#100 ネロ・ミカエラ・フェザーライト
前回までのあらすじ
ガーベラさんがoh・・・
アリス「ガーベラさん・・・大丈夫ですかガーベラさんっっ!!?」
ガーベラ「・・・」
アリス(ど、どうしよう。息はしてるけど、怖いくらいに静かな呼吸・・・早くなんとかしないと、ガーベラさんが・・・とにかく、誰か助けを呼ばないと。あっ)
アリス「そうだ。診療所のミリーアさんの治癒魔法なら、なんとか・・・!」
ガーベラ「ア・・・リス・・・」
アリス「っ!ガーベラさん!!」
ガーベラ「外に出ちゃ・・・いけな、い」
アリス「大丈夫ですか!?どうしてこんなことに、一体誰が・・・!?」
ガーベラ「教団・・・だ」
アリス「っ!」
ガーベラ「いいか、よく聞けアリス・・・」
ガーベラ「この街の人間のこと・・・誰も信じるな・・・!!」
アリス「・・・えっ?」
ガーベラ「そういうわけだ。じゃあな、アリス・・・」
アリス「『じゃあな』ってなんですか・・・待ってくださいよガーベラさん!!なんでそんなこと言うんですか!?」
ガーベラ「・・・アリス、強く生きろよ」
アリス「・・・っっっ!?」
ガーベラ「・・・」
アリス「わ、訳の分からないこと言わないでください!待っててください、すぐにミリーアさんを呼びますから・・・」
ガーベラ「・・・」
アリス「ガーベラさん・・・?」
ガーベラ「」
アリス「ガーベラさん・・・ガーベラさんってば!!!!」
ガーベラ「」
アリス「寝てるん・・・ですよね。ガーベラさん」
ガーベラ「」
アリス「・・・分かりました。ゆっくり休んでてください。いまミリーアさんを呼んできます―――」
商店街・ミリーア診療所
アリス「ミリーアさん!!!」
ミリーア「・・・どうしたの、アリスちゃん」
アリス「助けてください!ガーベラさんが血を流して倒れていて・・・」
ミリーア(・・・)
ミリーア「ガーベラが、まだ生きているの?」
アリス「えっ」
アリス(・・・いま、『まだ』って言った?)
ミリーア「それは大変ね・・・今すぐ誰か応援を呼ぶわ」
アリス「誰か応援って・・・この街で治癒魔法を使えるのはミリーアさんだけじゃないですか!ミリーアさんに来てほしいんですよ、私はっ!!」
ミリーア「・・・治癒?」
アリス「そうですよ、ミリーアさんに治してほしくて・・・」
ミリーア「どうして私が、反逆者のことなんか治さないといけないの?」
アリス「は、反逆者って、何をおかしなことを・・・はっ?」
ガーベラ<この街の人間のこと・・・誰も信じるな・・・!!>
アリス(誰も信じるなって、こういうこと・・・?誰にでも優しい、診療所のミリーアさんですらも・・・?)
ミリーア「あ~所長室から診療所各員へ伝達。手の空いてる者は、ガーベラの始末に・・・」
アリス(あぁ、そうか・・・)
アリス「私には、誰ひとり味方なんていないんだ」
ミリーア「・・・あ、今なんて?」
アリス「ガーベラさん以外、みんな敵なんだ・・・!!」
ミリーア「ちょっ、どこ行くの!待ちなさいアリス!!」
アリス「はぁ・・・はぁっ・・・!」
アリス(早くガーベラさんの所に戻らなきゃ・・・でないと、殺されちゃう・・・!)
フラワーショップ「ナシィ・コーデ」付近
アリス「はぁ・・・はぁ・・・間に合った、かな?」
謎の男A「ったく(店の中から出てくる)」
アリス(うっ・・・!?)
謎の男B「まだ生きてんのかよこいつ。しつこい女だぜぇ」
アリス(知らない男の人たち・・・たぶん外部から来た教団関係者だ。ガーベラさんを担いで、どこへ連れて行く気だ・・・!?)
謎の男A「さっさとくたばれば、楽に逝けるのに。まぁ、マーシャ様の教えに背く不届き者は、どのみち地獄行きだがな・・・」
アリス「・・・っ」
アリス(不届き者・・・いま不届き者って言ったの?私に無償でライトリリーを売ってくれた心優しいガーベラさんのことを、不届き者って・・・?)
謎の男B「いいからさっさと教会に連れていこうぜぇ。マーシャ様が確実にトドメを刺せるように」
謎の男A「最初っから教会で処刑すればよかったんだよ。誰だぁ、今朝こいつの始末に行ったやつは。急所外してるし・・・殺すの下手くそなんじゃねぇの?」
謎の男B「ってうぇっ、この女の血が服についたぁ・・・きったねぇ~~!!」
アリス「・・・」
アリス(やめて・・・)
謎の男A「さっさと持ってって、洗濯しようぜ」
謎の男B「そうだな。でも取れるかなぁ、こんな穢らわしい女の血ィ・・・」
アリス(やめて・・・これ以上ガーベラさんを侮辱するのは・・・)
謎の男A「たしかに。もう燃やして捨てたほうがいいんじゃねぇかぁ~?」
謎の男B「へっ、そうだそうだ、そうしよう!こんな汚い血、消し炭にする他にねぇよなぁ~!」
アリス「やめろっつってんだろうがぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
謎の男A・B「っ、なんだ!!?」
アリス「・・・」
謎の男A「な、なんだガキか。ったく、急に大声を出すなよお嬢ちゃん。びっくりするじゃねぇか」
謎の男B「そうだぜ。心の臓が飛び出るかと思ったぜぇ?」
アリス「・・・じゃあそうしよう」
謎の男B「え、なんだって?いまどうしようって・・・」
アリス「死ね(男の胸にナイフを突き刺す)」
謎の男B「・・・は?」
アリス「・・・」
謎の男B「どうなって・・・んの、こr」
謎の男B「」
謎の男A「ぎゃあああああっっっっ!!な、なにやってんだてめ・・・」
アリス「うるさい(男の首を掻き切る)」
謎の男A「うがぁぁぁぁぁ!!!ちっ、血があっ・・・てめ、なんてことしやがるぅぅぅぅ!!!」
アリス「・・・」
アリス「ガーベラさんに言われたんだ。『強く生きろ』って」
謎の男A「と、止めてくれっ・・・頼む、頼むから首の血を止めてくれよぉぉぉぉ!!!」
アリス「だから私は強く生きる。お前たちみたいな悪人を倒せるくらいに、強く・・・」
謎の男A「マ、マーシャ様ぁぁぁぁ助けてください、お願いし・・・す・・・た、けテ・・・ク・・・」
アリス「ガーベラさんを守れるくらいに、強く―――」
謎の男A「」
アリスは10歳にして初めて、人を殺した。しかも2人も。護身用にガーベラから持たされていたナイフで、1人は心臓を、もう1人は首を深く切って殺した。
そのナイフさばきは、いたいけな少女のものとは到底思えないほど卓越したものだった。もちろんナイフの訓練経験など皆無。ただガーベラを侮辱する教団関係者への怒りと、なによりガーベラの残した言葉が、アリスの中に眠る力を瞬発的に発揮させたのだった。
女神のように優しいアリスは消えてしまった。力と怒りに溺れる復讐者の心だけを残して。
その心は、のちに新たなる人格を形成することになる。忌まわしき過去を捨てた、『ネロ・ミカエラ・フェザーライト』の人格を―――
なんとか100話を迎えることができました。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!




