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【第26話】 世界樹の密室と、千年のヤンデレ愛

「ん……ぁ……♡」


そこは、世界樹の最深部に存在する【精霊王の私室】だった。


部屋全体が柔らかい光を放つ苔と神秘的な花々

に包まれ、中央には樹木が自然に形作った巨大な天蓋付きのベッドが鎮座している。


そして、そのベッドの上で、俺はエルフの女王ルシエラに押し倒されていた。


「り、理事長とかクラリス少将も凄かったけ

ど……レベルが違いすぎるって!!」


「ふふ……タツヤ様。暴れると、精霊のツタがもっときつく貴方を締め上げてしまいますよ……?」


ルシエラ女王は俺の上に馬乗りになり、黄金の髪をサラリと垂らしながら、耳元で甘く熱い吐息を吹きかけてきた。


千年間研ぎ澄まされた美貌と、清らかすぎる精霊の香り。


だが、その瞳の奥には、100年間の飢餓感が生んだドロリと濃密な『ヤンデレの執着』が渦巻いている。


「100年間……ただひたすら枯れ果てていく我が国を見守り、男神様の降臨を祈り続けてきました。……ですが、もう我慢の限界です」


彼女の細い指先が、俺のシャツのボタンを一つ、また一つと優しく外していく。


「あのお嬢さんたちに渡すくらいなら……貴方をこの世界樹と同化させ、1000年間、私だけの『愛の苗床』にして差し上げますわ……♡」


「苗床って言った!? 今、サラッとヤバすぎるワード言ったよね!?」


俺の胸元が開かれ、外気に触れた肌にルシエラの温かい吐息が吹きかかる。


(ヤバい……! このままじゃマジで1000年間ベッドの上に縛り付けられたまま子種を絞り取られる!!)


「さあ……お食べなさい、タツヤ様。これが【生命の黄金実】です……」


ルシエラが取り出したのは、黄金色に怪しく輝く熟した果実だった。


これを口にすれば、世界樹の結界に取り込まれ、二度とこの国から出られなくなるという禁断の秘宝。


ルシエラは果実を自分の唇で噛みちぎり、そのまま『口移し』で俺に食べさせようと、極上の唇を近づけてくる——!


(ぐあぁぁぁっ! 絶体絶命!!)


その時だった。


ドガァァァァァン!!!!!


私室の重厚な樹木の扉が、けたたましい爆音とともに木っ端微塵に吹き飛んだ!


「タツヤさんに……手を出させませんわぁぁぁっ!!」

「【極大爆炎陣】連射ぁぁぁっ!!」


煙幕を押し破って飛び込んできたのは——ツタの拘束を気合と魔法で強引に引きちぎったシャーロットたちだった!


「なっ……我が精霊の縛鎖を破っただと……!?」


ルシエラ女王が驚愕で目を見開く。


「へっ、エルフのツタなんぞ、俺の熱い血潮(と嫉妬)で燃やし尽くしてやったぜ!」


バルバロッサが真っ赤に加熱した二本の魔導銃を構え、凶暴にニヤリと笑う。


「タツヤの純潔は……影が死守する!」


レンが一瞬でルシエラの首元に短剣を突きつけ、俺と女王の間に割り込んだ。


「タツヤ様、無事ですか!?」


怪盗ルナが素早い手つきで俺を押し倒していたツタを解除し、俺の身体を抱き起す。


「み、みんな……! 助かった……!」


俺は涙目でみんなに感謝した。


だが、ルシエラ女王のエメラルドの瞳から清らかさが完全に消え失せ、凄まじい精霊の魔力が部屋全体を激しく揺らし始めた。


「無礼者どもが……! 我が1000年の愛を……タツヤ様との『初夜』を邪魔する気ですか……!?」


ゴゴゴゴゴゴ……っ!


世界樹全体が狂ったように鳴動し、無数の根や枝が槍のようにヒロインたちへ向けられる。


「タツヤ様は我がエルヴンヘイムの宝! 誰一人

として生きてここから帰しはしません!!」


「言わせておけば……! タツヤさんは誰の所有物でもありませんわ!」


シルヴィアが風の闘気を全開にし、レイピアを

構える。


「そうよ! タツヤは私の実験対象……じゃなくて、大事なパートナーなんだから!」


シャーロットが魔導書を高速でめくる。


「つがいに手を出す奴は、女王だろうと噛み殺す!」


ベアトリクスが大剣を振りかぶる。


【世界樹の女王(ヤンデレ)】VS【ヒロイン連合軍】!


世界樹の最深部で、俺の貞操(と1000年の苗床化)を賭けた最大規模のバトルが破裂しようとした——




その瞬間!

キィィィィィン……!!


世界樹の外、上空の雲海から凄まじい金属摩擦音と轟音が響き渡った。


「「「「「!?!?」」」」」


全員の動きが止まる。


私室の窓から外を見上げた俺たちの視界に入ってきたのは——


世界樹の巨大な幹をも覆い隠すほどの、全長数キロに及ぶ超巨大漆黒浮遊要塞。


軍事国家【グランベル帝国】の旗艦——**【要塞艦グラン・ガイザル】**だった。


そして、要塞のスピーカーから、学園都市で俺を追い詰めたあのドS少将、クラリスの声が空全体に響き渡った。


『全軍、攻撃開始。……エルフの女王よ、男神様を渡してもらおう。拒絶するならば、この【世界樹】ごと焼き払う』


「クラリス少将……!? ここまで追ってきたというの!?」


シルヴィアが顔を青ざめさせる。


「チッ……しつこい女だぜ!」


バルバロッサが吐き捨てるように言った。


ヤンデレ女王とのバトルに、まさかの帝国軍本隊が乱入!


世界樹の国を舞台にした三つ巴の超大決戦が、今まさに始まろうとしていた——!


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