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244 毒沼のダンジョン 地下18階

「ボス、右から2体!」


「任せろ!」


 ダンジョンの地下18階。俺は向かってくるスネークマンを槍で貫く。この階層なら1対1で俺が苦戦する事は無い。しかし他の冒険者に取ってここのスネークマンは十分に脅威だ。なので無理に地下20階を越えるよりここでパワーレベリングを繰り返している。俺が連れている冒険者は全員俺の奴隷だから【スキル操作】で最大レベルが分かる。この世界で最大位階レベルが分かるスキルは希少で、貴族ですら自分の最大位階レベルを知らないのが大半だ。貴族に関しては爵位と領地継承に位階レベルが絡むので敢えて確認しない者もいる。


「ここら辺一帯は掃除が終わったみたいだぜ」


 俺が【索敵】レベル5にまで上げたスカウトが言う。リルを含めて【索敵】レベル5持ちは四人居る。本来は複数一緒に運用したいが、政治的な事情で分割運用を強制されている。まずは俺が率いるのはパワーレベリング特化のCパーティー。次にリルが率いる攻略特化のBパーティー。アメリアはBとCを梯子している。残りのEとFパーティーは銅と銀の採掘をしている。採掘と言うより採掘している農民の護衛と監視が本分だ。EとFパーティーの冒険者で最大レベルに達していない者は必要に応じてCパーティーの人間と入れ替えている。


 最後にメアが所属するDパーティーには【索敵】レベル5が所属していない。このパーティーは自由な冒険者で構成されており、どちらかと言うとダンジョンで稼ぐのが目的みたいだ。非常設のAパーティーはボス攻略用のオールスターパーティーだ。地下20階のボスを倒す時に初めて組んだが、少し強すぎた。スネークマンキングと言うB+に分類されるモンスターだったが、俺が足を穿ち、リルが頸動脈を切り、アメリアが焼き殺した。「活躍する場が無かった!」とメアを始めとした他の冒険者にこってり絞られた。なので推定地下29階に居る最終ボス戦以外では組めない。タイムアップ間近になればこのAパーティーで一気に最下層まで吶喊してダンジョンを攻略する鬼札が使えるので精神的には少し楽だ。


「どうするボス? そろそろ【毒耐性】の効果が切れるぜ」


 【光魔法】のバフで毒に大して強い耐性を得ている。シーナかマリーメイアが一緒ならかけ直すだけで済む。しかし二人は他のパーティーに割り振っている。そろそろ潮時だが、このまま上を目指すと毒を使うモンスターが最も多い階層で【毒耐性】が完全に切れている。


 この毒沼のダンジョンは嫌らしい構造になっている。地下10階までは毒沼の地形をフロッガーが有効活用して襲ってくる。【毒無効】か【毒耐性】が無ければどんな強者でも毒のスリップダメージで死ぬ。地下11階から地下20階までは入り組んだ回廊をスネークマンが縦横無尽に駆け回る。人間サイズのモンスターなのに柔軟な身体構造を生かして人間では通れない隙間から奇襲してくる。ここまでの経験則で言うと、毒攻撃を使うのは三割ほどだ。毒に対する備えのためにリソースを消費しないといけないのに、七割はハズレと言う歯軋りしたい敵だ。地下21階以降はリル達が攻略している最中だ。大型のモンスターが増えているらしいが、未だ傾向はつかめていない。


「14の銀にまで行きますか?」


「そこにいるハンナに【毒耐性】をかけて貰うか」


 これが常識的にベストな選択だ。


「ん?」


「ボス、どうした?」


「リルがこの階層に上がって来た。ポイント18ーDに行くぞ」


 シエルが教えてくれた。アンデッドを感知出来ない欠点を除けば【索敵】レベル5を遥かに凌駕する範囲をカバーしてくれる。急に予定の無いリルの登場に困惑の声が上がるも、全員俺に従う。俺とリルの間に特別な関係があるのは周知されている。普通とは違う方法でお互いの居場所を感知できると思われても不思議じゃない。ダンジョンの階層のマッピングに力を入れているため、合流に適した場所をキーワード一つで指定すれば全員が凡その位置と行動ルートを頭に浮かべる事が出来る。マッピングに力を入れたから毒の滝の後ろにあった銀行脈まで見つけてしまったのは良かったのか悪かったのか。


 しばらく18-Dで待っているとリル達が姿を現す。


「主君、おまたせ」


 リルは【索敵】で俺を早い段階で見つけていた。だからあたかも最初からここで待ち合わせるのが決まっていた様に振舞う。


「無事な様で何より。メア達が居ないな?」


「22に残った」


 地下20階以降は未踏領域が多いので2パーティー合同で進むことが多い。提出された探索予定表では地下22階の北側を調査するとあった。こういう場合、片方のパーティーだけ未帰還なのは何か大問題が発生したと言う事だ。混合パーティーなら強敵にやられたと割り切れるが、単独パーティーで尚且つ小奇麗だ。強敵とか致死性の高い罠の類ではない。


「何があった?」


「面倒事」


 そう言ってリルは後ろを振り返る。それが合図だったのか、アメリアが前に出て来る。となると政治案件か。聞きたくない。


「地下22階の未踏エリアで金鉱脈を発見しました」


 アメリアが焦燥した表情で淡々と語る。俺は頭を抱える。最悪だ。

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