表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

24/34

過去

前回のおさらい

探索者である事を忘れ学校を満喫する神代蓮。

その夜。

蓮は夕食と風呂を済ませ、自室のベッドへ倒れ込んだ。

「疲れた……。」

探索者協会での実力測定。

トップクランからの勧誘。

そして突然現れた転校生、一条恵。

ここ数日で起きた出来事とは思えないほど濃い時間だった。

「結局、一条さんって何者なんだろう。」

そう呟くと、自然と眠気が押し寄せてくる。

目を閉じると、意識はゆっくりと夢の中へ沈んでいった。


◇◇◇


眩しい夏の日差し。

小さな公園。

まだ幼い男の子と女の子が楽しそうに遊んでいる。

「…くん、待ってー!」

茶色にも見える明るい髪を揺らしながら笑う少女。

男の子は振り返り、大きく手を振る。

「早くおいで!」

二人は笑い合いながら走っていく。

その光景はどこか懐かしく、温かい。

シーンが飛び、景色が白く霞み始めた。

少女が何かを言っている。

だが声は聞こえない。

『――約束、だからね。』

その声だけが聞こえた瞬間。

蓮は目を覚ました。

「……夢?」

時計を見る。

午前五時半。

まだ目覚ましが鳴る前だった。

「なんだったんだ……今の。」

内容はほとんど思い出せない。

ただ、小さな女の子と遊んでいたような気がする。

「昔の記憶……かな。」

首を傾げながら支度を始めた。


◇◇◇


2時間後。

住宅街の一角。

一条恵は制服姿で窓の外を眺めていた。

手には古びた写真が一枚。

そこには幼い男の子と女の子が笑顔で並んで写っている。

一条は写真を優しく撫でる。

「昨日は少しでも思い出してくれたかな。」

嬉しそうに微笑む。

「でも、まだ無理に思い出さなくていい。」

そう呟くと、大切そうに写真を鞄へしまった。

「あの約束は、今度こそ私が守るから。」

誰にも聞こえない小さな独り言。

その瞳には、再会を喜ぶだけではない強い決意が宿っていた。


◇◇◇


その日の登校中。

通学路で偶然、蓮と一条が顔を合わせる。

「おはよう、蓮君。」

「あ、おはよう。」

自然に並んで歩き始める二人。

すると一条が公園の方を見て、ふと立ち止まった。

「懐かしいな……。」

「え?」

「ブランコ。」

公園の隅には、小さなブランコが二つ並んでいた。

一条はどこか懐かしそうに微笑む。

「昔ね、よく遊んだんだ。」

「そうなんだ。」

蓮も何気なくブランコを見る。

その瞬間。

目の奥がわずかに痛んだ。

ほんの一瞬だけ。

茶色の髪の小さな女の子が笑っている姿が頭をよぎる。

「……?」

だが次の瞬間には消えていた。

「どうしたの?」

「いや……何でもない。」

蓮は首を振る。

一条はそんな蓮を見つめ、誰にも気付かれないように小さく微笑んだ。

春の終わりを告げる風が通学路を静かに吹き抜けていった。

誤字脱字等御座いましたら指摘お願いします!

続きが気になる!面白い!と思ってくださったら評価お願いします。励みになりますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ