#17 魔の予兆④[ワンタイム禊]
前回までのあらすじ
フレンドリーファイア(全被弾)
カズ「ひーっ、ひーっ・・・(虫の息)」
マリア「大丈夫ですかカズさん!?」
カズ「・・・グロックの凶弾4.5発食らって大丈夫なわけねぇだろ。まぁ、死ぬほどではないがな」
マリア(死ぬほどではない、か・・・。さすがはカズさんですわ。しかし・・・)
カズ「とはいえ、しんどくて動けん。だから、」
カズ「マリア、お前はさっさと逃げろ」
マリア「えっ・・・」
カズ「俺が地を這いづりながらこのクソッタレ凶魔2体を引きつけておくから、さっさと逃げるんだよ」
マリア「そんな・・・。でもわたくしが倒せば・・・」
カズ「お前には倒せん。というかお前の攻撃手段では倒せんのよ。飛び道具とかボムとかじゃあな」
カズ「お前に残された唯一ある攻撃手段はお前の身体自身なんだが、お前は潔癖症だ。こんな見るからにきたねぇ泥みたいなモンスターを殴れるとも思えん」
カズ「それに、お前にそこまで無理をさせてまで、生きながらえようようとは思わねぇよ」
マリア「・・・。」
カズ「ほら、さっさと行った行った。死にゆく姿なんてとてもじゃないが見られたくない」
マリア「・・・あなたは、優しすぎますわ」
カズ「え、なんか言ったか?・・・って、マリアお前なにやってんだ?」
マリア「『マッド・サイエンス・アルファ』を見つけたのですわ」
カズ「マッド、アルファ・・・?なんだそいつは」
マリア「見ていれば分かりますわ(マッドロリアンに向かって走る)」
カズ「や、やめろマリア!来るんじゃない、この凶魔どもはもうすぐ周囲に毒をまき散らして・・・」
マリア「その前にぶっ殺せばいいのですわ!ええいっ!(液体をかける)」
凶魔「・・・!(液体がかかる)」
マリア「これでっ、おしまいですわーーーーーっ!!!!(宙に飛び上がる)」
マリア「金持ちの意地!!!(殴る)」
凶魔「ガァァァァァァ!!!!」
[マリアはモンスターをたおした。マリアは経験値37を手に入れた]
マリア「はぁ、はぁ・・・」
カズ(謎の液体を凶魔どもにぶち撒け、その直後に宙に浮かび、その勢いを経て凶魔の核を拳にて破壊・・・。一体どうなって・・・)
カズ「マリア、今何をしたんだ?」
マリア「先ほど見つけた資料に書かれていた、『マッド・サイエンス・アルファ』は対マッドロリアン用に作られた液体です。これをかけられたマッドロリアンは硬質化の機能が無効化され、ただの泥の塊のような状態になり、やがて消滅します」
カズ「へぇ、そんなものがあるんだな・・・。ん、っていうかそれ使うなら、わざわざ直接殴らなくてよかったんじゃないのか?」
マリア「・・・。」
マリア「あくまで保険です。もしもマッド・サイエンス・アルファに効き目がなかった時のために」
マリア「・・・それに、カズさんがピンチな時に、潔癖でなんだ言っている自分に腹が立ってきたのですわ。これはそんな自分に対する禊ですのよ」
カズ「ふーん。そうか、それならよかったんだが。じゃあ、今度からは普通に素手で倒せるってことだな」
マリア「それはないですわ」
カズ「なんで即答なんだよ!自分に対する禊だったんだろ!これからも・・・」
マリア「zzz・・・」
カズ「都合が悪くなったらすぐ寝たふりするのやめろ。赤子ですらこのタイミングで寝ないぞ」
マリア「・・・とにかく、これはこれ、それはそれってことで、ほら、薬草ですわ。さっさと食べて怪我を癒やしなさい。そして早く帰りますわよ。もうちょっとで制限時間になってしまいますわ」
カズ「撃った張本人が何でそこまで上からものを言えるのかは謎だが・・・まぁいいや。それにしても、お前のさっきの一撃はなかなか強烈だったぞ。地面が崩れ落ちるほどの衝撃とは恐れ入った。まさかマリアにこんな力が・・・」
マリア「あら。忘れておられましたか?」
マリア「わたくしは武闘家ですのよ」
カズ「へっ、そうだったそうだった。お前がグロックしか使わないから狙撃手とかかと勘違いしてたわ。まぁ、咄嗟にあの爆発的な威力の打撃をお見舞いできるんなら、お前は間違いなく武闘家だ」
マリア「潔癖症ゆえ、その爆発的なステータスをほぼ活かせてはいませんがね」
カズ「それが1番の問題なんだよなぁ(ため息)」
マリア「ふふっ、反省してますわ(満面の笑み)」
カズ「いや、ぜってーしてねぇだろ!」
マリア「ふっ、あはははは!」
カズ「ふっ、はははは!」
マリア(・・・。確かにこのゲームで倒したモンスターは凶魔2体。恐らくこれではカズさんに勝つことはできないですわね。経験値的にも、あまり得られるものはありませんでしたわ。でも・・・)
マリア(カズさんがとてもお優しいことが分かった。これだけでこのゲームには推し量れないほどの価値がありましたわ)
マリア(・・・・・・。)
マリア「・・・あの、カズさん」
カズ「ん、なんだ?」
マリア「もし、この旅が無事に終わったら・・・」
カズ「・・・終わったら?」
マリア「・・・ッ何でもありませんわ!!(傷口を殴る)」
カズ「ふげぇ!て、てめぇ何故傷口にブローを・・・」
マリア「わ、わたくしは武闘家ですから」
カズ「俺の知っている武闘家は、銃で撃たれた人間の傷口にブローなど食らわせたりなんかしないはずなんだが」
マリア「えー何かおっしゃりましたかぁー?(走り去る)」
カズ「おい逃げるな!待ちやがれ!!!(追いかける)」
マリア(・・・。)
マリア(ふん、まだ言って差し上げないんですのよ・・・)
あら~いいですわゾ~




