ。ゆめ豚みたーい!」

「何だめう!お姉様だって豚みたいじゃん!」

「じゃああなたは雪だるまならぬ脂肪だるまね。やみ、転がしていいよ」

ももかはやみの方を向く。しかし、彼女はいつの間にか席を外していた。

「……あれ?」

「ププッ。あ、お姉様あれを見たら?」

ゆめは笑いながら、あちらの方を指差す。

「何よ……ブフォッ!!りんたっ」

ももかはそちらを向くと爆笑し始める。

「ころころにぱにぱー」

「こら……やめろ……!」

なんとゆめが転がされるより先に、りんたが転がされているではないか。やみはとっても楽しそうにりんたを転がしているが、転がされている彼にとってはとんでもない。

ももかは、それを見ながらにやにやとする。

「ゆめもああなってた所なのよ」

「りんたが身代わりになってくれて良かっためう……」

一方のゆめは、ため息をついた。が。

「にしても……本当ウケるんだめうっ。ギャハハハハハ!!」

「アハハハハハハハハ!!」

改めてももかと一緒に、それを見て笑い転げていた。

一方のりんたはころころ転がされ、目を回しているから大丈夫……と二人は安心しきっているが、彼は目を回しながらもちゃんとそれを捉えていた。

「お前ら……後で殺すから覚悟しとけ……オェッ……」




ネイビーの夜空は、たくさんの星々がキラキラ輝いている。

城の最上部の広々としたテラス。りんたはカウチに寝転がり、その上にやみが乗っかり二人で夜空を見つめていた。

「キラキラにぱ……」

「ここまで綺麗な夜空は見たことないよねぇ」

「りんたあったかいにぱ」

「やみたんもふもふにぱ」

二人はお互いに寝転がったまま、体をぎゅっと抱きしめ合った。

しばらくして、りんたがこう切り出した。

「そういえば、明日からどうしようか」

「とりあえずどろぼー達の元に乗り込むにぱ!」

「あいつらな……ゆめとももかからも聞いてるが、闇咲邸だろ?」

「僕も聞いてるの」

「あいつら……もう少しで殺れる所だったのにな。こそこそと逃げやがって」

「消えちゃったの」

「ユウリって言ってたっけ?あいつ色々な意味でやってくれるじゃねーの」

りんたにとってあの時の出来事は、今でも鮮明に目に焼き付いている。

「悪いメガネにぱ」

それはまた、やみも同じであった。

「俺はいいメガネだろ?」

「にーぱっ」

やみは、りんたからの問いかけに笑顔で答える。

りんたは、そんなやみの頭を優しく撫でた。

「お前は可愛いな。本当に不思議な奴だけど」

「にぱにぱ」

やみもまた、りんたをぎゅっと抱きしめた。

「ふふふ。やっぱり可愛いなぁ」

りんたは顔をほころばせ、やみを更にぎゅっと抱きしめる。

「悪いメガネ一緒に倒そうね」

「うん」

「……なんだか楽しい予感がするの」

やみは、再び夜空を見上げる。

「……だね」

りんたもまた、一緒に夜空を見上げた。

暗闇に映える浅紫色の月の光と星の輝きが、二人を優しく照らしている。

「……すぅ……にぱ……」

次にりんたが気がつくとやみは、彼の体の上でそのまま眠っていた。

「全く……しょうがないな。に、しても、レイナってどこかで見たことがあるような……」

りんたは、その事が少し気がかりであった。



《……Another Viergeのキャンプ編はこれでおしまい。

Another Viergeともう一つ……こちらが気にかけているグループがあるんだけど

その事についてはまた次の機会に。》

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