第三十三話「門」
「劉禅
于禁が降伏し、
魏から書状がきた。
お前の策に乗ったるわ!」
「おおおおおお!!!
ありがとうございます。孫権殿!」
「子明!この書状の内容は
こいつらにも聞かせて構わへん」
呂蒙は孫権から書状を受け取り、
読み終えて語った。
「殿に漢王室献帝の許可の元、
荊州へ進行せよ。
関羽を破ったら荊南の支配権をくれてやる
って書いてあるッス」
「よし!快諾じゃ。
漢王朝への忠義心ってヤツを
見せつけてやっか」
「ダハハッ!
殿も悪ッスねぇ。
魏への前線兵を一旦下げて
荊州へ攻めるフリッスね?」
「ああ、張遼が援軍率いて
荊州へ向かったら
一気に空っぽの合肥を喰らうぜよ」
「張遼がどんな顔するか楽しみでっセ」
「合肥城の開門はお任せください」
信玄が2人の悪巧みに加入した。
「なんやて?」
「既に魏軍の甲冑を徐州の商人に
発注済みです」
「そうか!
アンタ魏で徐州の役人やったな。
じゃあ魏軍の輸送隊のフリして
合肥城内に入れるって事ッスね!」
「左様。輸送品の中から
なぜか呉軍兵が出てきて
内側から城門を開きます」
「開門すりゃ俺らの水軍が
電光石火で合肥城に突撃じゃ!」
「合肥陥落に合わせて
徐州で反乱を開始させます」
「広陵へも同時に攻めりゃ
魏はますます大混乱ッス」
「よし!
ワシが荊州へ陸遜を迎えに行く。
子明!
お前は建業に残り
合肥、広陵、徐州攻めの準備をせい!」
その後、
諸葛瑾と麋商人も呼び出して
信玄、呂蒙の三軍師たちは
打ち合わせを続けた。
俺と孫尚香は
孫権の自室に呼ばれた。
さっきの部屋も凄かったが、
こちらの部屋も豪華だ。
というか虎の毛皮だらけである。
こいつら絶対阪神ファンやろ。
「謙信 って言ぅたか?」
「はい。
太子の名前だと動きづらいので
みんなにはそう呼んでもらってます」
「謙信。
妹の香を頼む」
「兄ちゃん…」
「はい。喜んで」
「コイツのこんないい顔見たのは
久しぶりじゃ。
特に呉に戻ってからは心配やった」
色々と影で妹を守っていたのだろう。
「虎の血は暴れてナンボ。
飼い慣らせるモンやない」
「戦場で大いに働いてもらいます」
「ふむ。
ここじゃぁワシに気ィ使って
どの家臣も香を扱いきれん」
「ですよね」
「香、
好きなだけ暴れてこい」
「ほんま、おおきに。兄ちゃん」
「ワシは荊南へ行く。
お前らどないすんねん?」
「俺たちも荊南に行って
守護兵全部引き連れて
関羽の援軍に向かいます」
「よし!
ならワシの船に乗ってけ。
速いぞ!」
「お言葉に甘えさせていただきます」
これで晴れて香さんを連れて帰れる。
もう一つ懸念点を話しておかないと。
「孫権殿」
「なんじゃ」
「呂蒙殿の病状が心配です」
「わかってる」
「戦場を駆け回ってると
あと半年かもしれません」
「ああ、
建業からはもう出さん。
最上の医師をつける」
「呂蒙殿の軍略が必要なのは
合肥攻めと、その先もです」
「わかっておる。
あと2年。
この2年で天下が
ひっくりかえるんじゃろ?」
「はい。
信玄は魏呉蜀が五三二に変わる
と話してましたが、
一になるか十になるか
正直予測不能です」
「子明にも
そこまで見せてやりたい…」
孫呉は多くの名将が早死にしてる。
孫堅37歳
孫策25歳
周瑜36歳
そして呂蒙が42歳
孫権の死生観は如何なるものか?
大切な人を目の前で失い過ぎている。
それでもこの人は
孫呉を守り天寿を全うする。
「よっしゃ!
明日船を出すぞ!
船の中で香の門出を祝って送別会じゃ」
次回 第三十四話 「手柄」つづく
三国志人物紹介
呂蒙リョモウ 字は子明シメイ
41歳 豫州汝南郡富陂県出身
生178-220没
三国志演義では
孫策の死後、孫権に仕える。赤壁の戦い、南郡攻略戦に参加した後、濡須口に出城を築くよう進言。合肥で呉軍が大敗した時、この出城が役に立つ。219年、陸遜の計略に従い、関羽を油断させて荊州を攻略。関羽を討つが、間もなく関羽の霊にたたられ、死んだ。
正史では孫策に取り立てられる。孫権に学問を勧められて高い学識を得、魯粛を「呉下の阿蒙にあらず」と驚かせた。215年、長沙、零陵、桂陽を攻略し、劉備に湘水以東の領有を認めさせる。関羽討伐後、間もなく病死した。
統率92.武力81.知力89.政治74.魅力84




