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模擬戦

前回のおさらい

模擬戦以外の測定を終え等々残すは模擬戦に。

「次の試合。」

試験官の声が響く。

「神代蓮さん。」

蓮は静かに前へ出た。

そして、その対面に立つ男を見て空気が変わる。

「対戦相手――《相良恒一さがらこういち》さん。」

その名が呼ばれた瞬間、観客席がざわついた。

「相良って……Aレートの?」

「協会所属の実戦組だろ?」

「新人試験に出てくるレベルじゃないぞ……」

現れた男は三十前後。

無駄のない体格、肩には大剣。

立っているだけで場の空気が重くなる。

相良は蓮を見下ろし、軽く息を吐いた。

「悪いが新人相手でも手は抜かん。」

「測定結果が異常すぎると聞いてな。本当かどうか確かめさせてもらう。」

蓮は剣を握り直す。

「よろしくお願いします。」


「始め!」

合図と同時に、空気が弾けた。

ドンッ!

相良が一歩踏み込むだけで、床がわずかに沈む。

(速い……!)


蓮は剣で受けの姿勢をとりながら横へ跳ぶ。

しかし次の瞬間、大剣が空を裂いた。

ガァンッ!!

防御が間に合う。

だが腕に重い衝撃が走る。

(重い……!)

ブラックホーンウルフとは違う。

技術と経験で押し潰す圧力だった。

相良はすぐに追撃へ移る。

「《崩撃》!」

横薙ぎ。

蓮は一瞬だけ迷う。

(避けきれない。)

だから……受ける。

「……っ!」

剣で受け止めるが、体が数メートル弾き飛ばされる。

観客席がどよめく。

「新人が耐えたぞ……?」

「いや、普通ならこれで終わってる。」

相良も目を細めた。

「なるほどな。」

「スキルだけじゃないか。」


撃ち合う度に蓮の動きが変わる。

(見えた。)

一撃ごとの“重心”。

踏み込みの癖。

呼吸のタイミング。

ブラックホーンウルフとの戦いで身についた「生き延びるための観察」が発動する。

相良が踏み込む。

蓮は半歩だけずらす。

ズガン!

剣が地面を叩く。

その瞬間……

蓮が初めて“攻め”に転じた。

「はっ!」

横からの一閃。

相良は大剣で受ける。

ガキィン!

火花が散る。

「……ほう。」

相良の口元がわずかに歪む。

(今のはいい。)

ただの回避じゃない。

“戦い方を理解し始めている動き”だった。


攻防が加速する。

相良の一撃は重いが、単調ではない。

蓮はそれを受け流しながら、少しずつ距離を詰める。

(当てるなら一瞬。)

(でも、深追いは危険。)


相良の雰囲気が変わる。

「そろそろ終わらせる。」

大剣に魔力が収束する。

空気が震える。

「《断裂一閃》。」

一撃目ではない。

“試験用の本気”だ。

観客席が静まり返る。

蓮は一瞬だけ息を止めた。

(……来る。)

逃げない。

避けない。

そして、右手を、わずかに上げる。


「《魔法盾(アイギス)》。」

黄金の盾が展開される

その瞬間。

ドォンッ!!

衝撃が会場全体を揺らした。

煙が晴れる。

蓮は最後の攻撃をかすり傷ひとつなく受けきった。

相良は剣を下ろし、ゆっくりと息を吐いた。

「……終了だ。」

試験官が即座に判断する。

「試合終了!」

会場がざわつく。

「新人がAレートの本気を受けた……?」

「しかも耐えた?」

「意味が分からない……」

蓮はゆっくりと剣を下ろし、頭を下げた。

「ありがとうございました。」

相良は少し黙ったあと、短く言った。

「新人じゃないな、お前は。」


審査席。

佐伯は資料を閉じることなく呟いた。

「規格外だな連は……。」

その言葉と同時に、蓮の評価は協会内でさらに書き換えられていく。


神代 蓮

Aレート相当(暫定)

レベル 76

身体能力A+

魔力 S(測定限界のため再度測定する必要有)

スキル解析 U(ユニークの為)

模擬戦評価 SSS (Aレート相手)


そしてその上に、赤字で一行追加される。

『評価保留。観察対象』

誤字脱字等御座いましたら指摘お願いします!

続きが気になる!面白い!と思ってくださったら評価お願いします。励みになりますm(_ _)m

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