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ゆるクエ  作者: おでん信用金庫
Season5 星杯争奪の章(ヘルバラード編)
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#59 迷えども、命短し恋せよ乙女



ミズキ「ロードレイジ流星群は明日の夜、それまでここで休むといい。ここは研究所であり、私の家でもある。気兼ねなくくつろいでくれ」


ネロ「っしゃあ!気兼ねなくくつろぐぞ!!!」


ミズキ「限度は守れよ、バーサーカー君」


ネロ「確約は・・・できません!」


ミズキ「・・・いい返事だ」


ユイ(この2人相性いいな)


ミズキ「というわけでカズ、ちょっと買い物に行ってきてくれないか。夕飯の買い出しだ」


カズ「あ、あぁいいけど、それくらいなら」


ネロ「私も同行するぞ!」


ミズキ「いや、君たちは客人(ゲスト)だ。買い物は弟(カズ)に任せておけばいい」


ネロ「私も同行するぞ!」


ミズキ「・・・鋼の心だな、君は。そういう一途なヤツは嫌いじゃない。いいだろう、行ってこい」


ネロ「よっしゃああ!お菓子いっぱい買ってもらうから覚悟しとけよカズ殿!!」


カズ「う、うん・・・」


ミズキ「・・・ふっ、じゃあ頼んだぞ」


カズ「え、ちょっと待って。夕飯の買い出しって、何を買ってくれば・・・」


ミズキ「お前に任せる。お前が食べたいものを買ってくればいい」


マリア(あら、以外とお優しいところもあるんですのね)


ミズキ「夕飯作るのはお前なんだから」


マリア(・・・前言撤回ですわ)


カズ「わかった、じゃあ行ってくるよ・・・」


ユイ「いってら」


マリア「お気をつけて」


ネロ「お菓子祭りじゃあああ!!(猪突猛進の精神)」





マリア「・・・さて、お2人が買い出しに行ったところで、わたくしたちに何かお手伝いできることはありませんか?」


ユイ「・・・え、私も?」


マリア「『一宿一飯(いっしゅくいっぱん)の恩義』というものがあるでしょう?」


ユイ「・・・まぁ、仕方無いか」


ミズキ「おいおい、先ほどから言っているだろう。君たちは客人だ。雑用はカズに任せてゆっくりしていればいい」


ユイ「ほら、カズのお姉様もそう仰っておられることですし、それに甘んじるのも恩義だろう」


マリア「ですが・・・」


ミズキ「・・・」


ミズキ「じゃあ代わりといってはなんだが、質問をしてもいいか?」


マリア「質問・・・別に構いませんけれど?」


ユイ「あぁ、それくらいなら・・・」



ミズキ「君たち、カズのこと好きだろう?」



ユイ・マリア「!!!?」


ミズキ「図星か」


ユイ「な、なにを言っているんだアンタは・・・なぁ、マリア?」


マリア「そ、そうですわ!何の根拠があってそんなこと・・・」


ミズキ「今の反応といい、カズが3人の中の誰とも結婚しないと言い捨てた後の硬直といい・・・判断材料は揃っていると思うのだが?」


ユイ・マリア「・・・」


ミズキ「まったく、あの弟の何がいいのか分からないが、君たちが彼に惹(ひ)かれているのは分かりやすい事実。さしずめ、姉(わたし)の知らないあいつの一面を、君たちは知っているといったところだろう」


ユイ「いや、別にそういうわけじゃ・・・」


ミズキ「・・・強情だな。心配するな、君たちがカズのことを好きだということを認めたからといって、私はそれを他者に言いふらすつもりもないし、お節介をかけるつもりもない。あくまで君たち自身の心(・)の(・)整(・)理(・)の(・)問(・)題(・)だ」


マリア「・・・」


マリア「わたくしは、カズさんのお優しいところを尊敬していますわ。でも、好きとかそういのではなくて、あの人と一緒にいると安心するだけといいますか・・・」


ミズキ「それを『好き』と呼ぶんだ」


マリア「・・・!」


ミズキ「まぁいいさ。認めるも認めないも君たち次第。しかし、本当の気持ちに嘘をつきながら生きることは辛いということ、私には痛いほど分かる・・・」


ミズキ「幼いころ、病弱で外でみんなと遊べなかった私は、遊べないことを認めたくないあまり『遊びたくなんかない』と強情を張っていた。言葉では誤魔化せても、心までは誤魔化せない・・・余計に辛いだけだったよ」


ユイ・マリア「・・・」


ミズキ「君たちには、認めない生き方をしてほしくはない。かけがえのない、カズの仲間だからな」


マリア「・・・嫌なんですの」


ミズキ「ん、何がだ」


マリア「わがままな自分のことが」


ミズキ「カズのことを好きなことが、わがままだと?」


マリア「・・・カズさんにはいつも助けてもらって、わたくしはそれに甘えて迷惑をかけてばかり。その上、カズさんのことを好きだなんて、わたくしのことを好きになってほしいだなんて・・・わがままが過ぎますわ・・・」


ミズキ「ふっ、なんだそんなことか」


マリア「そ、そんなことって・・・!」


ミズキ「わがままは女の専売特許だ。しかも相手はカズ、私の弟だ。迷惑なんかかけたいだけかければいい、私が許す」


マリア「ミズキさん・・・!」


ユイ「・・・」


ミズキ「で、君はどうなんだ、ユイ・ルマリアンド」


ユイ「わ、私は・・・」


ミズキ「このままだとカズはシスティーナ・マリアに取られてしまうぞ?」


ユイ「・・・っ!」


ミズキ「まぁ、戦うことなく逃げるのもそれはそれで結構。私はこれ以上の口出しはしない。システィーナ・マリアとカズがイチャイチャしてるのを遠くから見ているといい」


ユイ「・・・!!」


マリア「ミ、ミズキさん・・・なにもそんな言い方・・・!」


ユイ「あぁ、わかったよ・・・」


ミズキ「!」


ユイ「戦わずに逃げるのは嫌いだ。だから、アンタの言葉に甘えることにしよう。迷惑上等だ、この野郎・・・!!!」


ミズキ「それはつまり、好きということか・・・?」


ユイ「~~~っっっ!」


ユイ「あぁそうだよ、好きだよ!!」


ミズキ「誰のことが?」



ユイ「カズだよ・・・、私はカズのことが好きだよ!!!悪いか!!?」



マリア「・・・!」


ミズキ「ふっ、そうか。ところでカズ、何しに帰ってきた?」


ユイ「・・・は?」


カズ「え、いや、そういえば盗っ人女に財布取られたままで一文無しだったから、お金を借りようかよ思って・・・」


ミズキ「そうだったのか。じゃあ待ってろ、今用意する」


カズ「・・・うん」


マリア「・・・あの、カズさん。ちなみにお聞きしますけど、いつから帰ってきてましたの?」


カズ「え、ついさっきだよ。なんかユイが叫んでる時くらいから・・・」


ユイ「・・・」


カズ「なんか『カズのことが好き』って聞こえたんだけど、俺の聞き間違・・・」


ユイ「あああああああああああああ!!!!(キャラメルマキアートをカズに撒き散らす)」


カズ「ぎゃああああああああっっっ熱ぁぁぁぁぁ!!!!」


ユイ「かっ、勘違いすんなよ・・・私は『おかずと主食どっちが好き?』って聞かれたから『おかずのことが好き』って言ったんだ!!!わけのわからん聞き間違いしてんじゃねぇぞバカ!!」


カズ「ぃや、だからってマキアートを顔にぶっかけるやつがあるかよ!!!」


ユイ「うるさいうるさい!!さっき私だって頭からココアかけられたんだ!!痛み分けだ!!そんなんいいからさっさと買い出し行ってこいバカ!!!!」


カズ「だ~から財布を盗まれたから持ち合わせがないって言ってんだろうが!!!」


ユイ「無いなら無いで行く前に気付けバカ!!そんなだからお前は―――」



ミズキ「・・・」


ミズキ(そうだ、それでいい。本当の気持ちに嘘をついて生きるのは悲しいことだ。さもなければ私のような寂しい道を歩むことになる・・・)


ミズキ(ユイ・ルマリアンドか、システィーナ・マリアか・・・カズがどちらを選ぶかは私には分からない。だが、私はどちらにも幸せになってほしい。そんなことを心から祈るばかりだ・・・)


ミズキ(命短し、恋せよ乙女・・・か)


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