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実力測定#4

前回のおさらい

引き続き規格外な事をする蓮。

最後の測定会場は、これまでとは雰囲気がまるで違っていた。

壁一面には複雑な魔法陣が刻まれ、天井には無数の魔石が埋め込まれている。

中央には、直径五メートルほどの円形の台座。

その周囲には協会の研究員らしき人物が何人も控えていた。

「ここがスキル適性測定室です。」

担当研究員が説明を始める。

「この装置は、探索者が保有するスキルの種類や適性を解析します。」

「攻撃型、防御型、補助型、強化型など、大まかな分類も判明します。」

蓮は静かに頷いた。

(魔法盾って、防御型なのかな……。)

測定は順番に進んでいく。

「炎属性強化。」

「近接戦闘適性A。」

「身体強化系スキル。」

「風属性魔法適性。」

次々と結果が表示されていく。

研究員たちも淡々と記録を取るだけだった。

「次、神代蓮さん。」

蓮は台座の中央へ立つ。

「そのまま力を抜いてください。」

「スキルを無理に発動する必要はありません。」

「装置が自動で解析します。」

「分かりました。」

蓮は目を閉じた。

足元の魔法陣が淡く輝き始める。

ブゥン……

静かな振動。

魔力がゆっくりと流れ始めた。

「解析開始。」

研究員が端末を操作する。

画面には波形が表示されていく。

「……?」

一人の研究員が首を傾げた。

「反応がおかしい。」

「どうした?」

「防御系の波形なんですが……。」

「防御系なら問題ないだろ。」

「いえ。」

研究員は画面を見つめたまま答える。

「防御系の波形なのに、なにか特異です。」

数値が上昇していく。

すると突然、

ピッ。

画面が切り替わった。

《解析中》

その文字だけが表示される。

「まだ解析してるのか?」

通常なら十秒ほどで終わる測定。

しかし三十秒経っても終わらない。

研究員たちがざわつき始めた。

「データベース照合中?」

「そんなはず……。」

一分、二分。

ついに画面が切り替わる。

そこに表示された文字を見て、全員が息を呑んだ。


------------

スキル名:魔法盾(アイギス)

分類:防御系特殊スキル

該当データ:該当なし

------------

「該当……なし?」

研究員の一人が呟く。

「データベースに存在しません。」

「そんな……。」

「過去の記録も検索しろ!」

「ありません!」

「海外のデータは!」

「一致ゼロです!」

唯一(ユニーク)……」

会場が騒然となる。

蓮だけが状況を理解できずにいた。

「何か……問題でも?」

その一言で、研究員たちは我に返る。

責任者が前へ出た。

「神代さん。」

「はい。」

「一つお願いがあります。」

「《魔法盾》を発動していただけますか。」

「ここでですか?」

「はい。できる範囲で構いません。」

「分かりました。」

蓮はゆっくり息を吸う。


「《魔法盾》。」

静かな声と共に、黄金色の光が溢れ出した。

キィィン……

空気が震える。

蓮の前に、ブラックホーンウルフの時とは比べ物にならない一枚の巨大な光の盾が現れる。

美しい六角形の紋様。

神々しい黄金の輝き。

測定室全体が優しい光に包まれた。

「……綺麗。」

誰かが思わず呟く。

しかし次の瞬間だった。

ピシッ。

測定装置の一つに亀裂が入る。

「え?」

ピシ、ピシピシッ!

周囲の魔力観測装置が次々と悲鳴を上げ始めた。

「魔力濃度が急上昇!」

「計器が耐えられません!」

「遮断結界を展開!」

研究員たちが慌ただしく動き回る。

蓮はすぐに《魔法盾》を解除した。

黄金の盾が静かに消える。

部屋には静寂が戻った。

責任者は壊れた観測装置を見つめ、苦笑する。

「……神代さん。」

「はい。」

「今のは全力ですか?」

蓮は首を横に振った。

「7割程度です」

「ブラックホーンウルフとの戦闘後レベルアップしたのかサイズ等々変化しているので、当時とは比べ物にならないですが…」

その場にいた全員の動きが止まる。

「……7割?」

誰かが小さく呟いた。

責任者はしばらく黙っていたが、やがて静かに笑った。

「今日はここまでで結構です。」

「残りの解析は協会で行います。」

「ありがとうございました。」

蓮は深く頭を下げた。

「こちらこそ、ありがとうございました。」

何が起きたのか分からないまま、蓮は測定室を後にする。

閉まる扉を見送りながら、責任者は小さく呟いた。

「彼のスキルは……『ただの魔法の盾』じゃない。」

部屋にいた研究員たちが責任者を見る。

「恐らく、あれは――」

しかし、その言葉の続きを口にすることはなかった。

確証がない以上、憶測で語るべきではない。

ただ一つだけ、全員が同じことを思っていた。

神代蓮は、これまで協会が確認してきたどの探索者とも異なる存在である。

そして、この日の測定結果は、極秘資料として協会上層部へ提出されることになる。

誤字脱字等御座いましたら指摘お願いします!

続きが気になる!面白い!と思ってくださったら評価お願いします。励みになりますm(_ _)m

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