表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
54/86

54 大人社会へ子供が挑むためには

・とにかく冷静になろう

・(未来人の件はさておき)ロタさんの言い分も一理ある。年配の大人が「もうくつがえせない」と言うからには、正しいのだろう。社会のルール的には

・あした教頭先生と大げんかしたら、最悪、廃部にもなりかねない(本末転倒!)

・ロボット展示の代替案を提示すべきか


 その日の夜。

 帰宅し、夕食後、シュレナは自室にて机に向かい、以上のことをノートに書いていた。今後の対策を練っているのである。


 夕方の部室では、あの後、更に二分程度、ロタとは電話で話したものの、もはや気まずいだけであった。

 シュレナが怒鳴ってしまった結果、まともに会話する雰囲気は失われてしまったからだ。


 けんか別れのように、

「怒鳴ってごめん。でも、ひどいよ、ロタさん。未来から来たんだから、もっと色々、やれることもあるでしょ?

 何か、未来人ならではの知恵とか出してほしかったのにさ。がっかりですよ。期待した私がバカだったんだね!」

 最後はこう言って、シュレナはスマホの通話を切った。ロタの口調は、ずっと穏やかだったが。


 かくして、不愉快な二学期初日は、下校まで嫌な気分のままであった。


 もっとも、収穫がないわけではなかった。

 第一に、イリカとロタが未来からのタイムトラベラーであるという仮説は、ほぼ確定したことだ。

 根拠は、今日、電話でそれを初めて告げた時の、ロタの反応である。

 普通なら、いきなり「お前は未来から来たんだろう」と言われたら、「こいつバカか?」と大声で笑うか、困惑するはずだ。

 ロタは、いずれでもなかった。やけに冷めた態度であり、既に自覚、心構えが出来ていた証拠だ。

(まあ、未来人っていっても、しょせんは自己保身が優先の、どこにでもいるおじいさんだったわけだけどね。つまらねえな。ああ幻滅した)

 と、シュレナの評価は手厳しいが。


 第二に、結果論とはいえ、今、状況を客観視できていることである。

(やっぱり、学校ともめるのは得策じゃないよなー。教師は権力持ってるし)

 ノートを読み返し、シュレナはそう分析した。この辺の割り切りの良さは、理系の持ち味でもあるのだろう。


 翌朝、七時半。

 シュレナは登校し、荷物を教室に置いてから、職員室の奥へ。

 教頭先生の席の前に立つ。


 かたわらには、サミヤも立っている。改まった場だからか、白衣は脱いでおり、タイトスカートの簡易なスーツ風。


 教頭は、小柄な男性。年齢のためか頭髪は薄いが、分け目はきれいに整えられており、清潔感はある。

 夏なのでノーネクタイだが、ワイシャツと背広のズボンをきちんと着こなしている。

 生徒の間では生真面目な先生という印象で、特に嫌われてもいないけれど、積極的にしゃべりたい相手でもない。シュレナも、一対一で話したことはない。


 あいさつを交わした後、教頭が口を開く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ