表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/84

岩の魔物

前回のおさらい

激闘の末アーマードマンティスを撃破

アーマードマンティスとの戦闘から二十分ほど。

蓮は端末で現在地を確認しながら、慎重に岩場を進んでいた。

『第一目標地点まで 0・7キロ』

「もう少しだな……。」

先ほどの戦闘で体力と魔力は消耗しているものの、まだ余力は十分残っている。

腰のポーチから携帯用の魔力回復薬を取り出すことも考えたが、蓮は首を横に振った。

(まだ温存しておこう。)

本当に必要になる場面は、この先かもしれない。

岩場を抜けると、景色が少し変わった。

黒い岩山の間に細い渓谷のような道が続いている。

左右は切り立った崖。

逃げ場は少ない。

「こういう場所は……。」

言い終える前だった。

ゴロッ……。

頭上から小石が転がり落ちる。

「!」

反射的に見上げる。

その瞬間。

ドォンッ!!

巨大な影が崖の上から飛び降りた。

着地の衝撃で地面に亀裂が走る。

探索者端末が即座に反応した。


『ストーンゴーレム』

『討伐推奨レート:C+』

身長は三メートルほど。

全身が岩で構成された人型の魔物だった。

両腕は丸太のように太く、拳だけで人間ほどの大きさがある。

「またC+か……。」

蓮は静かに剣を抜いた。

ゴーレムは感情のない瞳で蓮を見下ろすと、ゆっくり右腕を振り上げる。

次の瞬間。

ブォンッ!!

巨大な拳が振り下ろされた。


「《魔法盾(アイギス)》!」

黄金色の盾が展開される。

ガァァンッ!!

鈍い衝撃音が渓谷へ響いた。

「重い……!」

ロックリザードともアーマードマンティスとも違う。

純粋な質量の暴力。

《魔法盾》が衝撃を吸収したとはいえ、足元の岩がひび割れていく。

(受け続けるのは危険だ。)

蓮はすぐ横へ飛び退いた。

直後、拳が地面へめり込み、大量の岩片が舞い上がる。

「はっ!」

その隙へ斬り込む。

剣はゴーレムの膝を狙った。

ガギィンッ!

しかし浅い傷しか付かない。

「硬い……!」

アーマードマンティス以上の防御力だった。

試験官は後方から冷静に分析する。

(どう攻略する……。)

ストーンゴーレムは耐久力こそ高いが、動きは決して速くない。

だが焦って攻めれば、あの拳の一撃で終わる。

蓮は距離を取りながら観察した。

(腕……。)

拳を振るうたび、肩から肘へかけて僅かに岩が軋む。

完全な一枚岩ではない。

関節が存在している。

「なら……。」

ゴーレムが再び突進してくる。

今度は両拳を同時に振り下ろした。

「《前方城壁(スクード)》!」

黄金色の城壁が目前へ出現する。

ズドォォォン!!

轟音が鳴り響き、拳が城壁へ激突した。

巨大な衝撃で周囲の岩壁が震える。

だが城壁は崩れない。

その一瞬。

ゴーレムの両腕は城壁へ押し付けられ、完全に動きが止まった。

「そこだ!」

蓮は城壁の横を駆け抜け、一気に懐へ飛び込む。

狙いは右肩の関節。

「はあっ!」

三連撃。

同じ場所だけを連続で斬りつける。

ガキンッ!

四撃目で岩に亀裂が走った。

「効いてる!」

ゴーレムが腕を振り上げようとする。

しかし関節が傷付いたことで動きが僅かに遅れる。

蓮は逃さない。

《魔法盾》で左腕の薙ぎ払いを受け流し、その勢いを利用してさらに回り込む。

「おおおっ!」

渾身の斬撃。

バキィィッ!!

右腕の肩口から大きな亀裂が走った。

ゴーレムの腕がぐらりと傾く。

観覧室では思わず声が漏れる。

「関節を狙ったか!」

「また弱点を見抜いた!」

佐伯は満足そうに笑った。

「力任せじゃない。」

「観察して、考えて、最適解を選ぶ。」

「それが神代蓮の強さだ。」

一方の蓮は油断していなかった。

腕を一本壊しても、ゴーレムはまだ健在だ。

「まだ終わってない。」

剣を構え直す。

ストーンゴーレムも低く唸るような音を響かせながら、ゆっくりと残った左腕を持ち上げた。

『第一目標地点まで 0・5キロ』

端末の表示が更新される。

試験の目的地は、もうすぐそこだ。

しかし、その最後の道を守るかのように立ちはだかるストーンゴーレムとの決着は、まだついていなかった。

誤字脱字等御座いましたら指摘お願いします!

続きが気になる!面白い!と思ってくださったら評価お願いします。励みになりますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ