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ゆるクエ  作者: おでん信用金庫
Season6 魔女、失格の章(ネロ編)
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#92 ルージュ・サイエンティスト

前回までのあらすじ


後ろから刺される



ネロ失踪から27時間後

研究所



カズ「・・・おはよう」


マリア「おはようございます、カズさん」


カズ「あれ、姉さんは?」


マリア「ネロさんを探していますわ」


カズ「そうか、俺も行かないと・・・」


ユイ「待てよ、飯くらい食っていけ」


カズ「そんなことしてる場合じゃ・・・」


ユイ「いいから食えよ(あんパンを投げる)」


カズ「ぐはぁ(口でキャッチ)」


ユイ「ちゃんと食わないと、探せるモンも探せなくなるだろ」


カズ「ほうはは、はいはほうふい(そうだな、ありがとうユイ)」


ユイ「口に物含みながら喋るな」


マリア「・・・それにしても遅くないですか、ミズキさん」


ユイ「たしかに。探しに行ってから3時間は経つな」


マリア「大丈夫でしょうか」


ユイ「心配だな。ちょっと見てくるよ」


カズ「はへ、ひふんははほへほ・・・(待て、行くんなら俺も・・・)」


マリア「もうっ、口に含んだまま喋らないでくださいまし!!」


ユイ「起きたばっかなんだから、私が帰ってくるまで待ってろバカカズ」





インダストレージ・表通り



住民「ざわざわ」


ユイ(ん、なんだか街中が騒々しいな。なにかあったのか・・・?)


ユイ「まぁいい、それよりもミズキさんの様子を見に行かないと。たしか、北エリアを探すって言ってたから・・・」


中年「なぁ、お嬢さん!!」


ユイ「・・・ん、なんだ。私に話しかけてんのか?」


中年「そうだ!ピンク髪のアンタだ!」


ユイ「そうか。悪いが私は急いでいる。頼み事があるなら他をあたってくれ」


中年「待て、1つ聞きたい!お嬢さん、アンタ回復魔法を使えたりしないか!?」


ユイ「あ、なんだよ急に」


中年「・・・近くに重傷を負った女性がいるんだ。彼女を助けるために回復魔法を使える人を探している!」


ユイ「近くって・・・具体的にどこだよ」


中年「教会だ。北のほうにあるクローディア教会だ!」


ユイ「・・・え?」


中年「で、どうなんだ?アンタは回復魔法を使えるのか!?」


ユイ「・・・」


ユイ(北に重傷を負った女性、だと・・・?条件としてはミズキさんに当てはまるが、まさかな・・・)


中年「もしくは、知り合いに回復魔法を使える人がいたら紹介してほしいんだ!」


ユイ(・・・)


中年「おい、黙ってないでなにか・・・」


ユイ「・・・てけ」


中年「え、なんだって?」


ユイ「私が治すからさっさと彼女のもとに連れて行け!!!!」


中年「おぉ、回復魔法を使えるんだな!?」


ユイ「早く案内しろ!!!!!!!!」


中年「あ、あぁすまん。よし、こっちだ!!」


ユイ(・・・)



ユイ(ミズキさんは人を探しに行っただけだ。どこに重傷を負う理由がある?その女性がミズキさんなわけがない、ありえない!)


ユイ(ありえないはず、なのに・・・どうしてこんなに不気味な感覚に襲われるんだろう?)


ユイ(まるでヘルバラードで、カズたちが殺されたあの時と同じような感覚に・・・)





インダストレージ・クローディア教会前



主婦A「なんてこと・・・こんな若い女性が刺されるなんて」


主婦B「それも、神聖な教会の前で・・・なんて罰当たりな」


主婦C「と、ところで犯人は捕まったの!?」


主婦A「さぁ、どこかに逃げていったんじゃないの?もしくは、この街に隠れてたりして」


主婦B「まぁっ!殺人鬼がインダストレージに潜んでいるっていうの!?」


中年「お、おい、どいてくれ!!回復魔法を使えるやつを連れてきたんだ!!」


住民たち「おぉっ!!!」


ユイ「はぁ・・・はぁっ・・・」


中年「お嬢さん、この人だ!(重傷者を指さす)」


ユイ「・・・」


中年「おい、ボサっとしてないで早く治療してやってくれ!!」


ユイ「・・・」


中年「聞いてんのか!?」


ユイ「ミズキ・・・さん・・・?」


ミズキ「・・・」


中年「えっ?お嬢さん、この重傷者(ひと)の知り合いなのか?」


ユイ「・・・あぁ」


中年「そうか、だったら尚更早く治癒魔法を・・・!」


ユイ(・・・)


ユイ「もう、使っている」


中年「なっ、いつの間に!?」


ユイ「『天使(ヒーリング)の(・)御手(エンジェル)』といって、私は触れるだけで傷を癒やすことができる」


中年「そ、そんなすごい能力が!?お嬢さん、アンタ一体何者・・・」


ユイ「どんな重傷者でも、触れることによって治すことができる。死んでいない限り、例外はない。たとえ複雑骨折をしていようが、致死量まで血を失っていようが傷は癒えるんだ・・・」


中年「・・・?」


ユイ「意識を取り戻すまでの時間には個人差がある。すぐに復活する者もいれば、なかなか目を覚まさない者もいる」


中年「じゃあこの女性もその、なかなか目を覚まさない方の部類で・・・」


ユイ「だが、すぐに意識を取り戻そうがそうでなかろうが、どちらにせよ心臓はすぐに動き出すはずなんだ」


中年「・・・っ!」


ユイ「彼女には既に触れた。それは紛れもない事実だ。ここにいる者全てが証人だ。それなのに脈がない。彼女の心臓は機能していないんだ・・・」


中年「そ、それって、まさか・・・」


ユイ「・・・」




ユイ「彼女は、もう死んでいる―――」


葬式です

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