14話 ドキドキのお宅訪問 Part2
晴れてお付き合いする事になったが、次のデートはどこにしようか相談したところ
「ごめん。来週の午前中は予定があって、午後からで良いですか?」
と言われてしまった
「どこかにお出かけ?」
大江が勉強目的以外でどこに行くのか謎なので、なんとなく聞いてみた
「お盆は毎日墓参りに行ってます。」
「......なるほど」
(もしかして、聞いちゃダメなやつだった...?)
くるみの不安をよそに、大江は気にした様子もない
「一緒に行きますか?そのまま俺の家来ても良いですし。いつも國塚さんの家ばかりじゃ悪いので...」
(大江くんの家!!)
「行きたい!!」
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夏休み4週目
ミーンミンミン…
セミがけたたましく騒いでいる
だがセミが多いという事は、木が多いという事でもある
木陰になっている石段を登っていると、周りよりも涼しくどこか別世界のように感じる
階段を登り切ると、目の前にはお墓が広がっていた
「階段キツくなかった?」
大江が振り向いて心配してくれる
「大丈夫だよ!」
伊達に毎日筋トレしてる訳ではない
こっち、と案内された所へ向かう
「えっと、母と父が眠ってます。」
「...そうなんだ」
(そっか...知らなかったな...)
神妙な面持ちになるが、大江はそうでもない
「俺が小さい頃からずっと親居なかったから、寂しいとかは無いよ。」
気を遣ってくれている
「...彼女紹介したら喜ぶと思う。付いてきてくれてありがとう。」
そう言って墓前で、こちら彼女の國塚くるみさんです、と本当に紹介しだした
どうしたらいいか分からずペコリと頭を下げる
ふっ、と大江に笑われたが、両親の手前こづく訳にもいかない
大江は慣れた手つきでお参りと掃除を終わらせると
「お待たせ。それじゃあ行きましょうか。」
と家まで案内してくれた
大江の家は聞いていた以前聞いていた通り、くるみの家からそう遠くない所にあった
ザ・おばあちゃん家といった古き良き一軒家だ
玄関を開けると、どこか懐かしい匂いがする
「ただいまーー!!ばあちゃん!墓参りして来たよー!!」
初めて聞く大江の大声にビクッと体が跳ねた
しばらくすると奥からおばあちゃんが出て来た
「あれ?早かったねぇ。そちらが彼女さん?」
「うん。そう。」
しれっと紹介されて焦る
「あのっいつも大江くんにはお世話になってます!」
いつぞやか大江が緊張していて可愛いと思っていたが、逆に立場になるといかに緊張する場面か思い知る
(手土産とか持ってくれば良かった〜!)
なんだか場違いな気がしてきた
奥の和室へと通されるが、家に和室が無いのでマナーが分からず大江の真似をしてそーっと歩く
部屋には仏壇が置いてあり、大江の両親らしき人の写真が飾ってあった
(まずは挨拶した方がいいよね...!)
仏壇で手を合わせる
(はじめまして、國塚くるみです...大江くんとお付き合いさせていただいてます...)
頭で念じ終わって目を開けると、大江がくるみの様子を見ていた
「な、なに...?」
「ううん。なんか家に國塚さんが居るの新鮮で、眺めてました。」
(良かった...なんか変なことしてたのかと思った...!)
用意してもらった座布団に座って部屋の中をキョロキョロ見ていると、大江のおばあちゃんがお茶とお茶請けを持って来た
「何もないけど、ゆっくりして行って」
と言いながらゴソゴソと戸棚を漁ってアルバムを渡してきた
「ちょっと!ばあちゃん!余計なことせんでいいから!」
大江が焦っている
(家だとそんな口調なんだ...可愛い♡)
アルバムをありがたく受け取り眺める
「わぁ♡可愛い〜♡」
小さい頃の大江は今よりニコニコ笑っているし、ぷにぷにした見た目でとても愛らしい
大江は恥ずかしさのあまり机に突っ伏して顔を隠している
「他にもね...」
おばあちゃんに連れられ物置部屋に行くと、大江が作った作品たちが飾ってあった
「わ!紙粘土で作った猫ちゃん!この頃から猫好きだったの?」
大江のノートに登場する猫のキャラクターの面影がある
のそのそと物置部屋まで付いてきた大江が頷く
「うん。昔から好きだったみたい...國塚さんこんなの見ても面白くないでしょ?」
ジト目でこちらを見ているが、くるみにとっては楽しい
大江よりもおばあちゃんと話が盛り上がってしまい、大江は蚊帳の外だ
話し込んでいたら、お昼になってしまった
「くるみさん、お昼ごはん食べていきなさい」
おばあちゃんが台所へ向かう
「ありがとうございます!私も手伝う〜!」
すっかりおばあちゃんに懐いてしまい、一緒にごはんの準備をする
気まずそうに大江も準備に参加する
「あら?普段は手伝わないのに珍しいねぇ」
ケタケタとおばあちゃんが笑う
「勉強が忙しくて!次から手伝います!!」
完全にヤケになっている
お昼ごはんを食べ終わって、皿洗いも手伝おうと思ったが止められてしまった
「和と遊んであげて。くるみさん、あの子を色々遊びに連れてってくれてありがとね」
「いえ!私の方こそ勉強教えてもらったりしてて...」
「これからもあの子の事頼むよ」
にこりと嬉しそうに笑っている
大江と居間に戻るが特にすることがない
「一応俺の部屋もあるけど見ますか?ベッドくらいしか無いけど。」
「見たい!見たい!」
わくわくしながら着いていく
大江の部屋は言ったとおりベッドと、本棚にぎっしり詰められたノートと参考書くらいしか無かった
「勉強は普段居間でやってて、この部屋は寝る時しか使ってないです。」
「ふ〜ん。そうなんだ〜」
ふむふむと部屋を見ながら一周する
そしてベッドに腰を下ろして大江を見つめる
「..........」
「..........」
「..........何もしないからね?」
「ちぇ...」
目で訴えたがダメだった
ベッドにごろんと横になって枕に顔を埋める
「あぁ〜♡大江くんの匂いだ!いい匂い〜♡」
「勘弁して...」
枕の匂いを嗅ぎながら足をバタバタさせていたら、ベッドの足元に置いてあった物を蹴ってしまった
「あっごめん!」
慌てて蹴ったものを確かめようとするが、
「うわ!やばっ!」
それより早く大江が取って体の後ろに隠す
大江の慌てようが妙に怪しい
「あ!分かった!えっちな本とか隠してるんでしょ!」
くるみによるイメージだと、大体ベッド付近にそういうものを隠すと相場は決まっている
「いや...違います...」
見せてよ〜と体の後ろに回り込もうとするが避けられる
しつこく追いかけ回すと観念したようで
「...そうですよ!えっちな物だから見ないでください!」
もう良いでしょ、と疲れた様子だ
(うーん、しつこくし過ぎたかな...?でも絶対気になる!)
大江はそういう事に淡白だと思っていたので、どんな物を持っているのか俄然気になる
「はぁ...えっちなの見てるから女慣れしてたの...?」
上目遣いで訴えかける
「だから違うって!もー分かったから...」
はい、と紙袋を渡された
受け取って中身を見てみると小さな箱がひとつ入っているだけだ
「これがえっちなもの...?」
キョトンとした顔で大江を見つめる
嘘だろ、という顔をされた
「もしかして勉強だけじゃなくてこれも教えなきゃダメ...?」
よく分からないのでコクコク頷いた
大江は箱を手に取って、くるみを抱き寄せた
「これがえっちな物なんじゃなくて、これでえっちな事するんですよ。」
そのままベッドに連れて行かれた




