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異世界子作り日記 〜知らぬ間に世界征服?〜  作者: ずんぺー
第ニ章 強引に諸国漫遊
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第49話 家族無双

予想以上に長くなってしまったんで、2に続きます。

俺の名はクレンズ・ラーマーン。


こう見えて伍の国の第二王子だ。


呼ぶときはクレンと呼んでくれ。


ズをつけられると兄貴と一緒くたにされてる気がして嫌なんだ。


知ってた?

そんなに有名な話なのか。

ま、隠してるわけじゃないからいいけどな。


話は変わるが、俺はさっきまで(ヨン)の国にいた。


信じれるか?

本当についさっきまで(ヨン)の国の王都ダラにいたんだぜ。


馬を休まず走らせたって丸5日はかかる行程だ。

これだから魔法使いは恐ろしい。


⋯⋯ 話が脱線したな。


俺が(ヨン)の国にいた理由は親父が毒を盛られて生死の境を彷徨っていたからだ。


毒を盛った奴はわかっている。


兄貴だ!


あの野郎、親父が俺に王位を譲ると言った途端に本性を出しやがった。


追求しても証拠がないと言われ突っ張られ、いつも間にか懐柔していた重臣たちも兄貴の味方。


次の国王も兄貴にすると言われたが、親父が倒れた状態では俺にはどうすることもできねえ。


そんなおり弐の国から預言者がやってきた。


なにやら親父と約束していたらしい。


兄貴は胡散臭いと会いたがらなかったんで俺が応対することに。


そこでどんな病院も怪我も治してしまう聖女の話を聞く。


噂では知っていたが、てっきりポルスト教が流布した嘘だと思っていたんで真実と聞き驚いた。


会いたいと言ったが、聖女の奇跡は何年待ちとも言われた。


待ってる間に親父は死んじまう。

どうにかできないのか?


そう訊ねた俺に預言者はこう言った。


「今から(ヨン)の国に訪れ、兵士に賄賂を渡しなさい。あなたは牢獄に入れられますが、その10日後にやってくる男性が助けてくれます。その男の名は──」




藁をもすがる思いで預言通りに行動した。


預言を信じないわけではないが、万が一を考えて私兵を用意した。


いざとなれば(ヨン)の国に戦争を仕掛けてでも聖女を奪う。

大勢の人が死ぬことになるだろうが、それでも俺には親父の命のほうが大事だった。


いや、正直に言おう。


このままだと俺は兄貴に殺される。

自分が生き長らえるためにも親父に回復してもらわないと困るのだ。


そして投獄されてきっちり10日目。


本当に男は。

豊月隼人はやってきた。


そこからは牢を抜け出し、聖女を救い ⋯⋯ ってそういや聖女は聖女じゃなかった。


可愛らしい顔をしていながら男だったんだ。

これだと聖女じゃなくて聖男だな。


助けられたこともあって隼人を見る目に熱がこもっている。


惚れたんだ。

俺は暖かく見守ってやることにした。


その聖男に案内されて変な地下施設に連れてこられた。


そこで教主ミトラが秘密裏に行なっている非人道的なことを知る。


内容は直接聖男に聞いてくれ。

ここだけの話、俺はいまいち理解できなかったんだ。


ま、潰さないといけないってことだけはわかったんで、俺は兵を動かそうとした。


そんなとき真っ白な虎種獣人がやってきたんだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「というわけで、あとは俺の家族に任せてくれればいい」


目の前の男性が何を言っているのか私──フラヴィオ・ナイチンガールは最初わからなかった。


私の聞き間違いかと思ったけど、クレンズさんたちの顔を見るかぎりそうではないらしい。


確かに彼は「俺の家族に任せてくれればいい」と言ったんだ。


笑えない冗談だ。


クレンズさんの兵士300名でも足りないというのに ⋯⋯ 。


私が把握してる限りボアにはステータス1500を優に超える化け物が3人いる。


剣聖ヴァーリアン。

15歳の頃から戦場に出て、一対一なら常勝無敗の男。常に戦場に立ちたいがため将軍の地位にはつかず、自由に動き回ることを許されている唯一の人物だ。


宮廷魔術師ハキュロ。

齢90歳にして今もまだ成長し続ける魔導師。3000人の弟子で構成された魔法部隊は我が国で最強の力を持つ。


暗殺者シャドウ・リー。

年齢性別なにもかもが不詳。ターゲットになれば最後。その声、姿を見ること消される伝説のアサシン。


それともう1つ危惧してたことがある。


ミトラは蛇食いで手に入れた魂をモンスターに投与する実験をしていた。

成功例はまだ見ていないが、もしも実験が完成していれば忠実なるモンスター兵の誕生になる。


考えるだけで恐ろしい。


それを伝えてもクレンに隼人と呼ばれている男性はまったく動じなかった。


この余裕はどこから生まれるんだろう?


答えは地上に出るとわかった。

私たちを待っていたのはかの有名な大魔導師マニエル様だったんだもの。


実際にお会いするのは初めてだけど、信者たちから持たされる情報でどんな方かはよく知ってた。


勇者真田桜雪様と並ぶ私の中の二大英雄。


同じ加護者だなんて口が裂けても言えない特別な存在。

強くて綺麗で格好いい憧れの人が目の前にいた。


この人ならどんな相手が来ても余裕よ!


「会うのは久しぶりね、隼人くん」


そんなマニエル様が私を助けてくれた男性──隼人様に親しそうに声をかけた。


そう言えば彼はいったい何者なんだろう?

エモルを倒した力は尋常じゃなかったし、もしかすると加護者?


そう考えると2人が親しくしているのも納得できる。


「急に呼び出して悪かったな」


「隼人くんの呼び出しなら最優先で駆け付けるわよ」


マニエル様が隼人様にウインク。

それを見て胸がモヤモヤした。

この気持ちはなんだろう。


「それで来て早々悪いけど、この地下にある施設を壊してほしい」


「いいけど、あたしそんなにMP残ってないよ。みんなを運んでくるのにかなり消費しちゃったし多分次で最後かな」


え、それは困るんじゃ ⋯⋯


「マニエルのMPが尽きるって ⋯⋯ どれほど連れてきたんだ?」


「隼人くんが戦えるの全員って言ったから、うーん3000人ほどかな」


「さ! んぜんにん?」


みんなびっくり。

ってなんで隼人様まで驚いてるわけ?


「おかしくないか。俺がいた頃はそんなに人いなかったぞ?」


「隼人くんが消えたあとも移住を望む獣人が途絶えなかったのよ。今じゃ5000人を超える大所帯になってるわ」


「 ⋯⋯ ⋯⋯ ⋯⋯ 」


隼人様、絶句してる。


「ねえ、それであたしは魔法使っていいわけ?」


「あ、ああ。ま、みんながいるから大丈夫だろう」


「隼人くんもいるしね!」


すごい信頼感。

この人ってそこまですごい人なの?


「じゃ、やるわね。きみたち、危ないからそこどいといて。創生魔法『アースクエイク』」


マニエル様の魔法が炸裂。

地下施設があった場所のみに地震地割れが起きた。


あ ⋯⋯ 透明な蛇たちが解放されて去っていく。


みんなよかったね。

無事に自分の体に戻るんだよ。


「お前たち、そこでなにをしている!」


げっ!

さすがに今の轟音で気付かれた。

それも最悪な相手のご登場だ。


さっき私が挙げたうちの1人剣聖ヴァーリアンだ。それもご丁寧に30人ほどの兵を率いている。


対するこっちは ⋯⋯ 待って!

白虎くんだっけ?

真っ白な虎種獣人くんがスタスタスタってヴァーリアンに向かって歩いていってるんだけど!


「そっち行っちゃだめです! 戻ってき

「白虎なら大丈夫よ」

「てくださ ⋯⋯ え?」


「まあ見てなさい」


自信たっぷりのマニエル様。


「白虎、わかってると思うけど、あなたの特性を生かした戦い方をするのよ!」


「任せてマニエルママ!」


ママ!?

いまマニエル様のことママって呼んだよね!

で隼人様をパパって呼んでたから2人は夫婦 ⋯⋯ いやいや、どう見てもあの子は獣人よ? 2人の子供と考えるのはおかしいわ。

もしかして養子とか!?

うううう気になる!


気になると言えば、白虎くんに戦いも ⋯⋯ え!?


さっきから驚いてばっかだけど、仕方ないこと。


だって白虎くんがヴァーリアンと互角に戦ってるんだもん。

ううん、むしろ白虎くんのほうが押してる感じ。


ヴァーリアンの攻撃は白虎くんにかすりもしていない。逆に白虎くんの爪は少しずつだけどヴァーリアンを傷つけている。


「どうかしら? うちの切り込み隊長くんは」


「すごいです! まだ子供なのに ⋯⋯ 」


「うちのみんな鍛えてますから。ま、相手に恵まれたってこともあるのかな」


「恵まれたって相手は剣聖ですよ!」


「でも、白虎のスピードにはついていけてないわ。確かに攻撃力は高そうだけど、当たらなければ意味がないわ──あら、もう決着だわ」


その言葉に視線を戻すと、ちょうど白虎くんがヴァーリアンの大振りを避けて懐に入り込むところだった。


そしてがら空きになってる顎めがけてしょーりゅーけーん!


ヴァーリアン、ノックアウト!


強い強過ぎる!


でも、まだ30人のへい、しが?


「もう終わり? 物足りないな」


いつの間に現れたのやら?

手をパンパンと叩く鳥人の男の子の足元には気絶した兵士の山。


「ご苦労さん、ホーク」


隼人さんが近づき、ホークと呼んだ鳥人の男の子の頭を撫でた。


「もうやめてよ父様。セットが乱れちゃうから!」


「おおお、なんかおませになったな。どうしたんだ?」


「イーグルに負けてられないもん! じゃ、俺は上空からの遊撃に戻るよ」


「待ってホーク!」


飛び立とうとするところをマニエル様が呼び止めた。


「これ持っていって」


小さな水晶を投げ渡す。


「これは?」


「あたしが作った通信用の魔道具よ。それとあたしが持ってる水晶はお互いに映っているものを見たり話したりすることができるの」


一種の携帯電話。それもテレビ通話みたいなものかな。


「それでマリーを探して映し出して。あの子のことだから絶対にやり過ぎると思うわ!」


「了解、マニエルママ!」


ホークくんが飛んでいく。


残された私たちは ⋯⋯ どうすれば?


「ここでのんびりと水晶の映像を見ていけばいいと思うわよ」


そう言って座り込んでしまうマニエル様。


恐れ多いことだけど横に座らせてもらった。


「ほら。違うところでも戦いが始まるわよ」


私は水晶を覗き込んだ。

次話予告『家族無双2』

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