3話 初撃そして撃沈
大江 和は入学当初から目立っていた
入学式では当たり前のように代表だったし、教科書が配られてからの休み時間はずっと勉強していた
まだ皆がそれぞれの性格やカーストを押し計っている時期だったが、彼の立ち位置はすぐに決まった
勉強ばかりで友達のいない“つまらないやつ”
いわゆるカースト下位の人間だ、と
しかし、授業が始まり課題や予習が増えてきた頃、変化があった
1人の勇者もといアホが大江に話しかけたのだ
「大江!予習忘れたんだけどノート見せて!」
真面目君がそんなことしてくれる訳がないと皆が思っていたが、予想に反して二つ返事でノートを貸したのだった
そこからは早かった
誰かしら課題や予習を忘れる度に大江にノートを借りに行き、快く貸してくれる事を繰り返し
いつの間にかクラスの救世主とまで呼ばれ、皆から頼られるカースト上位の存在になったのだった
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恋愛ゲームの攻略を考えつつ家に帰り、いつもの美容ルーティンをこなす
さて、そろそろ寝ようとベッドに潜り込んだ時に思い出した
(あっノート!!流石にすぐ返さないと印象悪いよね)
寝る気分になっていたがなんとか切り替えて机に向かう
軽くで良いかなとパラパラとノートをめくったが、あまりに綺麗にまとまっていて驚きで目が覚めた
カラーペンを使って重要な部分を目立たせるだけでなく、参考書やテストで扱われやすいポイントを、なぜか猫のキャラクターが解説をしていたりと、読みたくなる工夫がされていた
(頭が良い人って、分からない理由が分からないって感じだと思ってた...)
すっかりテスト範囲の部分を読み終え、時計を見るといつの間にか寝る時間を3時間も過ぎていた
「終わった....」
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翌日
「大江くん♡ノートありがとう!」
さっそく朝イチで返却しに行く
「あのね!すっっごく分かりやすくて感動した♡」
「猫ちゃんも可愛かったし〜、あ!これお礼!」
登校前に買ってきたラムネ菓子を差し出す
「甘いもの好きか分からなかったけど、勉強には糖分かなぁと思って...甘いの平気だった?」
矢継早に捲し立てたので、大江はキョトンとした顔でこちらを見ている
(寝不足のせいかテンションを間違えた!)
(いつもはもっと完璧なのに〜!)
大江がラムネを受け取る
「わざわざありがとう。お菓子はあまり食べた事ないけど平気だと思う。」
そう言ってさっそく一粒食べる
「うん。美味しい。」
こちらを見て微笑んだ
「あの!さすがに1個じゃ少ないかなと思って、もう1個買ったの!」
グイグイともう一つのラムネ菓子を押し付ける
女の子慣れしていないと決めつけて油断していたのに、普通に会話をして笑いかけられて調子が狂った
(なんか思ってた感じと違う!!)
もっとオドオドしてるもんだと思い込んでいたが、どちらかというと落ち着きがある大人な感じだ
「それじゃ!」
焦ってその場を離れようとすると、腕を掴まれた
心臓が跳ねる。
緊張して顔が見られない。
(なに?!なんで引き留めるの...!)
「他の教科は貸さなくて大丈夫だった?」
「...........」
(私のドキドキを返せ!!!)




