こっちの方が簡単だ
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私は最初平和的解決を望んだ。
皆が賛同するのを待って私の議題を進めようと志していた。
だがどんなことを言っても反対する人間がいることに気が付き彼らと話し合いを重ねた。
彼らはどんなことを言っても眉間にしわを寄せこちらを睨みこちらと反対の言葉を述べる。
こちらが述べることに新たな間違いはないか
こちらの怒りの露出・態度などを逐一他の者やマスコミに誇張し嘘も交え面白おかしく伝えていた。
それはまるで反抗しかしない小さな子供を相手にしているようで心底疲れた。
彼らの相手を辞め強引に話を通そうとすると彼らは大きな声で喚きだした。
そしてそれと同時に側近である者の過去のスキャンダルが出…他の者の証言が芋づる式で出たりと明らかな攻撃がされることとなった。
「はぁ…またか…」
そんなときに出たのが「邪魔だ…とても…」この言葉だった。
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見慣れた人間がここ最近大きな声を浴びていない。
彼の政策や意見はすんなり通るようになり、テレビやマスコミも何も言わなくなった。
ぼくらはぶつ切りにされた映像を見せられ、それに対しての(答え)を言ってもらえないまま次のニュースへと移行する。
聞いたことがあるが意味を理解していない言葉、聞いたこともない言葉が横行し、それに対してのリアクションがないと、ふりばかりをしているぼくらは、真面目な顔をして、流れている映像を目で追い、次の映像に移行し、前に流れていた映像をそのまま忘れてしまう。
誰かが大きく騒ぎ立てることによってぼくらはそれに(関心)を抱く。
大きく誇張した言葉をぼくらは(わかりやすい)と言って次の言葉を待つ。
そしてその事柄が(批判的)であればあるほどぼくらのこの暇な時間は、雑なコミュニケーションの中でちょうどいい感じに時間をつぶし、そして(共鳴)していく。
ぼくらはそうやって埋めていく、24時間という長い時間の中を、刺激を求め共感し共鳴し、3日前にはなにを共有していたかを忘れ、生きている感謝を忘れ、くだらぬことに時間を割き、見なければならぬものを与えられ自分で答えも出せぬまま、バカではないふりをして、屁理屈ばかりをこねて、背を伸ばし眉間にしわを寄せたまま、今日も街を歩いている。
自らの脳みそすら使うことなく。
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一人中心人物がいなくなると周りは大きく動揺し皆の顔色を伺いだした。
何が正解で不正解なのか何をされるのか誰がしたのか…それを犯した人物はやはりあの人なのか…だとしたら自分はどうなるのか次は自分なのかそれとも違うのか…
アリの群れにボールを投げた時のように死んだアリの周りを他のアリが慌てふためいているようで見てて滑稽だった。
何に対しても突っかかってきた奴を見つめると眼球を見開いて顔を背け顔から溢れだした汗を手で拭き取っている。
あぁ…そぅか・・・そぅいうことか…
こっちの方が簡単だ。
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マスコミ・メディアをこちらの思うがままにした。
国民というものは皆が皆思ったほど賢くなかった。
一握りの賢い人間とそれ以外の人間。
その一握りのそのまた一握りにしか発信者はおらずその千もいない発信者の話を概ねの人間は聞いていなかった。
話を聞いても理解できないのだ。
わからないとバカにされたような気分になり次からそいつの話を聞かなくなる。
バカはバカとつるみ賢い人間は疎外されていく。
多い方が正義で少数派は劣っていようが優れていようが悪なのだ。
国民は理解せぬまま少しずつ流された。
何も言わぬメディアにこちらにプラスになる言葉を言わせた。
そしたらそのままその水はこちらの方に流れていきこちらの貯水庫に新たな水が溜まりだした。
あぁ…そぅか…優しさなど…心などなくとも…説明などなくとも人は…曇りなき眼で流されていく。
人間というものは優しさの上ではあぐらをかくのだ。
人間というものは表面の薄皮しか見ないのだ。
その薄皮を見て理解し感銘する。
その薄皮には概ね良き事しか書かれていない。
悪いことも良き事として書かれている。
勝利した…その勝利した中には何千・何万の人間の屍があるのか…その屍には家族がいなかったのか?親がいなかったのか?子供がいたらどう思う?自分がされたらどう思う?
勝利した。勝利した…。勝利した!
そんな歴史上の人間が今現在英雄としてあがめられている。
薄い皮には…殺戮を(勝利)という言葉で記され・身近な者の不自然な死を(裏切り)という言葉でまとめられた。
読み手も困るようなよくわからない行動は(錯乱)(疑心暗鬼)という言葉でまとめられ…それに巻き込まれた人間の恐怖を書かれることはなかった。
薄い皮を積み重ね…その人間の悪を見出せる者もいるがやはり残念なことにその人間の話も皆聞かなかった。
知らなくてよかった知らないほうがよかった知らないほうが幸せなこともある。
あぁ…人間というものは…人間というものは…




