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20/33

規格外の評価

溜め込んでたデータが吹き飛んだので、話が追いついてしまうと、2話、なんなら1話投稿になるかもしれません……(頑張って書いていきます。)

「神代君。」

実力測定終了から三十分後。

蓮は協会本部の応接室へ案内されていた。

広い部屋の中央には長机。

その向こう側には新人育成課の職員だけでなく、見覚えのある顔も並んでいる。

佐伯剛志、そして模擬戦の相手だった相良恒一。

さらにスーツ姿の男女が数名。

ただならぬ空気だった。

「座ってください。」

促されるまま席へ腰掛ける。

蓮は思わず背筋を伸ばした。

「まずは実力測定お疲れ様でした。」

育成課課長が穏やかに微笑む。

「結果をお伝えします。」

机の上に一枚の資料が置かれた。

そこには今回の測定結果がまとめられていた。


――――――――――

神代蓮

レベル:76

身体能力:A+

魔力量:測定不能

スキル:ユニーク判定

模擬戦評価:SSS

総合評価:保留

――――――――――

「……保留?」

蓮はそこに引っ掛かった。

課長は苦笑する。

「本来ならここで正式レートを決定します。」

「ですが、あなたの場合は前例がありません。」

「前例?」

「ええ。」

課長は資料をめくった。

「通常、新人探索者のレベルは五から十程度。」

「身体能力もEからD相当です。」

「しかし神代君は違う。」

佐伯が腕を組む。

「率直に言う。今のお前は普通のBレートより強い。」

蓮は思わず目を見開いた。

「そんな……。」

「謙遜じゃなく事実だ。」

相良が口を開く。

「模擬戦では俺も多少加減した。」

「だが最後の《断裂一閃》は新人相手に使う技じゃない。それを正面から受け切った。」

静かな声だった。

だが、その重みは十分伝わる。

「だから協会としては判断が難しい。」

課長が続ける。

「レベルだけならB。」

「魔力量はS以上。」

「スキルは解析不能。」

「総合評価は未知数。」

「そこで……。」

課長は一枚の書類を差し出した。

そこには大きくこう書かれていた。


【特例昇格試験】


蓮は思わず読み上げる。

「特例……昇格?」

「はい。」

「通常は何ヶ月、何年もかけて実績を積み、レートを上げます。しかし神代君の場合、現状のEレートでは活動制限が多すぎる。」

確かにそうだ。

今のままでは第一ゲヘナしか入れない。

特殊個体のブラックホーンウルフを倒した今となっては明らかに不自然だった。

「来月。」

課長が静かに言う。

「第二ゲヘナで実地試験を受けてもらいます。」

部屋の空気が変わる。

第二ゲヘナ。

第一ゲヘナより格段に危険な場所だ。

「合格した場合…神代君をBレートへ特例昇格させます。」

蓮は少し驚いた…が。

「受けます。」

迷いはなかった。

課長も満足そうに頷く。

「ありがとうございます。」

その瞬間だった。

コンコン。

応接室の扉がノックされる。

「失礼します。」

若い職員が慌てた様子で入ってくる。

「課長……。来ました。」

「……もうか。」

課長が小さくため息を吐いた。

「神代君。」

「はい?」

「ここから先は覚悟してください。」

意味が分からなかった、だが次の瞬間、その意味を理解することになる。

扉が開いた。

一人、二人と次々と部屋へ入ってくる。

胸元に輝くクランエンブレム。

テレビで何度も見たことがある。

日本有数のトップクラン。

《フェンリル》

《ヴァルハラ》

《オリオン》

《白銀騎士団》

誰もが知る有名クランの代表者たちだった。

蓮は固まる。

(え……?)

フェンリルの代表が笑顔で名刺を差し出す。

「初めまして。」

「神代君。」

「ぜひ一度、うちのクランに来てほしい。」

直後。

「待て。」

ヴァルハラの代表が割って入る。

「先に声を掛けたから優先とは限らない。」

「条件ならこちらの方が上だ。」

さらに別の代表も口を開く。

「神代君。」

「君には専属育成チームを用意できる。」

「いやいや。」

「うちなら――」

次々飛び交う勧誘。

蓮は完全に思考停止していた。

(なんでこんなことに……)

佐伯だけが面白そうに笑っている。

「だから言っただろ。嫌でも分かるって。」

蓮は頭を抱えたくなった。

そして同じ頃。

本部の廊下。

銀髪の少女は窓際に立っていた。

その手には一枚の資料。

表紙には神代蓮の名前。

少女は静かに微笑む。

「やっぱり面白い。」

その赤い瞳が細められる。

「早く会いたいな。」

誰にも聞こえない声が静かに消えた。

そして運命の歯車は、さらに大きく動き始める。

誤字脱字等御座いましたら指摘お願いします!

続きが気になる!面白い!と思ってくださったら評価お願いします。励みになりますm(_ _)m

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