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異世界子作り日記 〜知らぬ間に世界征服?〜  作者: ずんぺー
第一章 増えゆく家族
13/69

第13話 ゴブリン

昨日のアクセス420。

初めて400超えました!

みなさんありがとうございます。

〜57日目〜


妖刀の催淫効果は1日で消えたが、人間関係までは元には戻らなかったようだ。


どこかよそよそしくなったサスケさんとデュランディムさん。ちら、ちらと互いに盗み見しながら、たまに視線が合うと顔を赤くしてそっぽ向く。


中学生か!


獣の爪メンバー内では


「浮気者!」

「お前だってそうだろうが!」


「責任とってよね?」

「待ってよ。あたしだって責任とってもらいたいのよ!」

「2人とも下がって。ジュークは私のものよ」


「これからは兄貴って呼んでいいっすか?」

「や、やめろ。あれはなにかの間違いだったんだ」

「兄貴ー!」

「やめろー!!!!」


色々とギスギスした雰囲気になっている。


そして肝心の真田桜雪と言えば ⋯⋯


「子を成す。これが女の幸せでござるか。いいものでござるな」


変われば変わるものだ。


俺と腕を組み、反対側の手で大きくなったお腹をさすっている。

すれ違いざまに感じた殺気、緊張感などみじんもなかった。


「少し離れてくれないか? 歩きにくいんだけど ⋯⋯ 」


子供たちの視線もあることだし。


「や、でござるよ。家に戻れば先妻が3人もおるんでござろう? ならば今だけでも甘えさせてほしいでござる」


逆にもっとしがみつかれた。


ふと子供たちの会話が聞こえてくる。


「次は弟かな妹かな」


「あたちは妹がいい!」


「お腹触ってみたい」


「僕もお兄ちゃんかー」


うん、全然気にしてないな。


もういいや。

このまま帰ろう。


〜58日目〜


行きと違って探索活動をしなかったので2日ほどで地上に戻ってこれた。


収穫のほどは魔力がこもった武具5つ、大小さまざまな魔石、たくさんの宝石類、山盛りの金貨に砂金+この魔窟の情報を売るらしい。


金貨3万枚になるのかどうかは俺にはわからなかったけど、サスケさんのホクホク顔を見ればなんとかなるんじゃないかな。


魔窟を出た足でサスケさんたちは急ぎ街に戻っていった。

今日がもう終わりそうだけど明日一日休みなく駆ければ約束の10日目までには帰れるはずだ。


残された俺たちも帰路についた。


〜59日目〜


家近くまで戻ってくると奇妙なものを見つけた。


簀巻きにされて大木の枝から吊るされている赤いゴブリンだ。


「もしかして桜雪が追ってた奴か?」


「どうでもいいでござる」


俺に引っ付きゴブリンに見向きもしない。

勇者としての威厳はどこにいった?


ま、ぐったりしてるし放っておいても害はないだろう。


あ、こら!

ツンツンするな!

石投げるな!

家戻るよ、早くおいで。


「ただいま〜!」


完成したログハウスに入ると3人の奥さんと4人の子供のハグが待っていた。


「おかえりニャ、ご主人様。ここ座るニャ」

「お疲れ様です。肩をお揉みしますよ、隼人様」

「足のマッサージならお任せください、豊月様」


ハグが終わると1番いい席に座らせてもらい肩や足を揉んでもらう。なんていい身分なんだろう。


子供たちは子供たちで盛り上がってる。楽しかったよ、羨ましいといった声が聞こえてくる。

今回連れて行けなかった子供たちで今度どこか行くか。


「ところで隼人様。あの方はどなたですか?」


ラミーが輪に入れなかった桜雪に気付くと、


「拙者、真田 桜雪でござる。先日、隼人殿と契り4番目の妻となりました。武芸ならまだしも妻としては未熟者ゆえにご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いしたいござる」


なんとまあ見事な三つ指ついての丁寧な礼をするんだ、こいつは。

やっぱり俺と同じで日本からの転移者なのかな?

あとで2人っきりのときに聞くか。


「そういうわけだからみんな仲良くしてくれ。子供ももうすぐ生まれてくるし」


この世界がおかしいのか睦月たちがおおらかなのか、うちの家庭は奥さん子供が増えるにはウエルカムらしい。

今回もまた暖かく迎え入れられていた。


とそうだ!


「外のゴブリンはなんなんだ?」


「食料を盗みに来たところを皐月くんが捕まえたんですよ」


「やるな〜、皐月」


あとでいい子いい子してあげよっと。


「それで処遇なんですけど、隼人様が戻ってくるまで待とうという結果になりまして」


で、吊るしたわけか。


「ゴブリンなんかどっかに放り出してくればいいさ」


ゴブリンはトラウマだが簀巻きにされてるのを殺すのは忍びない。

姿さえ見えなければいいんだ。


「でも明日にしよう。今日は疲れたからもう寝るよ。桜雪、一緒に来てくれ」


俺にあてがわれた寝室は2階の端っこ。中にはサスケさんが用意してくれたのか大きなベッドがあった。


思わず飛び込んだ。

このまま寝てしまいそうだけど、


「桜雪、聞きたいことが。ってなんで脱いでる!?」


「え? 床に呼ばれたので閨を所望かと思ったんでござるが ⋯⋯ 」


「さすがの俺も身重のお前の体が心配でできないよ」


ここ座り、とベッドをポンポンと叩く。


「失礼するでござるよ」


桜雪は横に座った途端、腕を組んできて頭を肩に乗せてきた。


かわいいなこいつ!


襲いたくなるところを理性でギリギリで耐えながら、


「さっきの三つ指でも思ったんだけど、桜雪も地球から?」


「そうでござるよ? 今更なにを言うでござるか。女神の加護を受けた者はみな地球からの転移者でござろう」


「 ⋯⋯ 初耳なんですけど」


「殿の女神は横着者でござるな。戦の女神が言うには、ここ数年で時代場所関係なく7人の地球人が選ばれたらしいでござるよ」


なるほど。

この世界には俺たち以外に5人の地球人がいるのか。会ってみたいような会いたくないような


「ん、いま時代場所関係なくって言わなかったか?」


「言ったでござるが」


古風だとは思っていたけどまさか──


「桜雪の生まれは何年だ?」


「拙者、寛文11年生まれでござるよ」


いつだそれー!?


桜雪の話をまとめると。

西暦1671年仙台にて誕生。

あの真田幸村のひ孫だという。

女神から与えられた加護(チート)は観察と自己回復。


さらに驚きなのは彼女は俺より半年も前にここへ来ており、すでに3人の同郷(うち1人は俺)と会ったらしい。


1人は(ヨン)の国にいるナイチンゲールの子孫を名乗る少女。どんな病気でも怪我でも瞬く間に治す能力を持ち聖女と呼ばれているらしい。


回復に特化したチート持ちっぽいな。

ただ疑問が1つ。

ナイチンゲールって確か生涯を看護に捧げて結婚しなかったんじゃなかったっけ?

調べようがないからわからずじまいだった。


もう1人はなんと5年も前にこちらに連れて来られ、最近では(サン)の国の王にもなったガザドロフという人物。西暦2275年生まれの未来人らしい。

盗むことに特化した能力だと言う。


この調子だとあとの3人もなんらかのチートを持ってるはず。


誰も干渉してこないでほしいな。

俺はここで幸せにのんびりと暮らしたいだけなのに。


〜60日目〜


サフリアン商会はどうなったのかな?

気になりつつも、今は目の前の問題を先に解決する。


「このゴブリン、どこに放り出せばいいと思う?」


吊るされた赤いゴブリンを見上げる。


猿轡が増えていた。

熟睡していたため気付かなかったけど、夜中に叫んでうるさかったらしい。


「近場だと戻ってきますよ。少し歩いた場所に滝があるのはご存知でしょう。そこに落として流してしまえばどうでしょうか?」

とはラミー。


いや、それ十中八九死ぬから。


「高い位置から落とすというのは?」

とボクス。


君たち殺そうとしてない?


「一撃ニャ!」


違うからー!


「魔窟に閉じ込めてはいかがでござるか?」


まともな意見は桜雪だけだった。


「サスケさんが魔窟の情報を売るって言ってたからな。下手にいじらないほうがいいと思うんだ」


サスケさん大丈夫かな?

心配になってきた。

早く終わらせて誰か街に走ってもらおう。


「隣の国に放り出すってのはどうなんだ?」


「それでもいいですけど、ここから国境は遠いですよ」


「そっか。じゃ、どうするかな?」


見上げた。


目が合う。


モガモガモガモガとなにか喋ろうとしている。


本人の意見でも聞いてみるか。


睦月に猿轡を外させると、


「モウ、ワルイ、ナイ。イノチ、イル。ナカマ、マテル」


もう悪いことしない。殺さないで。仲間が待ってる。とでも言ってるのかな?


「信じていいのか?」


「イイ」


目をしっかり見る。


真っ赤な瞳は真っ直ぐに見つめてきた。


しばらく視線を外さずにいると、なぜか笑みがこぼれた。


こいつの顔、俺を襲ったゴブリンに比べて愛嬌があるな。


「いいだろう。睦月、下ろしてやって。ボクスはあそこに吊るしてるうさぎの燻製を」


全員のえ? て顔にいいからと告げる。


解放した赤いゴブリンにうさぎの薫製肉を渡し、行けとばかりに手で追い払った。


「レイ、イル。モドル」


お礼をしにいつか帰ってくる。かな。


「レイ」


ありがとう。だよな。


不思議だ。

なぜか伝えたい言葉がわかる。


何度も頭を下げながらゴブリンは去っていった。


「あれでよかったんですか隼人様。また悪さをしに来るかもしれませんよ?」


「そう言うなラミー。そんときはきちんとするさ。それよりもサスケさんたちのほうが気になるよ。誰かヘルガーさんに街まで行ってくれるようお願いしてきてくれる?」


「お爺様なら私が行きますよ」


ラミーにお礼を言いつつも、視線はゴブリンが去っていった方向に。


なぜだかモンスターなのに、ゴブリンなのに、あいつには親近感が湧いた。


まるで如月たち子供に接してる気持ちになってしまった。


いつか恩返しに来るんだろ?

変なとこで野垂れ死にするんはないぞ!

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