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もともといた学校なので設備がまあまあなのは仕方がないが、その分先生方が熱心に指導してくれたおかげで、私たちテント村以外の生徒たちもある程度の基準までレベルが上がったそうだ。
なぜ、そうだ。なのかというと、私は絶賛機織り中だからだ。ふと”布製品に付加魔法を掛けたらどうなるのか”と”詠唱しながら布製品を作ったらどうなるのか”という考えが浮かんだ為にチャレンジ中だ。まずは、やったことがない機織りをすることに。機織り機は学校にあるのでそれを使用して機織りをチャレンジ。
「先生ー。うまくいきません」なんでだ?と思いながら凸凹になった反物(15センチ)をカタン・シュ・トントンのBGMの中で監督している先生に見せて助言をいただく。
私が作った凸凹の反物を見せると「本当に適正あるよね?」という顔で見てきます。不器用ですみませんね。と思いつつ頷く私を見て少し困惑した顔が見える。
「適正があれば、こういう風にできないはずなんだけどね。まあ、仕方がない。凸凹になるのは、糸を張りすぎ・緩めすぎたりするからだ。一定になるように頑張って見なさい」助言を貰ったのでやり直し。初心者用の機織り機で糸が一定になるように注意してカタン・シュ・トントンを繰り返すこと3日。やる気と集中力がこうを奏したのか。一応、納得の行けるもの(15センチ)がが出来た。
「一応、合格ですが。もうちょっと頑張りましょう」先生の優しいお言葉を貰ったので実験を開始することにした。
まずは、詠唱をしながら布製品を作ったらどうなるかを検証。簡単に検証できるように。怪我が早く治りますように。的な感じのものを詠唱しつつ初心者用の機織り機を使用する。歌いながら機織をするのが意外と難しいなー。と思いつついつもよりも倍の時間をかけて丁寧に製作する。詠唱の対象を布としたらどうなるのかな?の軽い気持ちで作っているんだけど。詠唱の効果がかなり布に吸収?されているような感じがする。布を作るために糸に魔力を込めながら詠唱のための魔力も取られる。かなりの消費率だなー。
消費率が半端ないな。カットするべきところはカットしないと先輩方みたいな上級機織り機を使うことが出来ないじゃね。と作り終えてからの反省をしつつ出来たものの効果を見るため先生に鑑定してもらう。
「とんでもないものを作ったね」ハハハ。と疲れたように笑っている先生から受け取った鑑定書を見ると
”初心者の布”効果ー初心者が作った布。肌触りは悪いが身に着けていると怪我をしにくくなる詠唱がついている。とあった
「検証的には成功だけど。商品的には失敗な感じですね」鑑定書を見ての感想を言っている私を見て
「何を作りたかったのかな」質問されたので説明してみると呆れられた。
「そういう風に考えたことがなかったからな。先生は。鑑定書を見ると効果は良いものだと思うけど。それを商品として流通させるのは難しいと思うよ」
「ですよね。作ってみて思いました。詠唱と糸に込める魔力でかなり消費してしまったので、疲れました。これは商品化できないものですね。商品化するなら詠唱が出来る人と布を作る人が必要ですね」反省している私を見て何を言っているのやらとため息をつかれてしまった。
「で、付属魔法の方もするのかね」先生が聞いてくるので
「自分でおることが出来ないので。先輩から端っこを貰おうかと思っていますが、これ以上魔力を消費するとお腹がすくので食事をとってからにします」断りを入れると
「実験をやめようとわ思わないんだね」呆れられました。
食事を取って魔力を回復してから再度実験のために教室へ。教室では、先輩たちが服を作ったり布を作ったりして出た端切れがあるのでそれを5枚ほど購入(端切れは、服の修繕ように販売されています)教室の隅っこを借りて端切れに付加魔法をかけることにします。付加魔法は簡単で基本魔法を使える人ならだれでもできる魔法だから人気がない。でも、属性が付加された商品は結構な値段で販売されているからできるかな?の実験です。出来ても・出来なくても私の好奇心が満たされるので結果はついてこなくてもいいんですけどね。
端切れに魔力を万遍なく注ぎ込んで1つずつ属性を付けていく。全属性を付けたらちゃんとついているか確認。ちゃんとついているっぽいので先生に鑑定してもらうために先生のところに行くとため息をつかれる。
「で、これが付加魔法をつけた場合の端切れですね。ちょっと待ってください」と鑑定書を作ってくれるのを待ちながらどんな感じになるのかドキドキしながら待つ。
「はい。鑑定書」疲れたような顔をして4枚の端切れと4枚の鑑定書を貰い先ほどいた席に戻る。私が面白いことをしているとわかっている先輩たちは何をしているのか興味深々だが、人の作品を盗み見るのはエチケット違反だから激しく突っ込みを入れてくる人はいない。
[端切れ(火属性)]ー効果 火の属性が付いた端切れ。火に耐性があるため多少の炎もへっちゃらです
[端切れ(水属性)]ー効果 水の属性が付いた端切れ。水に耐性があるため多少の雨もへっちゃらです
[端切れ(風属性)]ー効果 風の属性が付いた端切れ。風に耐性があるため多少の風もへっちゃらです
[端切れ(地属性)]ー効果 土の属性が付いた端切れ。土に耐性があるので多少の土もへっちゃらです
となっている。多少というのが私の付加魔法のレベルが初級だからなのかな?こうなると服にも付加魔法が付くと考えられるけど、服を作る前の反物に属性を付けてから作成した方がいいのか。作成した服に属性を付けた方がいいのかという問題が出てくるね。ま、そこまで興味無いから検証しないけど。さて、満足できる実験もできたし。今日は早めに帰るかな。
「で、その実験で出来たものはどこにあるのかな?」ちょっと怖い顔の寿一さんが夕食の時間に突撃してきました。今日は母さんが父さんのところに遊びに行っているので、一人ご飯を満喫していたんですけど。
「えーっと。何かしましたっけ?」身に覚えのない恐怖に震えながら聞いてみるとため息とともに気配が緩んだ。
「自覚がないのは大変なことだと以前から言っているだろ?今日やった実験の結果とサンプルを出しなさい」言われた通りに実験で出来た品と鑑定書を渡すとさらに難しい顔になっていく寿一さん。何がどうなっているのか分かんないですけど。興味本位で作ったものなんですけどだめですかね?と顔色をうかがいながらご飯を継続する。
「で、これをどうするつもりだったんだ?」食器を洗っていると声を掛けられたので
「どうなるんだろうで作ったので、特に意図はないですよ。面白いものが出来たらお母さんか母さんに教えようとは思ったんですけど。それほど面白いものでもないし。学校の先生も反応が普通だったからお蔵入りかな?とは思ってましたけど」正直に答えるとさらにため息をつかれる
「普通は布に詠唱をしないからな。どんなふうになってもこんな風になるんだーで終了だと思うがな。商人としては見逃せない効果だと思わないか?」鑑定書をヒラヒラさせながら言っているけどどうなんだろ。
「良く分かんない」お茶を飲みながらそういうと。本当にこの子はという顔をしながら鑑定書を複製してどこかに送っている。
「どこに送ったの?」聞いてみると
「どこだと思う?これを商品化するにはどうすればいいと思う」逆に質問されたので、学校で思ったことを伝えると。それをメモしている寿一さん。仕事熱心だよねーと思いながらその姿を見ていると
「婚約者はどうするんだ?引く手あまただろ」メモとそれに追加して何やら書き込んでいる寿一さんに質問された。見合いの書類とかはたくさん来るけどピント来ない。
「別に私がではなくて、家同士の。てな感じがするからな。あまり興味ない。父さんの子供じゃなかったら別にこんなに来ないんじゃないかな?とは思っているし」正直なことを言うと
「そうだな。今回しているのは家と縁続きになりたいと思っている感じの奴らだからな。そこら辺には興味がないと言っておくから」
「ありがと。別に無理しなくてもいいなら結婚しなくても良い気がしてきたんだけど。それは問題だよね」はーっとため息をついていると頭を撫でられた。
「でだ。お前の案とこちらでコストを考えた結果。詠唱の方も付加魔法の方も採用になった」久しぶりに遊びに来ていた父さんからいきなり言われたので何のことだかと一瞬思って仕舞った私は悪くない。
「うん?寿一からお前が作ったものだと連絡が来ていたんだが」探るように言われてああ。と納得した。
「布製品の事ね。何のことだかわかんなかったよ。一瞬」答えながら陽だまりでのんびりしている私を見ながらフム。と何やら考えている父さん
「お前的にはどうでもいい商品か?」
「どうでもいいわけではないけど。興味本位で作ったものだからね。どんなにいいものか良く分からないのよ。傭兵とか喜一兄とかの仕事ではかなり役に立つのかな?的な感じだし」手に持っていたお茶を飲みながら答えると
「ん。なら、父さんの方で商品かしても問題ないんだな」
「しても良いけど、私の作り方では問題あると思うから改良しないと黒字にはならないと思うよ。それと支援魔法っていうの?そういうのが上手な人を雇うと良いかも。アウト組の」思ったことを伝えると
「ん。考えておく。売れたら何が欲しい?」
「特にない。そろそろ夏休みだな」ぼやーっと意識せずに答えると。そうか。との声が聞こえたと思ったらいつの間にか近づいてきたのか頭を撫でられた。
「お前は手がかからないからな。夏に遊びに来るか?」
「いい。面倒なことになりそうだから。本は読みたいけど」
「そうか。じゃ、夏休みにな」父さんの中では、すでに夏休みに本宅に遊びに行くことが決定したようだ。本宅は良い思い出がないからな。本は読みたいけど。




