新アーツ取得
前回のおさらい
群れの戦闘を終え、昆虫型の魔物と対峙する。
アーマードマンティスは鎌をゆっくりと持ち上げる。ギギギ……。
甲殻が軋むような不気味な音が岩場に響いた。
次の瞬間、地面を蹴る。
「こいつも速い!」
巨体とは思えない速度で蓮との距離を一気に詰める。
鎌が袈裟斬りに振り下ろされた。
ギィン!
蓮は《魔法盾》で受け止めるが、その衝撃で1メートル程後方へ弾き飛ばされる。
「っ……!」
(重い……!)
ロックリザード以上の膂力だった。
間髪入れず、もう一方の鎌が横薙ぎに迫る。
ガァンッ!
鎌は《魔法盾》に弾かれる、一度蓮は後退した。
(正面からじゃ押し負ける。)
距離を取りながら、相手の動きを観察する。
すると、アーマードマンティスの口元が不気味に開いた。
「……?」
口からブクブク、とオレンジの液体が垂れ始める。
「まずい!」
次の瞬間。
ブシャアァァァッ!!
大量の酸液が扇状に吐き出された。
岩肌へ降り注いだ酸は、ジュウウウッと音を立てながら岩を溶かしていく。
「範囲攻撃か!」
蓮は《魔法盾》で防ぎながら岩陰に隠れる。
(あの量は防ぎきれない……!)
その瞬間だった。
頭の中へ、新たな知識が流れ込んでくる。
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《魔法盾》の熟練度が一定値に達しました。
《魔法盾》Lv.3へ上昇。
アーツ《前方城壁》を習得しました。
《前方城壁》
消費魔力量:中
前方へ巨大な魔法盾を展開する。
使用中は動けない。
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(これなら!)
蓮は溶けて小さくなった岩陰から出て、右の手のひらを地面につける。
「《前方城壁》!!」
ゴゴゴゴ……
黄金色の光の壁が地面から立ち上る。
幅五メートル、高さ三メートルにもなる巨大な城壁状の《魔法盾》が一瞬で形成された。
アーマードマンティスが二発目の酸を飛ばしてくる。
ブシャアァァッ!!
酸が城壁へ直撃する。
ジュウウウウッ!!
激しい音を立てながら酸が壁を覆う。
しかし城壁は揺るがない。
すべての酸を無傷で完全に受け止めた。
「防いだ……!」
蓮はすぐに壁の陰から飛び出す。
酸を吐き終えたアーマードマンティスは、一瞬だけ動きが止まっていた。
(今だ!)
一気に間合いを詰める。
鎌が振り下ろされる。
蓮は紙一重でかわし、その内側へ潜り込む。
「はあっ!」
剣が鎌状の腕の関節を断ち切る。
ギィィィッ!!
魔物が苦痛の叫びを上げる。
さらに反対側の鎌が迫る。
「《魔法盾》!」
《魔法盾》で受け止め、その勢いを利用して身体を回転。
「おおおっ!」
渾身の一撃を首の付け根へ叩き込む。
硬い甲殻に火花が散る。
深くは入らない。
だが、確かな手応えがあった。
後方で見守る試験官は目を見開く。
(戦闘中にアーツを習得した……!?)
観覧室でもどよめきが広がる。
「なんだ今のは!?」
「《魔法盾》のアーツじゃないか!?」
佐伯は思わず笑みを浮かべた。
「やっぱり、とんでもない奴だ。」
育成課長も映像から目を離さない。
「しかも、習得した直後に実戦で使いこなした……。」
アーマードマンティスは傷つきながらも、なお鋭い殺気を放っていた。
対する蓮も剣を構え直す。
新たな力を手にした少年と、C+の強敵。
勝負は、いよいよ佳境へと突入する。
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