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ゆるクエ  作者: おでん信用金庫
Season5 星杯争奪の章(ヘルバラード編)
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61/114

#60 KO・SO・DO・ROの正体

前回までのあらすじ


ユイは「おかず」のことが好き



ミズキ「ほれ、6000Gほどでいいか?」


カズ「えぇ、それだけあれば十分です」


ミズキ「じゃあ改めて、頼んだぞ」


カズ「は~い・・・(退室)」


ミズキ「・・・じゃあ私はまた隣の部屋で作業があるから、君たち2人は夕食までゆっくりしているといい」


ユイ「・・・はい」


マリア「わかりましたわ」


ミズキ「それじゃあ・・・(退室)」


ユイ「・・・」


マリア「・・・」


ユイ「へっ、まさかお前がカズのことを好きだったなんてな・・・」


マリア「こちらこそ、あなたがカズさんのことがお好きだなんて知りませんでしたわ・・・」


ユイ「ったく、あんなヤツのどこがいいのか・・・」


マリア「その言葉、そっくりそのままお返しいたしますわよ」


ユイ「・・・で、どうするんだ?」


マリア「どうする、とは?」


ユイ「告白でもするのか?」


マリア「ふっ・・・まさか。わたくしたちは魔王を倒すために旅をしているんですのよ?」


ユイ「だろうな。如何(いかん)せん、私たちにそんな色恋沙汰をしている時間はない」


マリア「じゃあ、カズさんのことは諦めるんですの?」


ユイ「・・・さぁね。どちらにせよ、全てはこの旅が終わってからだ」


マリア「・・・わたくしも、そのつもりですわ」


ユイ「へっ・・・。魔王を倒すまで、せいぜい死ぬんじゃねぇぞ」


マリア「ふふっ、そちらこそ・・・!」




1時間後



ネロ「ただいま帰還した!!!」


マリア「おかえりなさい、ネロさん」


カズ「ただいま・・・」


ユイ「どうしたカズ、えらく疲れているようだが」


カズ「ネロが『あれ買ってこれ買って!』って駄々をこねてくるもんでよ・・・」


ユイ「子供かお前は」


ネロ「人は生きる限り子供だ!!!(熱弁)」


ミズキ「おかえり2人とも、何を買ってきたんだ?」


カズ「カレーにしようかと思って、その材料を」


ネロ「あとうめぇ棒を100本!!!」


マリア「貰ったお金の1/6を駄菓子に費(つい)やしたんですの・・・」


ユイ「しかも全部同じ味だし・・・」


カズ「すみません姉さん、余分なうめぇ棒代は財布が見つかったらちゃんと返しますから・・・」


ミズキ「いや構わない。この『うめぇ棒パルメザンサルミアッキ味』は私の好物だ。それを大量に購入してくるとは・・・なかなか見込みがあるな、ネロ・ミカエラ・フェザーライト」


ネロ「ありやしゃす!!!(左手敬礼)」


ユイ(本当に相性いいな、この2人)


カズ「ま、まぁ姉さんがそれでいいなら・・・」


ミズキ「うむ。ということで、調理は頼んだぞカズ。他の者は風呂を沸かしておいたから、夕食前に入っておくといい」


ネロ「じゃあ私が一番風呂でも構わないか!?」


ユイ「別に」


マリア「構いませんわ」


ネロ「ありゃりゃりゃっ!!!(またしても左手敬礼)」


マリア「じゃあわたくしはカズさんのお手伝いをいたしますわ」


カズ「おぉそうか、助かる!」


ユイ「私も、カレーのルーを入れるくらいなら手伝ってやろう」


カズ「そりゃどうも。しかし残念だったな。ルーを入れる過程(プロセス)はない」


ユイ「なにっ、ル(・)ー(・)無(・)し(・)カ(・)レ(・)ー(・)でも作るというのか!?」


カズ「いや、普通にカレー粉で作るんだけど・・・」


ユイ「まさかの本格派!!!」




2時間後



ネロ「それでは皆の者、合唱!」


カズ「歌うな」


ネロ「合掌!!!」


ネロ「いただきました!(威風堂々)」


一同「いただいてねぇ」


ネロ「いただきます!!」


一同「いただきます!」


ネロ「うんめぇぇぇぇぇ!!!このカレー、カズ殿が作ったのか!?」


カズ「うん、そうだけど・・・」


ネロ「そうか、すごいなカズ殿!めちゃくちゃ美味いぞ!!!(尊敬の眼差し)」


カズ「ユイとマリアも手伝ってくれたんだ」


ネロ「そうなのか!3人ともすごいぞ!!」


ユイ・マリア(具材切っただけって言いづらいな・・・)


ネロ「しかし、カズ殿に料理ができるとは思ってもいなかったぞ!」


カズ「・・・まぁ子供のころは、両親がいないときはいつも俺が作ってたからな」


ミズキ「うむ、カズは昔から料理が上手かった。とくにカレーが」


カズ「姉さんカレー好きだからね。粉からの本格カレーをいつも作らされてたよ(よみがえる過去)」


ミズキ「なに、粉からの本格カレーはお前が好きで作ってたんじゃないのか?(自覚なき改ざん)」


カズ「・・・あ、まぁ、そうですね」


ユイ(折れた・・・)


マリア(かわいそうに・・・カズさん・・・)


カズ「・・・そうだ姉さん。聞いてなかったんだけど、その『支配者の聖杯』ってどこにあるんですか?」


ミズキ「あぁ言ってなかったな。ここのすぐ近くにある『ヘルバラード・マウンテン』の山頂だ」


カズ「へぇ知らないなぁ、どんな山なんです?」


ミズキ「特に変哲(へんてつ)のない普通の山だ。標高1300mの」


ユイ「わりと高いな・・・」


マリア「登れるか心配ですわ」


カズ「心配すべきはそこじゃないぞ、お前ら」


ユイ「あ、どういうことだ?」


カズ「俺たち以外にも、聖杯を手に入れようとしているやつがいるかもしれないということだ」


マリア「あっ・・・」


ミズキ「そうだ。なかなか良い推察だ、カズ。すべてを支配する力を与えてくれる聖杯だ、手に入れたいと思うやつなんて山のようにいるだろう」


ネロ「『ヘルバラード・マウンテン』だけにな」


カズ「あぁ、うん(適当)」


ミズキ「マウンテンだけに、山のよう・・・ふふっ」


ユイ(この人のセンスはネロと同じレベルなのか・・・)


カズ「・・・てなわけで、冒険家から悪党まで色々なヤツが山に集うはずだ。地獄絵図(めんどくせぇこと)になるかもしれん」


カズ「しかしそれよりも、もっと避けなければならない事態がある。なんだと思う?」


ユイ「足をくじく」


マリア「お腹が痛くなる」


ネロ「持参したお菓子がなくなる」


カズ「完全に遠足気分じゃねぇか!!」


カズ「そうじゃなくて、聖杯を凶魔(きょうま)に奪われることだ」


ユイ「・・・そうか、奴(・)ら(・)も狙う可能性があるのか」


マリア「すべてを支配する力が凶魔に与えられるのは、たしかに避けなければなりませんわね」


ネロ「当然だ、悪にくれてやる力などないからな!」


カズ「そういうこと。まぁなにはともあれ、凶魔の本拠地(ミーグマヤチグ群島)に赴(おもむ)く前の練習と思って、くれぐれも気を抜かないように」


ミズキ「・・・カズ、1つだけ教えておく。凶魔以外にも、警戒しておくべきヤツらがいるぞ」


カズ「え、凶魔以外って・・・人間ってことですか?」


ミズキ「うむ。そいつらの名は『脱兎(だっと)九族(きゅうぞく)』、界隈(かいわい)では有名な盗賊どもだ」


ネロ「脱兎九族・・・略して『脱臼(だっきゅう)』だな!」


カズ「えぇ・・・」


ミズキ「いいなそれ。いちいち脱兎九族と呼ぶのは煩わしいと思っていたんだ。採用、これからは脱臼と呼ぶ」


ユイ「・・・それで、脱臼は文字通り9人組なのか?」


ミズキ「その通り、彼らは9人組・・・もとい9(・)人(・)兄(・)弟(・)だ」


マリア「なんと、兄弟揃って盗賊をしておりますの?」


ミズキ「あぁ、リ(・)リ(・)ー(・)エ(・)ン(・)ド(・)家(・)は代々続く盗賊一家。数年前までは父親が猛威をふるっていたようだが、腰を痛めたようで現在はその息子たちが継いでいるらしい」


カズ「・・・」


ミズキ「狙った獲物のためなら、どんな業も厭(いと)わない。女子供関係なく、彼らに同情は欠片も存在しない。非常に冷酷で優秀な世紀の大盗賊だ」


ネロ「まるで万引き家族だな」


マリア「万引きよりもタチが悪いですわ」


カズ「・・・」


ユイ「どうしたカズ、意味ありげに黙りこんで」


カズ「いや、リ(・)リ(・)ー(・)エ(・)ン(・)ド(・)ってさぁ、どっかで聞いたことあるような気がするんだよ・・・」


マリア「あらやだ、カズさん盗賊とのコミュニティも持ってますの?」


カズ「そういうんじゃねえよ」


ネロ「まさか、さっきの買い出しの時も私に隠れて万引きを・・・!?」


カズ「万引きから離れろお前は!!」


カズ「・・・あっ」



<アンタのしょっぼい財布は、このリリーエンド・ノイン様がいただいてあげるよ!>



カズ「思い出した!」


カズ「俺の財布を盗んだ、あの女だ・・・!」


ミズキ「あぁ、もしかしてあの時の・・・」


ユイ・マリア・ネロ「「「カズが痴漢した子だ!!!」」」


カズ「「「してねぇ!!!!(エコー)」」」


左手敬礼は無礼

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