第一層踏破
とうとう50話超えました!
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それから三日。
蓮は《探知》を一度も切ることなく、第三ゲヘナ第一層を探索し続けていた。
朝、ゲヘナへ入り、夜に帰還する。
その繰り返し。
《探知》は常時発動。
魔力量に余裕のある蓮だからこそ可能な、半ば力技とも言える熟練度の上げ方だった。
その甲斐あって、魔物の気配を捉える精度は日を追うごとに増していきLv.5に範囲も半径200メートルまで伸びたLv.5からは100メートル単位で伸びるらしい。
以前は「何かいる」としか分からなかった反応も、今では魔物なのか人なのかを感覚的に判別できるようになっていた。
戦闘も安定していた。
ケイブセンチピード。
ケイブスパイダー。
ゴブリンソルジャー。
ケイブウルフ等。
第一層に生息する魔物であれば、もはや苦戦することはない。
《探知》で位置を把握し、《魔法盾》で攻撃を受け止め、剣で確実に仕留める。
危なげない戦いを積み重ねながら、蓮は着実に第一層の地図を頭へ描いていった。
もちろん、道中で宝箱もいくつか発見した。
中身は魔力鉱石や回復ポーション、小量の魔石など比較的ありふれたものばかりだったが、それでも探索を続ける資金としては十分だった。
そして。
三日目の夕方。
蓮は大きな岩壁の前で足を止める。
その先には、地下へと続く幅広い石階段が静かに口を開けていた。
階段の脇には、自然に削られたとは思えない石碑が立っている。
『第二層』
その二文字だけが古代文字で刻まれていた。
「……見つけた。」
蓮は思わず息を吐く。
第三ゲヘナ第一層。
ついに踏破である。
探索者端末にも現在地が表示され、新たな階層への到達が記録された。
「ここが第二層への入口……。」
階段の先は深い闇に包まれ、ライトを向けても途中までしか見えない。
《探知》を向けてみる。
だが、階層が違うためか、その先までは探ることができなかった。
「今日はここまでだな。」
無理はしない。
それが蓮の探索方針だった。
新しい階層へ踏み込むのは、万全の状態で挑むべきだ。
蓮は階段の形状や周囲の目印を端末へ記録し、来た道を引き返し始める。
その帰路も、《探知》のおかげで危険なく進むことができた。
途中で遭遇した魔物も数体だけ。
難なく討伐し、一時間ほどで第三ゲヘナの入口へ辿り着いた。
◇◇◇
探索者協会本部。
受付で魔石等の買取を済ませる。
気が付けば口座には1800万程入っていた。
買い取りが終わり職員が端末を確認して目を丸くした。
「神代さん……第一層を踏破されたんですね。」
「はい。第二層へ続く階段を確認しました。」
「おめでとうございます。」
職員は笑顔で頷く。
「第三ゲヘナは構造が変化するため、完全な地図は作れませんが、階段の発見報告は探索データとして記録されます。第二層は第一層より魔物の強さが一段階上がります。単独で挑まれるのでしたら、くれぐれもお気を付けください。」
「はい。」
短く返事をすると、蓮は協会を後にした。
外へ出ると、夕暮れの風が心地よい。
《探知》はまだ発動したままだ。
魔力には十分余裕がある。
(明日からは第二層か。)
第一層は踏破した。
だが、それは第三ゲヘナ攻略の始まりに過ぎない。
地下深くへ進むほど、より強力な魔物、希少な宝箱、そして未知の発見が待っている。
蓮は夕焼けに染まる空を見上げ、小さく笑みを浮かべた。
「もっと強くならないとな。」
そう呟き、新たな目標を胸に、家路へと歩き始めた。
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