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《魔法盾》の可能性

前回のおさらい

魔法盾の使用感確認のためゲヘナで初めての戦闘。

「ギィィッ!」

「ギャッ!」

一体では終わらなかった。

茂みの奥から、さらに三体のゴブリンが姿を現す。

それぞれが錆びた剣や棍棒を手にし、蓮を囲むように距離を詰めてくる。

(三体か……。)

蓮は剣を構えたまま深呼吸する。

焦るな。

祖父に何度も言われた言葉を思い出す。

「相手を見る前に、自分を見失うな。」

その瞬間、三体が同時に飛び掛かってきた。

「ギャァァッ!」

蓮は左腕の《魔法盾》を前へ構える。

ガァン!!

右からの短剣を受け止める。

しかし今度は、先ほどのように相手は仰け反らなかった。

「……?」

そのまま押し込まれそうになる。

(さっきとは違う……!)

咄嗟に身体を捻って力を逃がし、剣で反撃する。

ザシュッ!

一体目を倒す。

すぐに二体目が棍棒を振り下ろしてきた。

ガンッ!!

再び盾で受け止める。

今度も何も起きない。

(違う……ただ受けるだけじゃダメなんだ。)

蓮は先ほど最初のゴブリンと戦った瞬間を思い返す。

盾に衝撃が伝わった、あの一瞬。

魔力が勝手に流れたような感覚。

(もしかして……。)

2体目のゴブリンが再度攻撃してくる。

蓮は盾へ意識を集中させた。

(魔力を盾へ。)

光が僅かに強くなる。

「今だ!」

ガァァン!!

剣が盾へ激突した瞬間。

ドンッ!!

「ギッ!?」

ゴブリンの身体が大きく仰け反った。

「やっぱり!」

成功した。

意識して魔力を流した瞬間だけ、衝撃が相手へ返っている。

自動で発動する能力ではない。

自分の意思で発動させる技だった。

体勢を崩した隙を逃さない。

蓮は一歩踏み込み、祖父から叩き込まれた剣術で首筋を薙ぐ。

ザシュッ!!

二体目が光となって消えた。

残る一体。

「ギィィッ!」

最後のゴブリンは怒りに任せて突っ込んでくる。

蓮は静かに構えた。

(衝撃が来る瞬間に、魔力を流す。)

タイミングを合わせる。

ガキィン!!

盾へ剣が当たる。

同時に魔力を流し込む。

ドォン!!

今度は先ほどよりも強く反射した。

ゴブリンは大きくのけ反り、完全に隙を晒す。

「終わりだ。」

剣閃が走る。

三体目も光へ変わった。

静寂が戻る。

蓮は右腕の《魔法盾》を見つめ、小さく笑う。

「なるほど……。」

「この盾は、使い手次第で強くなる。」

まだ能力の全ては分からない。

だが一つだけ確信した。

《魔法盾》は、防御スキルではない。

“技術で真価を引き出すスキル”なのだ。


四体のゴブリンは淡い光となって消え、その場には小さな魔石だけが残されていた。

「終わった……。」

蓮が魔石を拾い集めた時

ピッ、と探索者端末が電子音を鳴らす。


経験値を獲得しました。


次の瞬間、全身が温かな光に包まれた。

筋肉に力がみなぎり、身体が驚くほど軽くなる。

視界は鮮明になり、さっきまで消耗していた魔力まで完全に回復していた。

「レベルアップしたってことかな?。」

思わず拳を握る。

たった一つレベルが上がっただけなのに、身体能力の向上をはっきりと実感できた。

その直後、《魔法盾》が強く輝き始める。

「まだ何かあるのか?」

頭の中へ、新たな知識が流れ込んできた。

----------------------

《魔法盾》の熟練度が一定値に達しました。

《魔法盾》Lv.2へ上昇。

アーツ《反射(パリィ)》を習得しました。


反射(パリィ)

消費魔力量:小

攻撃が命中する瞬間に魔力を流すことで、衝撃を返しながら相手の体勢を大きく崩す。

成功時、魔力消費を軽減。

----------------------

「なるほど……。」

先ほど偶然成功した衝撃の反射。

あれは《魔法盾》の特性であり、《パリィ》はその力を意図的かつ効率よく引き出すための技なのだろう。

蓮は右腕に装着された《魔法盾》へ視線を向け、小さく笑みを浮かべた。

「ハズレスキルどころか……この盾、まだまだ強くなりそうだ。」

誤字脱字等御座いましたら指摘お願いします!

続きが気になる!面白い!と思ってくださったら評価お願いします。励みになりますm(_ _)m

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