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異世界子作り日記 〜知らぬ間に世界征服?〜  作者: ずんぺー
第一章 増えゆく家族
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第14話 ゴブリンくんがいく 〜その1〜

昨日に続いて最高アクセス数更新ありがとうございます。



我はゴブリン。


ゴブリンクイーンと人間の子。


名前はまだない。


ランクは生まれもってレッドゴブリン。


グリーンゴブリンの上に位置する。


次期首領を約束された者だった。


過去形なのは少し前に勇者によって巣を潰されたからだ。


あれは鬼だ。

悪魔だ。


ゴブリンの勇敢な戦士たちが戦いを挑んだが誰1人としてかすり傷すらつけれなかった。


我だけは母親に逃され無事であったが仲間はみな殺された。


孤独だ。

寂しい。


だが立ち止まってはいけない。

我が王になり新しい家族を作り上げればいいだけのこと。


さて森に逃げ込んだのはいいが、腹が減った。


食料を探さなければ。


近くの木によじ登り、手頃な枝にジャンプ。


バキッと音ともに枝が折れ、我とともに落下 ⋯⋯ 痛い。


枝についた余計な葉をむしり取ると我得意の棍棒の誕生だ。


振ってみる。

存外に振りやすい。


うむ、エクスカリバーと名付けよう。


調子に乗って降り続けてたら石に当たって折れた。


もう一度同じ行程を辿る。


エクスカリバー2号を手にし、草木に隠れ獲物が通るのを待つ。


来た。

熊だ。

パス。

あんなに食べきれるわけがない。

前に挑んで3日間生死の境をさまよったからではないぞ。


しばらく待ってワニが通る。

これまたパス。

ワニは皮が硬くて好みではない。

決して前に一度食われかけてトラウマになったからではないぞ。


猪。

パスだ。


狼。

惜しいがパスだ。


うさぎ。

狩ろう!


前を通過した瞬間に飛び出し棍棒を振るった。


なに!?


軽やかに避けられた。

こやつ強者だ。


奇襲を失敗し奇しくも対峙する我とうさぎ。


なんとも獰猛な顔をしておるな。

それでこそ我が狙う獲物よ。


自然と棍棒を握る手に力がこもる。


次の一撃で決める。


機を待ち、


そして──負けた。


ボコボコにされた。


おかしい。


我のステータスでは余裕で勝てるはずだったのに。


回復魔法をかけながらステータスを確認する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


豊月隼人とゴブリンクイーンの第一子

Lv:26

HP217/422

MP63/105

攻撃417

防御231

魔力109

魔防100

速度193

幸運10


一般スキル

棍棒Lv21・回復魔法Lv9・指揮Lv4


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


これで負けるのはおかしい。


なるほど。

あのうさぎのステは我以上だったのだ。

そう考えると我が負けたのも納得できる。


ここの獣は手強い。

それがわかっただけでも僥倖だ。


狩りは闇に紛れて行ったほうがよさそうだ。

日が暮れるまでは3時間ほどか。

それまで昼寝をしておこう。


目を開けると辺りはまだ薄暗かった。

寝たのは1時間ほどか。

気が張ってろくに眠れなかったようだ。


我も繊細だな。


木に登り夜になるのを待つことにした。


夜が ⋯⋯ 明けた。


うぬ、時の女神のイタズラか。

時間を進められていたことに気付かぬとは我もまだまだよ。


ん?


ガサ、ガサ、ガサ


草木を分ける音。

獲物が近づいてきている。


我に倒せるだろうか?

いや待て。

我はいま天空を支配している。

うまくいけば脳天にエクスカリバー2号を叩き込めるのでは。


そう思うと自信がみなぎった。

やれる。

猪であろうとワニであろうと熊であろうといける!


そのときを待った。


ガサ、ガサ、ガサ


来い。


ガサ、ガサ、ガサ


あと少し。


ガサ、ガサ、ガサ


今だ!


真下を通った人間目掛けて飛び降り棍棒を叩


人間!?


こいつ

あの勇者だ!!!!


GYAAAAAAAAA!


逆に吹っ飛ばされた。


勇者は想定外すぎた。

斬られないだけマシだったかもしれない。

すぐさま立ち上がり、さっきまでいた場所を


オーノー!

追ってきてる!?


我は一目散に逃げ出した。



まいたか?


ふっ、我の本気の走りについてこれなかったようだな。軟弱者め!


しかし、ここはどこだ?


我の記憶では鳥人族の村近くだと思ったのだが、シンボルである湖がない。

それにとても熱い。

地面が赤くなっているところもある。


おや?

あんなところに階段があるぞ。

降りてみるか。


すぐに後悔した。

ここは我よりもはるかに強いモンスターの住処だったのだ。


慌てて階段を駆け上がる。

と、今度は勇者と鉢合わせ!

我の不幸はどこまで続くのだ!?


「ゴォォ?」


鳴き声だ。

勇者の注意が一瞬逸れた。


いまだ!

自慢の逃げ足もとい健脚を見せてやろう。


「待つでござる! く、逃げ足の速いゴブリンでござるな。まあよい。今は魔窟のほうを優先するでござるか」


お、勇者が階段を降りてったぞ。

あそこがモンスターだらけとは知らずにバカだな。


それよりもさっきの鳴き声は?


辺りを見回すが見つけられない。

ならば耳を澄ます。


「ゴォォ?」


聞こえた。

こっちだな。


鳴き声のほうに歩き出すとほどなくして一匹の子ワニを見つけた。

親とはぐれたのだろうか寂しそうに鳴いている。


孤独同士か。


気がつけば普通に近づいていた。


「ゴォ?」


子ワニは襲ってこない。

頭を撫でてやる。

嬉しそうに鳴いた。


仲間ができた。


せっかくなので子ワニに名前をつけてやる。


「ワニー」


なぜかショックを受けている。

おかしい。

ナイスなネーミングだと思ったのだがまあいい。


我はワニーと一緒に森に戻る。

狩りを再開する。


だが獲物がなかなか見つからない。

たまに見つけても、ワニーを見ると一目散に逃げていく。


なぜだ?

ワニぐらい森の中にいるではないか。

まさかワニーをモンスターと間違えているのか?


ワニーを見る。

笑いかけてくれた。


うむ、こんなかわいいワニーがモンスターのはずがない。


しかしこうなると困った。

狩りをする以前の問題だ。


もう少し奥に行ってみるか。

この方向には確か森の主が住んでいたはず。

うまくいけば食料を盗めるかもしれない。


どうやら我の考えは当たっていたらしい。

前方に吊るしてある肉を発見した。


森の主が冬用に干し肉を作ろうとしているのだろうか?


残念だったな。

それは今から我に食べられるのだ。

ん?

あ、いや忘れておらんぞ。

我々に食べられるのだな。


ワニーでは届かないのでここにいるように言い、我が忍び足で近寄る。


大丈夫、誰もいない。


干し肉に手を伸ばし


「誰でしゅ?」


見つかったか!


だが獣人の子供だ。

慌てる必要はない。

無視して干し肉に


「泥棒さんでしゅか?」


うるさい子供だ。


「ダメでしゅよ。そりゅはみんなの」


知ったことじゃない。


「もう。魔法『炎』」


GYAAAAAAAAA!


燃やされた。

油断した。

こんな子供が上級魔法を使えるとは。


逃げろワニー!


我の意識は途絶えた。




気がついたとき、我は簀巻きにされ身動きがとれない状態になっていた。


ワニーは大丈夫なのか!


ワニー! ワニー! ワニー!


「うるさい! 子供たちも寝てるんだぞ! 静かにしやがれ!!」


虎の獣人に猿轡もかまされた。


ワニーの安否もわからぬまま夜が明けた。


家から数人の男女が出てくる。

我の処遇を話しているようだ。


人語はうまく聞き取れんが ⋯⋯ 滝だと!?

我は泳げんぞ。


落とす?

下ろしてくれるのか?

鳥人は優しいのだな。


一撃!

猫の獣人は我を殺す気だ!!


やめろ、離せ、下ろせ!


暴れていると人間の男が猫の獣人に命令して我の猿払を外させた。


人間の男がこの中で1番偉いのか!

一縷の望みを賭けてみよう。


「モウ、ワルイ、ナイ。イノチ、イル。ナカマ、マテル」


「信じていいのか?」


「イイ」


我は男の目を真っ直ぐ見つめる。


不意に男が笑い、我は解放された。

それもうさぎのお土産まで貰えた。


この男は神だろうか!


「レイ、イル。モドル」


この恩は忘れない。

いつか必ず返しにくる。


「レイ」


森の中に戻るとワニーが待っていた。

我が戻ったと知ると泣いてくれた。


すまない、心配をかけたな。



まだ見ぬ人間の父よ。

あなたもあのように優しい男であろうか。

願わくばそうであってほしい。


そして我に名をつけてくれ。

第1話からの伏線をようやく回収できました。

明日からまた主人公視点に戻ります。

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