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ゆるクエ  作者: おでん信用金庫
Season5 星杯争奪の章(ヘルバラード編)
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57/114

#56 呼ばれて飛び出て、ドン引きだ



ネロ「なあ僕、走ってる男の人を見なかったかい?」


少年「男の人・・・どんな?」


ネロ「クロエ・カズという男なのだが」


少年「いや、名前言われても分からんわ。せめて特徴を言うんだよ」


ユイ「痴漢した挙句に財布盗まれてそうな男だ」


少年「そんなもんフィーリングで察知できるような波乱なる人生送ってねぇよ。特徴っつったら、髪の色とか、身長とかそういうのを言うんだよ」


マリア「こんな人ですわ(カズの写真を渡す)」


少年「おぉやっとまともなお姉さんが出てきたよ。あ、この男の人なら・・・」


ユイ「おいマリア、なんでカズの写真なんか持ってんだお前!?」


マリア「さぁ?偶然ポケットに入っていただけですわ」


少年「あの、この男の人はさっき・・・」


ユイ「偶然でそんなもん入ってるわけねぇだろうが!!しかし残念だったな、痴漢魔の写真はA(・)級(・)有(・)害(・)資(・)料(・)だから検閲(けんえつ)として私が責任をもって預からせてもらうぞ」


マリア「なんであなたにそんな権限があるんですの!?っていうか、カズさんの写真が欲しいだけなんじゃありませんの!?」


ユイ「バカ言うんじゃねぇよマリア君、なーんであんなやつの写真を好き好んで収集せねばならんのだ、虫(・)酸(・)が走る」


ネロ「虫さんが走るって・・・ふっ、可愛いなユイ殿」


ユイ「『むしさん』じゃなくて『むしず』って読むんだよ。何、読み仮名振らないとわかんないの?」


ネロ「わからん!!!!(威風堂々)」


マリア「ちゃんと読み仮名を振らないからこういうことが起きてしまうんですのよ。やはりカズさんの写真は杜撰(ずさん)なユイさんよりも、丁寧な私が責任を持って管理したほうがよろしいようですわねぇ?」


ユイ「んだとてめぇ!!もっぺん言ってみろ!!!!」


マリア「ユイさんユイさん敗北者!!杜撰な僧侶・敗北者!!!」


少年「人の話を聞けぁぁぁぁぁぁ!!!(カズの写真を破る)」


ユイ・マリア「ぎゃああああああああ!!!!」


ネロ「元気だなぁ、2人とも(超絶無関心)」




先進都市・インダストレージ

ミズキの研究所



カズ「・・・助けていただきありがとうございました、ミズキ姉さん」


ミズキ「気にするな。弟を助けるのは姉の役目ではないか」


カズ「は、はい・・・」


ミズキ「それにしても、血を分けた弟がまさか窃盗犯になるとは・・・」


カズ「違います、俺は盗まれた財布を取り返そうとしていただけです」


ミズキ「女の子にアームロックしていおいてその言い訳は通用しないだろう」


カズ(・・・もういいや)


カズ「ていうか姉さん、まだここで研究を続けていたんですね」


ミズキ「当然だ、インダストレージには他の都市にはない先進的な技術がある。それに資源も豊富だ。ここを手放すほど私は愚かな研究者ではない」


カズ「そうですか」


カズ(はぁ、財布を盗まれてここまで追いかけてきたら容疑者として逮捕されそうになり、おまけにミズキ姉さんと邂逅(かいこう)してしまう始末。なんという不運。昔みたいに無理難題を押しつけられなければいいんだけど・・・助けられて借りを1つ作ってしまっているから、タダで帰れるわけないよなぁ・・・)


ミズキ「それはそうと私が造ったお前の剣、ちょっと錆(さ)びてきてないか」


カズ「え、まぁ、たしかに・・・」


ミズキ「それに傷も目立つ。ちょっと貸してみろ、直してやる」


カズ「いや、わざわざいいよ。手間取らせたくないし(これ以上借りを作りたくないし)」


ミズキ「手間だと?私は自分の造るものには責任を持っている。それは完成して終わりではない、完成後の保守点検(メンテナンス)を含めての責任だ。責任を果たすことは、私にとっての誇り。決して手間などではない。だから、気にするな」


カズ「あ、ありがとう」


ミズキ「修繕は10分ほどで終わる。それまで座って待ってろ。ほら、ココアを淹れたから飲むといい」


カズ「・・・」


カズ(あれ、なんかミズキ姉さん、丸くなったな。親切の『し』の字もなく、傍若無人(ぼうじゃくぶじん)で人のことをこき使うそれこそ魔王みたいな人だったのに・・・今はとても優しいじゃないか!)


カズ(人は変わっていくものなんだな・・・うんうん。こんな優しい姉を持って、俺は幸せ者だ!!!)


ミズキ「・・・ところで、カズ」


カズ「はい、なんでしょう?」


ミズキ「ちょっと頼み事があるんだが」


カズ「・・・はっ!」


ミズキ「ここに来たのも何かの縁、いや運命だ。お前にしか頼めないことなんだが、頼まれてくれるよな・・・?」


カズ「・・・」


カズ(まずい・・・あの目、あの声のトーン、間違いなく無理難題を押しつけてこようという雰囲気だ!くそっ、やっぱり人はそう簡単には変わらないんじゃねぇか!!!)


ミズキ「明日の夜に・・・」


ネロ「あっいたぞっ、カズ殿だ!(部屋のドアが開く)」


カズ「ふぁっ!?」


ミズキ「・・・!?」


マリア「まったく・・・探しましたわよ、カズさん」


ユイ「その歳になって迷子とは、恥ずかしくないのかお前」


カズ「お前ら、なんで俺がここにいるって分かったんだよ」


ネロ「インダストレージの人々に『不審者みたいな奴見ませんでしたか』って尋ねていったところ、ここに入っていくのを見たという手がかりがあってな」


カズ「聞き方辛辣(しんらつ)すぎひん?」


ミズキ「カ、カズお前・・・」


カズ「あっ、すみません。こいつらは・・・」


ミズキ「姉の研究所にデリヘルを呼ぶなんて・・・!」


カズ「呼んでねぇ!!!!」


アバンギャルドな下ネタ

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