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001. 世界が壊れた日

花陰(はなかげ) 纒(まとい)10歳。


その日は、いつもの1日だった。小学校から帰ってきたら、アパートの窓がびりびりして割れた。


ちょっと怪我しちゃって痛かったけど、絆創膏貼って我慢した。


そしたら、窓の外から「きゃーああああ」っていうのがいっぱい聞こえて、怖くなって耳をふさいだ。


手のひらを貫いてくる悲鳴は止まらず、車の「プーップーッ」やパトカーとか消防車の音とかいっぱい聞いた。


もうずっと耳を塞いでいたけど、「ドンッ」っていう音と振動で、起きた。寝ちゃってた。その後も音と振動がきてる外は真っ暗なのに明るかった。布団にくるまってパパとママが帰ってくるのを待った。


★☆★☆★


その日、パパとママは帰ってこなかった。

次の日もその次の日も、その次の日も。

僕はゲームしたり泣いたり片付けしたり、ネット見たり。


ネットの子どもニュースでは、人がいっぱいなくなったって言ってた。


たぶん、パパもママも…


そろそろお菓子もなくなってお腹がすいて、冷蔵庫の飲み物もなくなってた。


蛇口から水はでない。



★☆★☆★



警察の人が来た。一緒に行くんだって。これからは、近くの小学校で暮らすんだって。僕が通ってたところとは違うとこ。


ちょっと寂しくなる時もあるけど、友達もできたし、ゲームもいっぱいできるしたのしい。


★☆★☆★


小学校に来て2年くらい?僕たちパパとママがいない子は近くの施設に連れて行かれた。


今日からはここで暮らすみたい。たいまの人たちと一緒に暮らして勉強したり訓練もするんだって。知らない人ばかりだから緊張した。


まずいお肉食べたり、走ったり、検査したり。でも楽しかった。勉強もした。


憧れの人もできた。対魔部の鳳要さん。スラッとしてて、胸も大きくて美人。魔物討伐数もすごいみたい。動画で見たことあるけど、ゴブリンを刀でシャキンシャキンしてた。かっこいい。



★☆★☆★



ここに来て3年。訓練と勉強の毎日だった。おかげで僕は、対魔部訓練生に選ばれ、訓練生を卒業した。


対魔部の人は幾人か殉職したけど、鳳さんは健在だ。


ダンジョンには幾度となく潜った。スライムしか倒してないけど、それでも生身で倒せるのは一握りだ。魔力適性が高くないと倒すことができないし、何より生身でダンジョンに長時間潜ることはできない。


僕の愛用武器は刀。鳳さんに憧れてたからね。


武器そのものは、今でも、銃火器を扱う人はいる。しかし、ダメージに対するリソースの消費量が大きいことと、ダンジョンで光や音を発生する事がリスクとなっているらしい。そこで、近接武器が扱われる。ただ近接武器は、魔力濃度の濃い状態にさらされていなければ、モンスターへの決定的有効打にはならないらしい。


最近では、魔物の体組織を流用した強化外骨格が試験配備されて、魔力適性が低い人でもゴブリン以上の魔物を屠れるみたいだ。


★☆★☆★


この後、僕は地方のダンジョンに配属されることになるらしい。ここで訓練した中卒以上の子たちは、異空間対策特殊公務員の第一期生として、全国に散らばる。親を亡くした子たちが集まってるから、年齢はまちまちだ。ただ訓練は3年間みっちりと行った。僕は、中卒扱いだけど、勤務地でも勉強して高卒資格を取るように言われている。


なぜ成人してもいない僕たちが働くのか。それは、早い内に魔力に順応させるためだという。研究では、成人が魔力に順応する速度は遅々としたものであり、成長期に魔力曝露した方が、体内に保持される魔力が多くなるという。そのため、政府は、身寄りのない子どもたちを保護するかわりに、訓練を施し、仕事を与えることにした。


地方の人手が足りてないダンジョンに赴き、スタンピードが起きないように、魔物を間引き、監視する。それが僕ら《ダンジョンガード》の役割である。

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