#70 失楽園行きのデスパレイド
前回までのあらすじ
邪悪なる刃が、カズを貫く
22:30(ロードレイジ流星群まであと1時間)
ヘルバラード・マウンテン 山頂
カズ「ぉぇっ・・・(吐血)」
マリア「カズさん!!!」
ネロ「カズ殿っ!!!」
ノイン「えっ・・・なに、これ?」
???「あれおかしいな、女を刺したと思ったのに、刺さってるのは男だ。どうなってんだ?(刃を抜く)」
カズ「が、はっ・・・」
マリア「カズさん・・・カズさん、大丈夫ですの!?」
カズ「はぁ・・・はぁ・・・、ろ・・・」
ネロ「・・・駄目だ、心臓を貫かれている。カズ殿はもう・・・」
マリア「やめてください!!そんなことありえませんわ・・・そんなこと・・・」
カズ「ぉ、おまえ・・・ら・・・」
マリア「喋ってはいけません・・・しばらく安静にしていてくださいまし・・・。きっとユイさんが治してくださいます、だからカズさん・・・それまでは安静に・・・!」
カズ「に・・・げろ・・・」
ネロ「逃げろ・・・だと?」
マリア「そんな・・・カズさんを置いて逃げるなんて、そんなことできませんわ・・・!カズさん、お願いですから、そんなこと言わないでください・・・お願い・・・だから・・・」
カズ「ご・・・め・・・」
カズ「・・・」
ネロ「カズ殿・・・っカズ殿!!?」
マリア「カズさん・・・カズさん・・・!?」
カズ「」
マリア「カズさん・・・いま何て言おうとしたんですか・・・最後まで言ってくれないとわからないじゃないですか・・・」
カズ「」
マリア「起きてください・・・こんなところで寝ていたら風邪をひいてしまいます・・・」
カズ「」
マリア「・・・いやぁっ」
マリア「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!!」
???「はぁ、うるさい女だな・・・。じゃあ次殺すのはお前にしよう・・・」
ネロ「はっ・・・マリア殿、気をつけろ!」
マリア「・・・あなた、人工凶魔ですわね」
???「あぁ、だったら何だ?」
マリア「許さないっ――――!!!(発砲)」
???「ぐえぇっ!(右胸に被弾)」
マリア「よくも・・・カズさんを・・・カズさんをっっっっ!!!!(発砲)」
ネロ「落ち着けマリア殿!!感情的になるな、ほとんど当たっていないぞ!」
マリア「落ち着けですって・・・カズさんが殺されて・・・落ち着いてなんて!!!」
ネロ「冷静になれと言っているんだ馬鹿者!!!(マリアの頬を叩く)」
マリア「・・・うっ!」
マリア「・・・あなたは、なぜそんな冷静でいられるのです?カズさんが殺されたのに、悲しくはないのですか、怒らないのですか・・・!?」
ネロ「悲しいに決まっているではないか!!」
マリア「!」
ネロ「仲間が殺されたんだ、悲しくないわけがないだろうが!だがな、だからって感情的になってどうなる?怒り狂えば敵は倒せるのか?泣き叫べばカズ殿が戻ってくるのか!?違うだろう!!現に君の放った弾丸は最初の一発以外ほとんど当たっていない!心が乱れているから、エイムも乱れるのだ!」
ネロ「今もっとも避けなければならない事態は、我々が全滅してしまうことだ。それはカズ殿の死を無駄にする行為だ。そうさせないためにも、我々は冷静に敵に向き合う必要があるんじゃないのか!?君はカズを無駄死にさせたいのか!!!!?」
マリア「そ、そんなこと・・・」
???「・・・1つ語弊があるから訂正するけどさぁ、そいつ死んでねぇよ?」
ネロ「あ、なんだと!?」
???「たしかに喋らなくなったかもしれねぇ。だがそれは意識を失っただけで死んだわけじゃねぇよ。とはいえ、心臓をほとんど貫いてんだ、長くは持たねぇだろうがよ」
マリア(・・・っ、たしかに、まだ微かですが脈がある)
マリア「そうですね、まだ死んではいません。ならば好都合、さっさとあなたを倒してカズさんをユイさんのもとに連れて行って治してもらう。そうですわよね、ネロさん?」
ネロ「そういうことだ、マリア殿。冷静になってくれてよかった」
マリア「えぇ、だってカズさんはまだ死んでいませんもの」
ネロ「上等だ。ではさっさと倒すぞ。たしか人工凶魔の弱点は頭だったはずだから、頭部を破壊すれば・・・」
???「・・・悪いけどさぁ、それは叶わん願いなんだわ」
ネロ「・・・なんだと?」
???「そもそもさぁ、俺がわざわざ親切で、その男が死んでないって教えてやったとでも思ってんのか?」
マリア「・・・何が言いたいんですの?」
ユーズ「紹介が遅れたけどよ、俺は人工凶魔。名はユーズという。そんな俺の能力は、その名の通り『利用』すること。だから俺はその男を利用させてもらう」
ネロ「カズ殿を利用する・・・?」
カズ「・・・」
カズ「うぅ・・・(起き上がる)」
ネロ「・・・っ、なにっ!?」
マリア「あぁっ・・・カズさん!!!」
カズ「・・・マリ・・・ア?」
マリア「そ、そうですわ!システィーナ・マリアですわ!よかったカズさん・・・ご無事そうで・・・」
ネロ「・・・違う、カズ殿から離れろマリア!!」
マリア「ふぇっ・・・?」
カズ「あぁっ・・・(マリアに剣を向ける)」
マリア「・・・え、カズさん?」
カズ「おぉ・・・(マリアの喉を突く)」
マリア「はっ!?(回避)」
ネロ「大丈夫か、マリア殿!?」
マリア「え、えぇ。大丈夫、ですわ・・・。でも、カズさん・・・どうして?」
ユーズ「だから言っただろ、利用させてもらうってよぉ」
ネロ「き、貴様っ・・・!!!」
ユーズ「俺の能力は人間を凶魔に感染させて操ること・・・我が刃を体内に貫通させることで能力は発動する。凶魔化した者は残りの生命エネルギーを驚異的にまで増幅させ、それが尽きるまで人間を殺し続ける・・・」
マリア「そ、そんな・・・」
ユーズ「俺の推定だと、そいつの活動限界時間はあと5分といったところか?5分間そいつの攻撃を耐え忍ぶか、それともさっさと殺してしまうか?どのみちこいつは助からねぇんだけどよ・・・!」
ネロ「こ、これは・・・悪い夢だ・・・」
ユーズ「ま、どうするかはお前達に任せるさ。どのみち俺は、その男が動かなくなるまで見物させてもらうよ」
カズ「うぅ・・・」
マリア「嘘ですわよね・・・カズさん、本当は操られてなんていないんですわよね・・・?」
カズ「ぉぉぉ・・・」
マリア「あの人工凶魔を油断させて、不意打ちで倒そうっていう算段なんですわよね・・・そうですわ、きっとそうですわ・・・!」
マリア「カズさんが、わたくしたちのことを殺すだなんて・・・そんなこと・・・あるはずありませんもの。そうですわよね、ネロさ」
ネロ「・・・」
マリア「・・・おかしいですわ、どうしてネロさんの胸に、カズさんの剣が刺さっているのでしょう?どうして血を流して倒れているのでしょう?目が疲れているのでしょうか・・・」
カズ「ふぅぅ・・・(ネロの胸に刺さった剣を抜く)」
マリア「・・・えぇ、わかりましたわ。ネロさん、これはあなたの言うとおり、悪い夢ですわ。だから、早く目覚めないといけません・・・」
カズ「ふぁぁぁ・・・(マリアに向かって剣を振りかぶる)」
マリア「夢なら覚めて・・・お願い、だから―――」
柄にもないシリアス




