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呂布の智謀(2)

「子琰殿。一杯よろしいかな」呂布は自然に黄琬の隣席に腰掛け相手の杯に酒を注いだ。

「おお、奉先どのか。喜んで飲ませていただこう」二人同時に酒を飲み干すと、呂布は切り出した。

「最近、使徒の王允殿と親しくされてますかな?」

「奉先殿、私と王允は竹馬の友だ。何も知らぬことは無い。」

「実は、・・使徒どのには息女がおられるでしょう。」

「ああ、貂蝉のことか。」

黄琬は内心、呂布は策に掛かったなと思った。

王允とは全て打ち合わせ済みである。食客の陳宮が仕掛けた計略だ。都の官吏の汚職を摘発する司隷校尉である自分は、職務上、大臣の董卓すら逮捕することが出来る。

しかし、この呂布が董卓に付き従っていては、直下の兵を動かしたとしても董卓を逮捕するなど不可能だ。返す刀で、関係者一同処刑されてしまうだろう。計画が成功するには、呂布を取り込まなくてはならない。しかし、先日、呂布は王允の娘の輿入れをその場では了承しなかったと聞いたが・・

「お美しい姫君ではないか。君のような天下無双の勇士に相応しいとワシは思うぞ」

黄琬はそう言って呂布の杯に酒を注いだ。

(やはりこの男も知ってのことか)

呂布は思った。これは宮中を巻き込んだ隠謀の一環である。

余り長く語らっていれば董卓の疑念を呼ぶだろう。呂布は笑って話を紛らわすと、きりの良いところで文官らの席から離れた。










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