17_【第十七話】バディVSバディ
*市民公民館
「トーフォルトさま、妙な赤毛が来まして。なんでもお役に立ちたいなどと……」
部下のシェッシャが来て告げる。ふむ? 確かに私は、バルバラム市民間に彼の生娘、マーメルク=ジャヴァの所在情報供与を募ったが……? そのフィードバックが来たのか?
「よし。礼金を払って置け。ただし、相手の言った情報に対しての正価だ。高くも安くも買い取るな。情報が歪むからな」
「畏まりました、と申したい所ですが……」
「ん?」
「直接でないとお話しできぬと申しております。末端野郎に価値のわかる情報ではないと申しておりまして。まあ、口汚く罵られました」
「……ふん。わかった、通せ。私が聞けば文句は出ないだろう」
「はっ!! しかし、不調法者の多い都市ですね。あのリーン候が市長だというのに」
「……。それ故にだろう……、さ」
「はあ?」
「いいからもう行け、シェッシャ。その赤毛を呼んで来い」
「ははっ!!」
*公民館・本棟
「へえええええ? あんたがトーフォルトさまで? 豪い美男じゃないか? はっは!!」
なんだろうな、この赤毛。いや、黒くも見える変な色の髪だが。
「ふむ。武官に容貌など不要なのだが。褒めていただけたのかな? 赤毛くん?」
「おんや~? そう聞こえたぁ?」
「あはは。弄るのが巧い男だな。で、情報を売りたいのだな? きこう、話せ」
「ああ、そうな。マーメルクって子の事だろ? クィーンズホテル滞在の為に、このバルバラムに来て。そのまま住みついちまった子だよ」
「そうか……、君の耳は大したものだな」
「はいよありがとよ」
「ゆったりしてくれ。飲み物はいくかい?」
「ああ。酒ってわけにもいかねえだろうから。果実水でもくれよ」
「持ってこさせよう。ソファーにでも座っていてくれ」
「はいはい。あんがとよ」
さて、部下のカムルナが、二人分の果実水を盆にのせた深盃に入れて持って来る。水魔導師団ならではの、クラッシュアイスをうかべた冷えたものだ。
「それで」
私は盃の果実水を飲んで味を見ながら、赤毛男に聞いた。
「かのマーメルク嬢はいまどこに?」
「ああ、里帰りしてるぜ」
「なに?!」
「いないんだよ、今ここには。バルバラムにはな」
ちっ!! なんという事だ!!
「どこに行ったか知っているか?」
「ああ、もちろん」
「教えてくれるかな?」
「金貨10枚」
「なに、随分と吹っ掛けるものだな……?」
「はははっ、そうだな」
「まあいい。はらおうでは……」
私が軍資のはいった皮袋に手を伸ばすと!!
「お待ちを、トーフォルトさま!! そ奴は戯けです!! なおかつ、情報屋を騙る敵ですわ!!」
ファナシー?! 部屋に入って来て烈声でそう声を上げる私の副官だが?
「銀髪の死神が出ました!! 銀髪の民と関わりにない私達に牙を剥ける意味が解りませんが。なにやら、公民館の敷地内に侵入!! 警護の80人のうち、5割が行動不能に陥れられています!!」
「なんだと?!」
その話が部屋に響いた途端に!! 赤い天然パーマの小男|(とはいっても筋肉が凄まじいが)が、表情を激変させた!!
「カッ!! かかりやがったな、トーフォルト!! 終わりだぜお前ら!! アイツが来た!! 銀髪の死神がなぁ!!」
凄まじい敵意を持った表情。暗い目。なんだ?
「やられちまいな!! エリートども!! 飢えで死ぬ子供たちの上で胡坐をかいてる、最低国家の上層どもがよぉ!!」
そういうと!! 奴は自分懐に手を突っ込んで。筒を一本取り出した?! なんだあの道具は!?
「博識なら知ってるだろうがね? こいつはマイトっていうんだ!! 喰らえこんちくしょう!!」
!! 赤毛は、マッチを擦ると、その火を筒のから出ているヒモに点け!!
その筒をこっちに投げつけて来た!!
17話 END




