表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移した元社畜、無限の調味料チートと屋台飯で第二の人生を味わい尽くす  作者: ヤミラミ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
47/60

第34話:魔物の森と、毒とされた宝

海鮮かき揚げ丼の爆発的ヒットから数日。

バザルタの路地裏で盤石の地位を固めた修也は、次なる「味覚の革新」を求めて、バザルタの東に広がる広大な深緑の森『レヴィンの森』を訪れていた。


同行しているのは、弟子のカイ、そして護衛として冒険者ギルドから依頼したベテラン冒険者チームの面々だ。


「シュウヤさん、ここから先は魔物も出る危険なエリアだ。料理人が立ち入るような場所じゃないんだが……本当にこんなところで『新しい食材』が見つかるのか?」


大剣を背負った冒険者のリーダーが、怪訝な顔で木々の間を警戒しながら尋ねる。


「ええ、大ありですよ。市場に並んでいる野菜や肉だけが食材じゃないですからね。自然の森には、誰も気づいていない宝の山が眠っているんです」


修也は足元の湿った土や、巨木の根元に注意深く視線を走らせる。


異世界においては、農家が栽培する基本的な野菜や家畜の肉、あるいは有名な薬草くらいしか「食料」として認識されていない。森の中に自生するキノコやハーブの多くは、「知識がないため毒の危険がある」として一括りに忌避され、見向きもされてこなかったのだ。


「師匠! 見てください、これ! 木の根元にすっごい不気味なキノコが生えてます!」


カイが指さしたのは、湿った巨木の幹の根元だった。

そこには、傘がカサカサと茶色く分厚く熟し、柄が太くどっしりとした、前世でいう『ポルチーニヤマドリタケ』や、群生する『ブナシメジ』に酷似したキノコが大量に自生していた。


冒険者のリーダーが慌ててカイを制する。


「おいおい、触るな少年! それは『ブラウン・スライムの傘』って呼ばれてる不吉なキノコだ! 食ったら腹を壊すか死ぬって言われてて、冒険者も誰も手を出さねぇぞ!」


「毒、ですか……? でも、すごく芳醇な、土と木の良い匂いがしますよ?」


カイがおそるおそる鼻を近づける。


修也はしゃがみ込むと、ナイフを取り出してキノコの根元を丁寧に削ぎ落とした。

切り口からは一切の変色も毒性特有の汁も出てこない。匂いを嗅ぎ、ほんのわずかに舌先で触れて確かめる。


「毒なんかじゃないさ。これは……極上の『旨味の塊』だ」


修也の瞳がギラリと光った。


「旨味……? 旨味ってなんですか、師匠?」


「甘み、塩味、酸味、苦味とは違う、料理を爆発的に美味しくする『第5の味覚』だよ。……それと、あっちの群生している草を見てみろ」


修也が指さした先には、爽やかな香りを放つ緑の葉――前世でいう『大葉シソ』や『生姜ショウガの原種』、そして『ローズマリー』に酷似した野生ハーブが自生していた。


「あんな雑草、ただ苦くて辛いだけだろ? 薬草にもならねぇよ」


冒険者たちが口を揃えて言うが、修也にとっては宝の山以外の何物でもなかった。


「生姜に大葉、そしてポルチーニ系のキノコか……。肉の臭みを消し、脂っこさを一瞬でさっぱりさせ、出汁の深みを何倍にも引き上げる……最高の山菜たちだ」


修也はチート能力【調味料自動生成】の知識と照らし合わせ、そのキノコとハーブが完全な食用であり、かつ栄養価と旨味成分(グアニル酸・グルタミン酸)が前世のものを遥かに凌駕していることを確信した。


「親方、このキノコとハーブの生息地を教えてくれた礼だ。護衛報酬とは別に、大銅貨5枚(約5,000円)上乗せする。あと、ギルドを通じてこのキノコとハーブの定期的な採取依頼を出したい」


「はぁぁ!? こんな不気味なキノコと雑草を摘んでくるだけで金になるのか……!? 冒険者の駆け出しどもが狂喜乱舞して飛びつくぞ!」


冒険者たちは目を白黒させながらも、大喜びで頷いた。


「よし、カイ! これを袋いっぱいに詰めて持ち帰るぞ。今日はこの『毒扱いされていたキノコ』と『野生の生姜・大葉』を使って、肉料理の常識を覆す新しい調味料とメニューを作る!」


「はいっ! 師匠! どんな料理になるのか、もう楽しみでワクワクしてきました!」


山ほど詰めたキノコとハーブの袋を背負い、一行は意気揚々とバザルタの街へと戻っていく。


海の次は、豊かな山の恵み。

誰も見向きもしなかった「森の秘宝」を手に入れた修也は、次なる絶品調味料の開発へと足を進めるのだった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!

もし「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、

下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にして応援していただき、ブックマーク登録もしてもらえると作品を続ける大きな励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ