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ゆるクエ  作者: おでん信用金庫
Season6 魔女、失格の章(ネロ編)
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101/114

#100 ネロ・ミカエラ・フェザーライト

前回までのあらすじ


ガーベラさんがoh・・・



アリス「ガーベラさん・・・大丈夫ですかガーベラさんっっ!!?」


ガーベラ「・・・」


アリス(ど、どうしよう。息はしてるけど、怖いくらいに静かな呼吸・・・早くなんとかしないと、ガーベラさんが・・・とにかく、誰か助けを呼ばないと。あっ)


アリス「そうだ。診療所のミリーアさんの治癒魔法なら、なんとか・・・!」


ガーベラ「ア・・・リス・・・」


アリス「っ!ガーベラさん!!」


ガーベラ「外に出ちゃ・・・いけな、い」


アリス「大丈夫ですか!?どうしてこんなことに、一体誰が・・・!?」


ガーベラ「教団・・・だ」


アリス「っ!」


ガーベラ「いいか、よく聞けアリス・・・」


ガーベラ「この街の人間のこと・・・誰も信じるな・・・!!」


アリス「・・・えっ?」


ガーベラ「そういうわけだ。じゃあな、アリス・・・」


アリス「『じゃあな』ってなんですか・・・待ってくださいよガーベラさん!!なんでそんなこと言うんですか!?」


ガーベラ「・・・アリス、強く生きろよ」


アリス「・・・っっっ!?」


ガーベラ「・・・」


アリス「わ、訳の分からないこと言わないでください!待っててください、すぐにミリーアさんを呼びますから・・・」


ガーベラ「・・・」


アリス「ガーベラさん・・・?」


ガーベラ「」


アリス「ガーベラさん・・・ガーベラさんってば!!!!」


ガーベラ「」


アリス「寝てるん・・・ですよね。ガーベラさん」


ガーベラ「」


アリス「・・・分かりました。ゆっくり休んでてください。いまミリーアさんを呼んできます―――」





商店街・ミリーア診療所



アリス「ミリーアさん!!!」


ミリーア「・・・どうしたの、アリスちゃん」


アリス「助けてください!ガーベラさんが血を流して倒れていて・・・」


ミリーア(・・・)


ミリーア「ガーベラが、まだ生きているの?」


アリス「えっ」


アリス(・・・いま、『まだ』って言った?)


ミリーア「それは大変ね・・・今すぐ誰(・)か(・)応(・)援(・)を呼ぶわ」


アリス「誰か応援って・・・この街で治癒魔法を使えるのはミリーアさんだけじゃないですか!ミリーアさんに来てほしいんですよ、私はっ!!」


ミリーア「・・・治癒?」


アリス「そうですよ、ミリーアさんに治してほしくて・・・」


ミリーア「どうして私が、反(・)逆(・)者(・)のことなんか治さないといけないの?」


アリス「は、反逆者って、何をおかしなことを・・・はっ?」



ガーベラ<この街の人間のこと・・・誰も信じるな・・・!!>



アリス(誰も信じるなって、こういうこと・・・?誰にでも優しい、診療所のミリーアさんですらも・・・?)


ミリーア「あ~所長室から診療所各員へ伝達。手の空いてる者は、ガーベラの始末に・・・」


アリス(あぁ、そうか・・・)


アリス「私には、誰ひとり味方なんていないんだ」


ミリーア「・・・あ、今なんて?」



アリス「ガーベラさん以外、みんな敵なんだ・・・!!」



ミリーア「ちょっ、どこ行くの!待ちなさいアリス!!」


アリス「はぁ・・・はぁっ・・・!」


アリス(早くガーベラさんの所に戻らなきゃ・・・でないと、殺されちゃう・・・!)





フラワーショップ「ナシィ・コーデ」付近



アリス「はぁ・・・はぁ・・・間に合った、かな?」


謎の男A「ったく(店の中から出てくる)」


アリス(うっ・・・!?)


謎の男B「まだ生きてんのかよこいつ。しつこい女だぜぇ」


アリス(知らない男の人たち・・・たぶん外部から来た教団関係者だ。ガーベラさんを担いで、どこへ連れて行く気だ・・・!?)


謎の男A「さっさとくたばれば、楽に逝けるのに。まぁ、マーシャ様の教えに背く不届き者は、どのみち地獄行きだがな・・・」


アリス「・・・っ」


アリス(不届き者・・・いま不届き者って言ったの?私に無償でライトリリーを売ってくれた心優しいガーベラさんのことを、不届き者って・・・?)


謎の男B「いいからさっさと教会に連れていこうぜぇ。マーシャ様が確実にトドメを刺せるように」


謎の男A「最初っから教会で処刑すればよかったんだよ。誰だぁ、今朝こいつの始末に行ったやつは。急所外してるし・・・殺すの下手くそなんじゃねぇの?」


謎の男B「ってうぇっ、この女の血が服についたぁ・・・きったねぇ~~!!」


アリス「・・・」


アリス(やめて・・・)


謎の男A「さっさと持ってって、洗濯しようぜ」


謎の男B「そうだな。でも取れるかなぁ、こんな穢(けが)らわしい女の血ィ・・・」


アリス(やめて・・・これ以上ガーベラさんを侮辱するのは・・・)


謎の男A「たしかに。もう燃やして捨てたほうがいいんじゃねぇかぁ~?」


謎の男B「へっ、そうだそうだ、そうしよう!こんな汚い血、消し炭にする他にねぇよなぁ~!」



アリス「やめろっつってんだろうがぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」



謎の男A・B「っ、なんだ!!?」


アリス「・・・」


謎の男A「な、なんだガキか。ったく、急に大声を出すなよお嬢ちゃん。びっくりするじゃねぇか」


謎の男B「そうだぜ。心(・)の(・)臓(・)が飛び出るかと思ったぜぇ?」


アリス「・・・じゃあそうしよう」


謎の男B「え、なんだって?いまどうしようって・・・」


アリス「死ね(男の胸にナイフを突き刺す)」


謎の男B「・・・は?」


アリス「・・・」


謎の男B「どうなって・・・んの、こr」


謎の男B「」


謎の男A「ぎゃあああああっっっっ!!な、なにやってんだてめ・・・」


アリス「うるさい(男の首を掻き切る)」


謎の男A「うがぁぁぁぁぁ!!!ちっ、血があっ・・・てめ、なんてことしやがるぅぅぅぅ!!!」


アリス「・・・」


アリス「ガーベラさんに言われたんだ。『強く生きろ』って」


謎の男A「と、止めてくれっ・・・頼む、頼むから首の血を止めてくれよぉぉぉぉ!!!」


アリス「だから私は強く生きる。お前たちみたいな悪人を倒せるくらいに、強く・・・」


謎の男A「マ、マーシャ様ぁぁぁぁ助けてください、お願いし・・・す・・・た、けテ・・・ク・・・」


アリス「ガーベラさんを守れるくらいに、強く―――」


謎の男A「」




アリスは10歳にして初めて、人を殺した。しかも2人も。護身用にガーベラから持たされていたナイフで、1人は心臓を、もう1人は首を深く切って殺した。


そのナイフさばきは、いたいけな少女のものとは到底思えないほど卓越したものだった。もちろんナイフの訓練経験など皆無。ただガーベラを侮辱する教団関係者への怒りと、なによりガーベラの残した言葉が、アリスの中に眠る力を瞬発的に発揮させたのだった。


女神のように優しいアリスは消えてしまった。力と怒りに溺れる復(・)讐(・)者(・)の(・)心(・)だけを残して。


その心は、のちに新たなる人格を形成することになる。忌まわしき過去を捨てた、『ネロ・ミカエラ・フェザーライト』の人格を―――


なんとか100話を迎えることができました。

ここまで読んでくださって、ありがとうございます!

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