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異世界転移した元社畜、無限の調味料チートと屋台飯で第二の人生を味わい尽くす  作者: ヤミラミ


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第36話:極旨の生姜醤油

「シュウヤ殿、吉報です! ご要望通り、バザルタ近郊で最も良質なワイルドボア(野生豚風魔物)を育てる大型畜産農家『ギルバート農園』との優先供給契約を取り付けてまいりました!」


仕込み場へやってきたレオンハルト商会のマルクが、満足気に羊皮紙の契約書を叩いた。


これまでの修也の屋台は、市場の精肉店から日々の仕入れを行っていた。

しかし、連日の大盛況と新メニュー開発により、肉の消費量は一店舗の域を遥かに超えつつあったのだ。


「ありがとうございます、マルクさん! 中間マージンをカットして農家から直仕入れできれば、鮮度は抜群のまま、仕入れ原価をさらに2割カットできますね」


「ええ。農家側も『シュウヤ殿の屋台に納品している』というだけでブランド価値が上がると大喜びですよ。今朝屠殺されたばかりの、極上のワイルドボアロース肉が100キロ届いております!」


仕込み場に運び込まれたのは、見事なピンク色の肉質と、白く透き通った脂身が層をなす極上のボアロース肉だ。


「よし……最高の肉と、最高の仕入れルートが整った。カイ、昨日森で摘んできた『野生の生姜』を大量に下ろすぞ!」


「はいっ! 師匠!」


カイがすり鉢で豪快に生姜を下ろしていく。

新鮮な生姜ならではの、鼻を抜けるピリッとした爽やかな辛みと芳醇な香りが充満する。


修也はチート能力【調味料自動生成】を発動させ、ベースとなる濃口醤油、本みりん、純米酒、そして少量のざらめ砂糖を脳内で生成。そこへカイが下ろした生姜を惜しみなく投入し、隠し味にりんご風味の甘み果汁を加えた。


手元に完成したのは、ガツンとした生姜のパンチと、熟成醤油のコク、芳醇な甘みが完璧に調和した【特製・極旨生姜醤油ダレ】だ。


「さあ、いくぞ。極上肉と生姜タレの化学反応だ!」


修也は薄くスライスしたボアロース肉に軽く小麦粉を叩き、カンカンに熱した鉄板へと投入した。


――ジュウウウウウウウウウッッッ!!!!


肉が爆ぜる快音とともに、脂身が溶け出し、香ばしい肉の匂いが立ち上る。

表面に綺麗な焼き目がついた完璧なタイミングで、修也は一気に【特製生姜醤油ダレ】を回しかけた!


―――――ジャアァァァァァァッッッ!!!!!!


熱々の鉄板の上で、生姜醤油が一気に蒸発する!

タレに含まれた砂糖とみりんが焦げて香ばしいキャラメル状の甘みを帯び、生姜の清涼感と醤油のコクが肉の脂身と一瞬で融合した。


仕込み場の外まで漏れ出す、あまりにも暴力的で罪深い「飯テロの匂い」。


「うわあぁぁぁっ……! ダメだ、この匂いはズルいです師匠!! ガツンとくる生姜の香りと香ばしいタレの匂いで、頭がクラクラしてきました……!」


カイが目を血走らせて生唾をゴクリと飲み込む。


修也は手早く、山盛りの炊き立て白米の上に、甘辛い生姜タレを纏った熱々の肉を幾重にも重ねて乗せた。

仕上げに、タレと肉汁が混ざり合った鉄板のソースを上からドバッとかけ、千切りキャベツを添える。


「完成だ。『極旨・ボアロースの生姜焼き丼』! 食ってみろ!」


「いただきますっ!!」


カイは我慢の限界とばかりに、肉とご飯を一緒に口の中へかき込んだ。


「んんんんんんんんっっっ!!??!???!!!」


一口噛みしめた瞬間、カイの脳内で爆発が起きた。


小麦粉の衣がタレをしっかりと抱え込み、噛んだ瞬間に生姜醤油のガツンとしたパンチが弾ける!

続いて、ギルバート農園から届いた新鮮な肉の柔らかさと、甘い脂身のジューシーさが口いっぱいに広がる。


生姜の爽やかな辛みが脂っこさを完璧に切り裂くため、一口食べるごとに「もっと食いたい!」という猛烈な食欲が湧き上がってくるのだ。


「美味すぎる……! 濃いのに、生姜の辛みのおかげで全然くどくない! 白米との相性が過去最高レベルです師匠っ!! 肉一杯でご飯が何杯でもいけちゃいます!!」


丼を抱え、文字通り「飲む」ように生姜焼き丼を胃袋に流し込んでいくカイ。


隣で見ていたマルクも、我慢できずに箸を伸ばした。


「〜〜〜〜〜〜〜ッッ!! 美味い……! 直仕入れした我が商会の肉が、これほどの至高の逸品に化けるとは……! シュウヤ殿、この生姜タレ、我が商会で瓶詰めにして売り出したいレベルですよ!!」


「ふふ、仕入れルートが安定したおかげで、この生姜焼き丼は『銅貨3枚半(約350円)』という爆安価格で出せます。安くて、美味くて、一瞬でスタミナがつく。バザルタの働く男たちの、最強の日常飯になりますよ」


良質な仕入れルートの確立、そして【特製生姜醤油ダレ】による新たな看板メニューの誕生。

バザルタの胃袋を完全に掴んだ修也の屋台は、さらに盤石な「食の帝国」へと進化を遂げていくのだった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!

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