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実力測定#2

前回のおさらい

測定のテストが始まりましたが…なんか規格外?

「それでは、次の測定へ移ります。」

館内放送が流れ、新人たちは身体能力測定エリアへ移動した。

測定内容は全部で四つ。

・100メートル走

・筋力測定

・反応速度測定

・跳躍力測定


探索者に必要な基礎能力を数値化するための試験だ。

「まずは100メートル走からです。」

受験者たちは順番にスタートラインへ並ぶ。

「位置について……」

電子音が鳴る。

「スタート!」

一斉に走り出す。

探索者とはいえ、新人の平均タイムは八〜九秒台。

七秒台が出れば優秀と言われる記録だった。

「次、神代蓮さん。」

蓮はスタートラインへ立つ。

(全力で走っていいのかな……。)

迷った末、自然な力加減で走ることにした。

「スタート!」

地面を蹴る。

次の瞬間。

「……え?」

測定員が思わず声を漏らした。

蓮の姿が一瞬で視界から消えたように見えた。

ゴール。

「えっ?」

「もう着いたのか?」

周囲がどよめく。

電子掲示板にタイムが表示された。

5.81秒

会場が静まり返る。

「五秒……?」

「新人で?」

「いや、見間違いだろ。」

測定員も慌てて機器を確認する。

「計測ミスではありません!」

その一言で、会場は一気に騒がしくなった。

蓮本人は首を傾げていた。

(速かった……のかな?)

ブラックホーンウルフとの戦いでは、もっと速く動いていた気がする。

その感覚との違いに、自分でも少し驚いていた。

続いて筋力測定。

巨大な測定器に拳を叩き込む。

「思い切りどうぞ。」

「はい。」

蓮は軽く息を吐き、拳を振るう。

ドンッ!!

鈍い衝撃音が響いた。

表示された数値は、


1.4トン

「……。」

測定員は無言。

隣の職員も無言。

「……え?」

「壊れた?」

新人たちも騒ぎ始める。

責任者が画面を確認し、小さく首を振る。

「機械に異常なし。」

つまり、この数値が正しい。

「次は反応速度です。」

無数の光がランダムに点灯し、それを手で触れる測定。

新人たちは20から30個ほど、現在の最多は52。

「神代さん、始めます。」

「お願いします。」

ピッ。

最初の光。

パッ。

二つ目。

パッ。パッ。パッ。

蓮は迷いなく触れていく。

10個。20個。30個。40個。

速度はさらに上昇する。

しかし蓮の動きは変わらない。

50...60...70...

測定員の顔色が変わる。

「まだ追いついてる……。」

80...90...100。

ピーッ!

測定終了。

「記録……100。」

周囲から拍手すら起こらない。

誰もが数字を理解できなかった。

最後は垂直跳び。

「全力でお願いします。」

蓮は軽く膝を曲げる。

(飛びすぎないように。)

そう考えた。

だが。

ドンッ!

床が軽く軋み、蓮の身体が宙へ舞う。

「えっ!?」

7メートル近く跳び上がり、蓮は慌てて空中で姿勢を整える。

「しまっ……!」

ドスン!

綺麗に着地したものの、床には小さなひびが入っていた。

会場は完全に静まり返る。

「……。」

「……。」

「……。」

蓮だけが青ざめていた。

「す、すみません!」

慌てて頭を下げる。

すると責任者は苦笑しながら答えた。

「床は気にしなくて大丈夫です。」

「後で修理しますので。」

そう言いながらも、内心では冷や汗が止まらなかった。

(新人の身体能力じゃない……。)

測定を終えた蓮は待機席へ戻る。

「神代。」

佐伯が近づいてきた。

「……はい。」

「一つ聞く。」

「何でしょう。」

「今の、本気じゃなかったな?」

蓮は少し困ったように笑う。

「全力だと、壊しそうだったので……。」

その言葉を聞いた佐伯は思わず額を押さえた。

「やっぱりか……。」

測定会場の奥では、協会幹部たちが次々と資料を書き換えていた。

『神代蓮 要注意新人』

その評価は、わずか数十分で別のものへと変更される。

『神代蓮 最優先観察対象』

そして残る測定はあと二つ。

魔力量測定と、蓮自身もまだ詳細を知らない《魔法盾(アイギス)》を含めたスキル適性測定だった。

会場の誰もが、この日最大の衝撃はまだ訪れていないと思っていた。

誤字脱字等御座いましたら指摘お願いします!

続きが気になる!面白い!と思ってくださったら評価お願いします。励みになりますm(_ _)m

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