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努力は恋を裏切らない  作者: 杷木 うきは
第一部 高校1年生編

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16/26

13話 気になるその先



夏休みに入る前に約束した6回分の予定の内、1回目の海水浴は終わった


帰りの電車で大江が何と言ったのか聞こうと思っていたのだが、いつの間にか車内で寝てしまっていた


駅に着く直前で大江に起こされ、寝ぼけたまま家に送り届けられたので、聞き忘れていることに気付いたのは次の日の朝になってからだった



次大江に会えるのは来週なので、それまではいつもよりキツイ筋トレをしたり、部活に顔を出したり、柚香と遊んだりして過ごした



ーーーーーーーーーーーーーーー



2週目


夏休みの課題を進める為に頼んだ勉強会だが、大江からは図書館を指定されている


確かにテスト勉強と違い、課題は量が多いだけで難しい訳ではないので教えてもらう事も少ない



(でも家に呼んでこの前のこと聞きたかったし、いちゃいちゃしたかった!)


くるみにとっては、そちらがメインだったので不貞腐れる



大人しく勉強しながら時々大江を盗み見る

真剣に参考書を見ているが、夏休みに出た課題ではない


「大江くんは宿題やんないの?」

小声で聞く

「もう終わったので別のやってます。」

衝撃の答えに思わず声が出そうになって、慌てて口を押さえる


長期休暇の課題なんて、最終日にまとめてやるか、登校日に急いで写させてもらった記憶しかない



それなら、とワークを閉じる

大江がキョトンとしているが気にしない


「デートしよ♡」

最大限自分の可愛さを活かしたおねだりをした、が


「ダメです。弁当貰ってる分ちゃんと教えるから。」

「じゃあお弁当はデート代!」

「ダメ。」

粘ってみたが頑なにOKしない


仕方ないので、ワーク1冊終わらせたらデートしようと交渉する


「......それなら、まぁ。分かりました。」

渋々とはいえ了承されたのでこちらの勝ちだ



再びワークを開いて、今までに無いくらいの速さで解く


デートの時間を1秒でも多く確保したい


大江が呆れながら眺めている

「毎回それくらいやる気を出してほしい...」



1時間後には採点まで全て完了した



「じゃ!約束通りデートね♡」

大江と一緒にどこに遊びに行こうか考える


(出来ればお金使わない所が良いよね...)

くるみ自身も外食は好まないのでカフェを候補から外す



ふと大江は元サッカー部だったことを思い出した


「一緒にサッカーする?たしかうちにボールあった気がする!」


「サッカー良いですね。1年ぶりだ。」

と言って嬉しそうに付いてきた


いつも勉強ばかりしているが、どちらかと言うとアウトドア派のようだ

外で遊ぶのを提案するとテンションが高くなっている気がする



くるみの家からボールを引っ張り出して来て、近所のだだっ広い公園に行く

遊具も何もないので昔は好きじゃなかったが、今はこの公園があって良かったと心から思う



大江は完全初心者のくるみにパスの仕方をレクチャーしてくれる

こんな場面でも教えるのが上手い



お昼頃までずっとサッカーをしていたら、かなり上達してしまった


「大江くん、そろそろお腹空かない?」

あわよくば家でごはんでも、と思い聞いてみる

「そうですね。じゃあ解散しましょうか。」

「えっ...!!」


まさかの返事に焦る

「あのっ...!もうちょっと一緒に居たい...」

大江の服の裾を掴んで引き留める


「そんなに俺とデートしたいんですか?」

意地悪な質問にたじろぐ


「......じゃあ!来週も、宿題早く終わらせたら今日みたいに遊んでくれる...?」


少し考えた後に、良いですよと言われてホッとする



今日は解散したが、来週はもっと遊ぶぞ!と気合を入れて課題をしていたら、気付けば全て終わらせていた



ーーーーーーーーーーーーーーー



3週目


8月に入り本格的に暑くなった

だが、くるみは集合時間より早く来て図書館の前で待っていた


(せっかく全部終わらせたから、すぐ遊びに行きたい!)


大江が図書館に入る前に連れ出す作戦だ



「えっ、おはよう。國塚さん早いね。」

「まぁね♡」

ふふんと鼻を鳴らし、夏休みの課題が全部終わった事を告げる


「凄いですね...じゃあ今日も出かけますか?」

話が早くて助かる



「今日こそは私の家で遊びたい!」

気合いの入った誘いに大江が後ずさる


また渋られると思ったが、今回はすんなり了承してくれた



家に着くと大江がお邪魔しますと言って入ってくる

流石に3回目なので最初の頃のような緊張は見られない


(おどおどしてる大江くん、可愛くて好きだったんだけどなぁ)


だがリビングから音がしない事に気付いた大江が焦り出した

「今日は誰もいないんですか...?」

「ん?うん。パパもママも出かけてるよ?」



ピタッと大江が止まる


(なんでいつも親が居るか気にするんだろう...?)


くるみの感覚的には親がいない方が騒げるので楽しいと思うのだが、大江が何を考えているのかよく分からない



とりあえず止まった大江を引っ張って自室に押し込む


「大江くん、どうしたの?」

顔を覗き込むと肩を掴まれ押し返される




「國塚さんは、俺のこと安全な友達だとか思ってるんだろうけど。」


今まで見たこと無いくらい真剣な眼差しで見つめられる



「俺は國塚さんのこと好きだから、2人きりにされると結構しんどい。」


我慢をしているような辛い表情をしていた




(私のこと好き......?)


急なことで言葉を処理しきれずに固まる



「ごめん。気持ち悪いだろうから帰る。」

投げやりに言って帰ろうとするので思わず抱きつく



「待って!!私も好き!」


「......友達として、じゃなくて?」

「うん。えっと、恋人になりたい...って思ってる」



大江が振り向き、ぎゅっと抱きしめられた










(.........長い)



「あの?大江くん...?」

モゾモゾと腕から抜け出し顔を見る



「や、見ないで...ください。」

恥ずかしいのか耳が真っ赤になっている


必死に顔を逸らそうとする姿がいじらしくて可愛い



「まさか好かれてるって思ってなくて...」

一生懸命に言い訳をしている



ついつい加虐心がうずいてしまう


「恥ずかしいの〜?ねぇ、大江くん♡」

ベタベタと身体中を触る



「國塚さん。俺たち付き合ってるって事で良い?」

「うんうん!」


「じゃあ恋人同士がすることしても良い?」

「......!いいよ!」



(恋人繋ぎとかかな?)

ワクワクしながら待っていたら、手を握られた


だが恋人繋ぎではなく、そのまま手を引かれてベッドに連れて行かれる


何が何やら分からないが、とりあえずベッドに座ると、大江がゆっくりとくるみの肩を押した


されるがまま倒れ込むと、大江が覆い被さる


(あっ!これ前にもあった...)


この後どうするのか分からないが、そういう雰囲気である事だけは分かる


心臓がドクドクと大きな音を立てている




さっきの仕返しとばかりに全身を触られる

だがくるみのベタベタした触り方と違い、ゆっくりと体の形をなぞるように触られてゾクゾクする



大江の顔が近付いてきてキスをされた



キスをしながらも体を撫でられていて、我慢していた声が漏れた



声が漏れ出る時に開いた口を、更に塞ぐように舌が入ってくる



酸欠で頭がぼーっとして何も考えられない






「今日はここまでにしていい?」

パッと大江が離れる


中途半端な所で辞められて、物足りない


「なんで......?もっとしたい...」

うるうるした目で訴えかけると強く抱きしめられた



「國塚さんは...この先何するか知ってる?」

首を横に振って答える

「えっと...服を脱ぐ...とか?」



「...うん。えっと......ゴムとか買って来ないといけないし」

少し気まずそうな顔をしている



「まだ高校生だから急いでやんなくても良いかなって思ってます。」

俺も初めてだし、ぼそりと呟くのが聞こえた



「うぅぅ...じゃあ今くらいのは、これからもしてくれるの?」



「.........それ、もっときつくない?」



生殺し状態の大江がうなだれた







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