第43話 嫁tueee
マリー「創生魔法『フレアアロー』。やった、できたよママ!」
マニエル「 ⋯⋯ まだまだよ。本当の魔法を見せてあげるわ。黄昏より昏きもの血の流れより紅きギャフン」
マリー「ママ、大丈夫!?」
マニエル「な、なにが起きたの?」
マリー「んとね、空から石が降ってきてママの頭に直撃したんだよ」
マニエル「 ⋯⋯ 人の魔法を勝手に使おうとした罰ね。一度でいいからド◯◯◯◯◯ブを撃ってみギャフン!」
マリー「ママ! ママ! だめ ⋯⋯ 今度は完全に気絶しちゃってる」
〜143日目〜 ②
さくらは正気に戻った。
オーガもMPがごっそりと減ったものの傷は完全に塞がっている。
「それじゃ帰るか」
「ちーがーうーでしょ! 母上を助けなくちゃ!」
「ですよねー」
やれやれだ。
本当にやれやれだ。
「お前たちは俺の後ろにいろよ。絶対に前出てきちゃダメだからな」
「はーい!」
「承知した」
きみたち返事いいね。
今からなにをするかわかってる?
俺は正直逃げ出したいよ。
できない?
よーく知ってる。
「 ⋯⋯ 頼む、隼丸!」
斬撃を飛ばして扉を真っ二つ。
中で待ち構えていたのは想像通り当代の勇者にして我が奥様の真田桜雪さん、仮面付き。
観察しとく。
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真田桜雪(洗脳中)
戦の女神の信者
Lv:99
HP87000/87000
MP12000/12000
攻撃73200
防御63500
魔力8500
魔防15000
速度45000
幸運50
称号
勇者見習い・村勇者・町勇者・街勇者・勇者・英雄・大英雄
加護スキル
異世界言語
自然回復
観察
一般スキル
剣Lv99・隠密Lv85・体捌きLv90・受け流しLv93・見切りLv98・気配Lv91・魔法剣Lv84・聖技Lv99・豪雷魔法Lv79
HP強化(特大)・攻撃強化(特大)・防御強化(特大)・魔法耐性(特大)・異常無効
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カエッテイイデスカ?
桜雪のステータスを見て後悔。
こいつこそ本当のチートだ。
嫁tueee!
このステータス差にはもはや絶望しかない。
勇者のくせに洗脳なんかされるなよ!
『相棒、奥に蛇神もいる』
見えてるよ。
イメージと違って人間と同じ姿をしていた。
てっきり下半身が蛇とか、髪の毛が小さな蛇の集まりとかと思ってたのに、綺麗めのお姉さんでやんの。
『最初のはラミア。後のはメデューサだろ』
あ、そっか。
秘書っぽい出で立ちの蛇神は椅子から立ち上がると、桜雪の前へと出てきた。
「さっきから騒がしいとは思っていたけど、あなたたちが原因だったわけ。部屋にもきちんと結界を張っていたんだけど、よく出てこれたわね」
そうなのか?
隼丸で一撃だったけどな。
「エルフたちはどうしたのかしら? ここにあなたたちがいるということは壊しちゃったのかしら」
ポケットにいますが、教えてやる義理はない。
「黙りなの? まあいいわ。ここまで来たあなたたちには3つの選択肢があります」
「一応聞いとく」
「1つ目はあたしの下につくこと」
「仮面をつけてか?」
「あたし、裏切られるのって嫌いなのよ」
「 ⋯⋯ 2つ目は?」
「この勇者と戦って無理やり仮面をつけられる。その子──」
さくらを指差す。
「勇者の子供に勝てるぐらいだから実力はかなりのもののはずよね。でも勇者には勝てないわ」
んなことわかってる。
「最後の選択肢はエルフたちみたいに操り人形になること。でもこれはおすすめしないわ。あたしは兵隊が欲しいんじゃなくて、一騎当千が欲しいんですもの」
「過大評価してくれるんだな」
「適切な評価だと思うわよ。それで、どれを選ぶの?」
「俺たちが勝つっていう選択肢が抜けてるぞ?」
「勇者に勝てるならどうぞ」
桜雪が腰の刀に手を伸ばした。
それだけで対峙するのも嫌なほどプレッシャーが跳ね上がる。
「わかったなら1から3で選んでね」
どれも選べるわけがない。
俺には待ってる家族がいる。
桜雪と一緒にみんなの元に帰るんだ。
無言のまま隼丸を構える。
これが答えだと言わんばかりに。
「2を選ぶのね」
「4かもしれないぞ」
蛇神が嘲笑。
椅子に戻る。
「あとは任すわよ、勇者。できるだけ傷つけないように」
桜雪が刀を抜いた。
やはり本家。
さくらとは比にならない洗練された構えだ。
『相棒』
隼丸の神妙な声が響く。
『わかってると思うがまともにやり合えば万に1つも勝ち目はないぜ』
その言い方だと勝つ方法があるみたいじゃないか。
『あるぜ』
隼丸はきっぱりと言い切った。
『本当は相棒も気付いてるんだろ。だけど、実行できねえんだよな』
⋯⋯ 子はかすがい、か。
『都合良く相棒の子供がいる。さくら嬢ちゃんを傷つければ相棒のステータスは10倍だ。桜雪嬢ちゃんだって楽勝になる』
俺には無理だ。
『相棒は優しいからそう言うと思った。となると、あとはもう隙をついて仮面を潰すしかねえよ』
隙を作れるかが1番の課題だけどな。
幸いなことにスキル『子は親の背中を見て育つ』でさくらのスキルが進化していた。
雷魔法は聖雷魔法に。
強化系は特大(10000アップ)になっている。
2人 ⋯⋯ いや3人がかりで挑めばなんとかなるかもしれない。
そういえばオーガのステータスを見ていなかったっけ。
密かに観察を使おうとしたら──いない!?
逃げた?
と思ったら、離れた場所で小さくなって隠れていた。
まあ気持ちはわかるから見なかったことにしよう。
視線を戻す。
いつの間にか桜雪の姿が消えていた。
「ひぃぃ!」
オーガの悲鳴が上がる。
振り返るとオーガが桜雪に羽交い締めにされて捕まっていた。
目にも留まらぬ速さで蛇神の元へ連れていかれる。
あ、仮面つけられた。
オーガがぐったりとする。
蛇神がオーガの頭に手を置く。
「あたしに従いなさい」
「──御意」
桜雪の横に、洗脳されたオーガが並び立つ。
その手には自分で抜いた角が握られていた。
味方が減って敵が増えた。
最悪じゃねえか!
2対2となった以上、
「さくらは母上を抑えるから、父上はオーガくんをよろしくね」
そうなりますよね ⋯⋯ 。
こうなったら腹をくくりますか。
それぞれの相手と対峙する。
俺にはオーガが。
さくらには桜雪が。
って逆ですやん!
待って待って。
さくらも意気揚々と始めようとしないで!
対戦相手逆にしようよ。
え、本気の母上と戦えるいい機会だって。
そんなの正気に戻ったらいくらでもできるじゃん!
手加減される?
そりゃ桜雪が本気出すわけにはいかないけど ⋯⋯ って、始めるな!
俺の制止むなしく、さくらがスキル隠密と気配を使った技を発動。
娘が認識できなくなった。
それは桜雪にも言えるはずなのに──
「きゃ!」
いとも簡単に一合も交えず捕まえられていた。
オーガと同じく蛇神の元へ連れて行かれ、仮面をかぶせられる。
洗脳者がまた1人増えた。
桜雪とさくらがオーガの横に立つ。
どうしようもない状況。
打破する方法はもはや奇跡を願うのみ。
桜雪が一歩前に出てきた。
あとの2人は動かない。
どうやら桜雪1人で十分だと思われたようだ。
その通りなんですけどね。
俺も隼丸を担ぎ構える。
先手必勝!
先に動いたのは俺。
地を蹴り斬りかかった。
桜雪は刀も抜かず待ちの姿勢。
間合いが詰まる。
刀を振り下ろす。
桜雪は居合い。
刀が抜かれる
寸前、なぜかオーガが桜雪に後ろからタックルをかました。
桜雪が前のめりに倒れてきて、飛び込んだ俺の右膝とこんにちは。
仮面が割れる。
「 ⋯⋯ ん? 拙者、今までなにを?」
奇跡が起きた瞬間だった。
睦月「この小説は読んでくれるみなさんの優しさによって更新され続けてるニャ」
ラミー「ありがたいことですよね!」
ボクス「さらにブックマークもしてくれると作者は泣いて喜びます」
桜雪「評価もしてほしいでござるが、そこまで望むとバチが当たりそうでござるからな」
ルリル「ダメ元でお願いするのはありだと思うわ」
一同『そういうわけでブックマークと評価、ぜひともよろしくお願いします』




