10_【第十話】人を殺せる条件というものは?
「やっ!!」
はやああああああああああああ!!
銀髪の民だぁ! やっばい!!
「殺られるっ!!」
マメ子必殺!! スタンピートエスケーップ!!
「てんちょおおおおおおおおおおおおお!!」
急げマメ子!! 捕まったら終わりだす!! あの白コート着たすっごい美人の銀髪ハイロング巨女!! 一目見ればわかりますんぅ!! ただものじゃない手練れじゃい!!
暖簾をくぐれ廊下を走れトイレの前で曲がるのだ!! ストレート廊下を突っ走り!! 見える光は居間の灯明!! サボりてんちょーアギッツ親父はそこにいるう!!
*デートルト邸・居間
「ん? どした? なにその血相?」
「飲んどる場合かあ!!」
「おおお? なんで梅昆布茶のんだらいけないんだよ? マーメルクちゃん?」
「敵襲じゃああ! 迎撃準備を整えよーーーーーーぉ!!」
「てき?」
「ぎんぱつのたみー!!」
「ああ! あいつか! きたのか、久しぶりに!!」
「はぁあああああ?! なにい?!」
「昔からの知合いに違いない。俺が店出るからよ。怖ければマーメルクちゃんはこの居間にいていいぜ。んじゃ、いってくる」
「のはあああ?!」
*店舗スペース10:15
「おう!! シン! 生きてるとは思ったが生きていたかあ!!」
「はは。死ねるほど気楽な身でもないし、死ねるほど弱くはないさ私は」
「自信じゃなくて役割と確信なところがお前らしいが。弾か? 弾丸だよ。使ったって顔に書いてあるぜ?」
「ああ。そうだな、巨大な馬鹿を二週間前にたたいた。もう悪さはできんさ」
「へっほー? 察するに期間的にはあいつだな? 土伯爵のぬめぬめジジイ。だろ?」
「さあな。済んだことを語ってもな。何にもならんよ、アギッツ。やることはたくさんあるし、愚駄過去話は整理が必要な時だけでいい」
「あっはっは。ごもっともだぜシン。お前の割り切りっていつも感じいいよな」
なにいいいいいいいい? まさか反社おやじのお店に就職しちゃったのかぁ?! これはまずいぞマメ太郎!! マイシークレットピーピングサイトに映る、銀髪の民と快げに話すアギッツ野郎! 社会の敵だったのかあああああ!!
「てんちょおおおおおおおお!! いや!! アギッツ=デートルトぉ!!」
怒鳴りつけるしかない!! そして一矢報いるのだぬ!! 私とてクビになったとはいえ、栄えある魔導王国イオシス正規軍水魔導師団所属だった女だし!! やれる! かてる!! 社会の害獣を処分するのだああ!!
「えああああああ!! 水神ナードよ!! わが祈念に力貸したまえ!! わが名はマーメルク!! 四段魔導師、マーメルク=ジャヴァなり!! わが望むは氷結と爆散!! 大証に捧ぐはわが魔力!! 発効せよ!! 氷結爆散!!」
「短縮詠唱術にて発効せよ!! 闇よ、包め!! 闇魔吸煙」
のあああああ?! 私の必殺!! フリーズクラッシュが!! アギッツおやじの放った、闇魔導の煙に吸収されて威力不発!! いけない!! あのおやじ店長やり手だー!!
「おーい、マーメルクちゃん? そりゃあかんだろ?」
「うぇええええええん!! だってこわいんだもぉん!!」
「怖いだけで人殺そうとするなっつの!! まあ、君みてえな嬢ちゃんはこうなるの。俺はわかってたけどさ」
「え?」
涙も鼻水も止まらなーい!! でも、反社が!! 反社おやじが!! 反社なのに優しいってなんでぇ!?
「なんて顔してんだ、はぁ。ああ、言っとくけど。俺反社じゃないよ? ただ、マジョリティとはちっと。違う考え方しているだけで。破壊とか政府転覆とか、考えるほどのロマンチストじゃねーさ」
「アギッツ。お前は危ないことの危険性を解除するのがとても巧みだ。なんなれば、このかわいいお嬢さんと私の間を取り持ってもらえんか? しかし……」
うわああ!!! なんだようなんだよおおおおお!!
銀髪の女が!! ものすごいおかしそうに肩揺らして!!
メッサメッサ笑ってる~~~~~~~!!
なんだようもおおおおおお!!
10話 END




