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異世界子作り日記 〜知らぬ間に世界征服?〜  作者: ずんぺー
第一章 増えゆく家族
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第11話 初めての街

少しでも面白いと思った人はブックマークか評価をお願いします。


やる気がUPします!!

〜48日目〜


人間がいっぱいだ。


街の外。

中に入るために多くの人間が順番待ちをしていた。


今まで獣人鳥人果てにはモンスターとしか会ってないから、すごく新鮮に感じる。


「隼人さん、我々はこちらですよー」


前言撤回。

サスケさんは人間だった。


「すみません。人が多過ぎてびっくりしてました」


「普段はこっち側もっと少ないですよ。今はゴブリンの巣を探検しようとする冒険者たちがいますからね」


「あれ、でももうなにも残ってなかったんじゃ?」


「隠し部屋とかを探すんでしょうね」


「そんなのあるんですか?」


「あるのかないのかわからないから隠し部屋ですよ」


確かに部屋があるとわかってたら、それはもう隠し部屋じゃないもんな。


「順番が来ましたね。離れないでください」


サスケさんを先頭に固まって動く。


「お帰りなさい、サスケさん。いい収穫はありましたか?」


「今回はなにも」


「それは残念でしたね。えっと出て行くときより4人ほど多いんですけど」


俺、睦月、如月、弥生のことか。


「この方たちは私のお客様です。身元は私が保証しますよ」


「サスケさんが保証人なら安心ですね。ではどうぞ」


門が開かれ街へと招き入れられた。


異世界に来て48日目。

俺はようやく街に辿り着いた。


街は人、人、人。

人で溢れかえっている。


「今日はお祭りかなんかニャ?」


「いえいえ。ここグランフールでは毎日このような感じですよ。王都の市場なんか足の踏みどころがないぐらいの混雑ぶりですから、それに比べればまだマシでしょう」


「むーは人いっぱいは嫌いニャ」


跳躍、家の屋根に飛び移った。


「あたしもする!」

「あたちも!」


双子ちゃんが続く。


「先に行くニャ。どこ向かえばいいニャ?」


「このまま真っ直ぐ行った先に屋根が赤色の屋敷があります。そこに行ってください」


「わかったニャ」


3人は屋根伝いにさっさと走って行った。


「すみません。あとできつく叱っておきますので」


「あれぐらい構いませんよ。私たちも急ぎましょう」




サスケさんの店を一言で表すなら『でかい』だった。


「随分悪いことして稼いでるんですね」


「人聞きの悪いことを言わないでください。サフリアン商会は誠実丁寧がモットーなんです」


「のわりには俺を騙したけど」


「あれの報酬はもう払ったじゃないですか」


そうでした。と顔を見合わせ笑った。


そんな俺たちの会話が聞こえたのか中から続々と人が出てくる。


「旦那様!」

「お帰りなさい!」


みんなサスケさんを見ると笑顔になる。部下から慕われているのがよくわかった。


そんな部下たちがモーゼの十戒みたく急に左右に分かれた。そこを通って顔を見せたのは、睨むような瞳をした金髪着物の女性。


「お帰りなさいませ、お兄さん。いらっしゃいませお客人」


優雅にお辞儀する姿には気品すら感じる。


「サスケの義理の妹タマモと申します。立ち話もなんどすさかい中へどうぞ」


「ありがとうございます。ただ俺たちの前に誰か ⋯⋯ あ、来た」


どこぞの屋台で買い食いしていたから遅れたのだろう。口いっぱい汚しながら睦月たちが到着した。


瞬間、


「あら、あらあらあらあら!」


タマモさんのきつそうな顔が破顔。口からは涎、頭からは狐耳、お尻から尻尾が6本出てきた。って獣人だったのか!


「いかん。病気が始まった」


サスケさんが頭を抱え、


「あいつはかわいい女性を見ると豹変するんですよ」


見ると睦月は逃げたけど如月と弥生が捕まっていた。無理やりいい子いい子されてる。あ、ちゅっちゅっちゅってされてる。2人は今にも泣きそうだ。


しかし狐耳に6本の尻尾か。

あと3本足せば九尾の狐だったのに惜しい。


〜49日目〜


「いややわ、昨日はお恥ずかしいところをお見せしたわ」


口元を着物の袖で隠すものの頬は赤く染まっているタマモさん。なかなか色っぽい。


あれから結局タマモさんは暴走したままで、まともに喋れなかった。

ま、その分サスケさんと盛り上がったからいいけどね。


あとこっちの世界に来て初めてお風呂に入った。めっちゃ気持ちよかった。

やっぱ俺は日本人なんだなってつくづく思わされたよ。


ちなみに睦月たちはサスケさんの別宅に行ったためお風呂には入っていない。タマモさんと一緒にいるのが怖いらしいけど、昨日の晩になにをされたのやら?


「そういえばサスケさんは?」


「新しい儲け話を見つけたから冒険の準備をしないといけない。と言って出ていったで」


魔窟のことかな。


「そっか。俺は今日一日どうしようかな?」


「よろしければうちが街をご案内しますで?」


「お仕事はいいんですか?」


「隼人さんを案内するのも大事なお仕事どす。それにお兄さんから、隼人さんを1人っきりにさせるな。この街のワインを買い占められると言われておりんす」


「そんなこと・・・」


企んでいましたけどね!


「じゃお願いしようかな」


「喜んで」


彼女の案内のおかげで迷うことなく欲しいものが買えた。主に衣類だが。


店に戻ってきたのは夕方ごろだった。


「ただいま帰ったでありんす」


「若女将!」


番頭さんの1人が血相を変えて駆け寄ってきた。


「どうしたん?」


「やられましたよ。壱の国でワインを買い集めていたのは知っていたでしょう? さあ値段を釣り上げて売るぞ。ってときに製造を再開したんですよ。それも今までの半値以下で売り出してます!」


「あれはお兄さんが絶対に儲かるからとかなりの金貨を借りてたはずどす!」


「正確な数字はわかりませんが3万枚はゆうにこえてるかと」


タマモさんの顔が真っ青になった。


「・・・お兄さんはどこにおるん?」


「すでに金策に走ってます」


「そうどすか。ならうちも」


俺に振り向き、


「この後晩酌のお相手をする予定やったんどすけど、出かける予定ができました。店先で離れることをお許しておくれやす」


「状況が状況ですので俺のこと気になさらずに」


「おおきに」


タマモさんを見送った。


うーん、手持ちでどうにかなるなら喜んで差し出すけど、足りないしな。

金策うまくいくといいんだけど ⋯⋯ 。


〜50日目〜


朝方起きてくると徹夜したようで目の下にクマを作り憔悴し切ったタマモさんの姿があった。


どうだったか? と聞くまでもなく、状況は芳しくないようだ。


そこへサスケさんが戻ってきた。

こちらも疲れ切った顔をしている。

ため息をつきながら椅子に腰を下ろした。


「どうどしたか、お兄さん?」


「どうもこうも他の商会も似たような感じで貸してくれるところなんかなかった。そもそもがはめられたんだ。元々ワインの製造は停止していなく値段を上げるための情報操作だったらしい。各国の商会が大打撃を受けている。大手の商会もいくつか潰れることが決定した。壱の国のお抱え商会ミツトモの一人勝ちだ」


地球ではこういう状況をなくすために独占禁止法があるのだが、こちらの世界にはなかったらしい。


「うちも潰れるのでありんすか?」


「 ⋯⋯ 一箇所だけ。条件付きで貸してくれるとこはある。お前が嫌ってる


「バフリスの旦那のことでありんすね」


サスケさんは項垂れるように頷くと、


「お前が後妻に入るなら、と言われた」


「60近いのにお盛んなことどすな。お兄さん、うちいきますよって」


「ギリギリまでは金策に走る。10日以内になんとかならなかった場合は ⋯⋯ すまん」


「ええどすよ。お兄さんには記憶を失い彷徨っているうちを拾ってくれた恩がありんすから」


そう言えば義理の妹だと言っていたっけ。そういう事情があったのか。


「壱の国で出会ってからもう3年か。人身御供のためにお前を育ててきたわけじゃないのに ⋯⋯ 」


「気にせんでええどすよ。お兄さんのためになるなら本望どす。すみませんけどうちは中座させてもらいますよって。失礼します」


タマモさんが部屋から出ていく。

かすかに涙が見えた。


なんとかしてあげたいな。


「お見苦しいところをお見せしてすみませんでした」


サスケさんが俺のほうに向き直った。


「お聞かせした通りの状況ですが、隼人さんに頼まれた品は必ず後日お届けいたしますのでご安心ください」


「それはいつでもいいんですけど10日以内にどうにかなりそうですか?」


「無理でしょうね。せめて1ヶ月あれば魔窟を攻略できたかもしれませんが」


「魔窟?」


「ええ。魔窟にはモンスターの巣よりもお宝が眠っている可能性があります。金銀財宝が蓄えられていることも。ただモンスターの凶暴さやランクも上がりますのでA級冒険者が少ない獣の爪では時間がかかるんですよ。せめてS級が1人でもいれば話は別なんですが」


チラッと俺を見てきた。


俺はS級ですか?

判断基準がないからよくわからないな。


「ちなみにS級のステータス平均ってどれぐらいなんですか?」


「一概には難しいですね。レアスキルの持ち主ならステータスが低くてもA級S級になれるんですよ。純粋にステータスの平均ならB級2、300、A級400ぐらい、S級は1000を超える方が多い感じですね」


となると、うちにはA級が5人S級が1人いる計算になる。


「デュランなんとかさんのグループはすぐ動けるんですか?」


「デュランディムさんですね。準備は万端ですが、それがなにか?」


「そこに俺たちを加えたら10日以内に魔窟を攻略できるかなって思って」


「協力してくれるんですか!?」


してほしそうな顔してたくせに。


「当たり前じゃないですか。サスケさんには家作りでお世話になりましたし」


「ありがとうございます。隼人さんたちのお力添えがあれば百人力です」


かくして俺たちは急ぎ足で森へと戻るのであった。


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