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星脈と位相の狭間で  作者:
アレシス学院編
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25話・武闘大会の告知



「なぁ、今日なんか集会あるらしいぞ」


 朝、席に着くなり、エルダーがそう耳打ちしてきた。


「聞いてないけど」


「俺も又聞き。武術科と魔法科、両方講堂に集められるらしいぞ」


 隣でルリが小さく首を傾げた。


「何かの発表、なのかな」


「さぁな」


 三人が話しているうちに、他の生徒たちも似たような噂話を始めていた。誰も詳細を知らないまま、朝礼の代わりに講堂へと移動することになった。


 壇上には院長のディートリヒが立っていた。巷では、話し始めると止まらないことでお馴染みだ。


「諸君、待ちに待った季節がやってきた」


 開口一番、そう言い放つ。生徒たちは何のことか分からず顔を見合わせた。


「武闘大会の開催を、ここに宣言する!」


「武闘大会……?」


「なんだそれ、初耳なんだけど」


 あちこちで戸惑いの声が上がり、講堂全体がざわついた。


「日程!形式!全部これから話すが、要点だけ先に言おう。武術科・魔法科、それぞれ別ブロックでの勝ち抜き形式。対象は1年生全員だ」


「1年だけってことは、もしかしてこれでペアが決まるってことか…?」


 どこかで誰かがぼやいた声が聞こえた。


 ディートリヒはそれに気づいたのか気づいていないのか、構わず話を続けた。


「新入生の力量を見極める。先輩たちには応援の立場に回ってもらう」


 演説はそこからさらに長く続いた。開催意義、伝統、過去の名場面のエピソード。生徒の集中力が切れかけた頃、ようやく締めの言葉が告げられた。


「日程は二週間後。以上だ!」


 あまりに唐突な終わり方に、講堂の中に微妙な間が生まれた。それでも誰も突っ込む余裕はなく、そのまま解散になった。


 


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 集会が終わると、そのまま訓練場へ移動になった。木剣を武器庫から運び出しながら、エルダーが口を開いた。


「2週間後だってよ」


「早いな」


「俺ら1年だけの大会って考えると、逆に気合入るわ」


 ルリが木剣を両手で抱えるようにして運びながら、小さな声で言った。


「僕、ちゃんと戦えるかな……」


「大丈夫だろ、たぶん」


「たぶんって……」


「先輩たちが見てる中でやるってことだろ、それ」とエルダーが続ける。


 その言葉に、ソラの心が少し重くなった。応援の立場とはいえ、アスカやグエンが見ている場で戦うということを考えると、急に不安になってきた。


「しっかしなぁ、勝てる気しねぇなぁ」とエルダーが笑いながら言う。


「まだ分からないだろ」


「お前は前向きだな」


「前向きっていうかさ」


 ソラは少し考えてから続けた。


「今持てる全力を出して相手にぶつければ、自ずと結果は付いてくるよ」


 エルダーはそれを聞いて、少し驚いたような顔をした後、ニヤリと笑った。


「ひゅーっ!かっこいいこと言うじゃん」


「別にそんなつもりじゃ……」


 言い訳しかけたところで、武器庫の入り口にローライトが立っているのが見えた。今日はいつもの取り巻きを連れず、一人だった。


 すれ違いざま、ローライトが小さく口を開いた。


「せいぜい、恥をかかない程度に頑張ることだな」


 それだけ言って、振り返ることもなく去っていった。エルダーが唖然とした顔でその背中を見送る。


「……今の、絶対お前に言ったよな」


「だろうな」


「ムカつかねぇの?」


「別に。想定内だよ」


 そう言いながらも、ソラの中で何かが小さく熱を持ったのは事実だった。ルリだけが、少し不安げにその様子を見ていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


 その頃、魔法科の教室でもざわめきは収まっていなかった。


「1年だけって、いきなりだね」


 困惑する声がある一方、ミオは目を輝かせていた。


「大会かぁ!なんか燃えてきたぁ〜〜!!」


「あんたそういうタイプだったの」とリゼアが呆れる。


「猫カフェの手伝いで培った体力、見せる時が来たんだよ!」


「それ、大会と関係あるの」


「うむ!!!ないであろうな!!!」


 リゼアは小さくため息をついた後、窓の外に目をやった。訓練場では既に何人かが素振りを始めている。


二週間後、というディートリヒの言葉が、まだどこか実感を伴わないまま頭の中に残っていた。



 帰り際、ミオが急に立ち止まって振り返った。


「あのさ、実は私、大会用に隠し技考えてるんだよね」


「隠し技?」


「うん!お父さんにも内緒の特訓してて」


「猫カフェで身につく特訓って何なの」


「企業秘密!」


 自信満々か怪しいのかよく分からない笑顔で、ミオはそのまま先に歩き出した。何の技なのか、結局最後まで教えてはくれなかった。


今回もお読み頂きありがとうございました!


今回は来る武闘大会についてのお話でした!

ルリくんの闘いが気になりますよね!?!!そうですよね!!?!?!


よければアクションやTwitterのフォローとかお願いします! @kuronekomaru015


未完成ですが一応作品HPあります→https://hasuki-kuro.github.io/seimyaku/


次回投稿は7月27日(月)6時を予定しております。


何卒よろしくお願いします!

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