第36話 ホーム開幕第2戦(1)
1回表
マウンドに上がった平田に対し、大ベテラン中北が構えるミットは徹底して低め。
昇格即先発の緊張からかボールがわずかに浮く場面も見られたが、中北の巧みなフレーミングと緩急を使ったリードが光る。相手打線に的を絞らせず、テンポよく三者凡退に打ち取って上々の立ち上がりを見せた。
1回裏
その裏、クリッパーズ打線がすぐさま平田を援護する。
1番米丸がじっくりボールを見極めて四球で出塁。すかさず完璧なスタートを切って二盗成功。
2番平山は手堅く外野フライを打ち上げ、米丸がタッチアップで一気に三塁へ進塁。
3番小芦。スタメン復帰の第1打席、甘く入った直球を見事にセンター前へ弾き返すタイムリーヒット!
鮮やかに1点を先制する。
ゲイリー三振、大広は内野ゴロに倒れチェンジ。
足と小技、そして復帰した主軸の一打で理想的な1点をもぎ取った。
2回表
援護をもらった平田に相手中軸が襲いかかる。
先頭の4番打者に投じた甘い球を完璧に捉えられ、無情にもスタンドへ飛び込む同点ソロ本塁打。
動揺を突くように相手打線の勢いが止まらない。
低めを狙った球を拾われ、立て続けに4本のヒットを浴びて3点を追加され逆転を許す。
中北が間を取って必死に落ち着かせ、一度は立て直しの兆しを見せたものの、
なおも連打を許してこの回一挙5失点。スコアは1-5と重いビハインドを背負うこととなった。
2回裏
4点を追うクリッパーズはすぐさま反撃へ。
西橋が鋭い打球を放ちツーベースヒットで出塁。
若狭は進塁打となる内野ゴロ、西橋を確実に三塁へ進める。
ワンアウト三塁で打席には『ミスター犠牲フライ』鎌倉。
期待に応えてきっちりと外野へ打ち上げ、犠牲フライで1点を返す(2-5)。
中北は力強いスイングも内野フライに倒れてチェンジ。
3回表
上平監督は早くも継投を決断。マウンドには背番号16、中村翔平を送る。
今季は先発調整を続けていたが、本来の主戦場であるリリーフとして今季初登板となった。
ヒットとデッドボールでランナーを背負い、いきなりピンチを招く。
しかしここから中北の強気のインコース要求に応え、後続を仕留めて無失点で切り抜ける。
3回裏
打順は2巡目に入り、
米丸が相手の不意を突く絶妙なセーフティバントを決めて出塁。
平山の打席でヒットエンドランを仕掛ける。打球は内野ゴロとなったものの、スタートを切っていた米丸が俊足を飛ばして一気に三塁を陥れる。
そして、小芦の豪快なスイングから放たれた打球は、高々と舞い上がりバックスクリーンへ一直線!
今季第1号となる意地の2ランホームランで4-5
1点差へ迫る
ゲイリーは一発を警戒され、四球で歩かされ
大広は一気の逆転を狙って強振するも、打球は内野へ転がり痛恨のダブルプレー
4回表
中村翔平がこの回も続投。
低めにボールを集めて相手打線に芯を外させ、
打たせて取る安定したピッチングでテンポよく三者凡退、無得点に抑える。
4回裏
相手ベンチも投手を交代させて逃げ切りを図るが、勢いに乗るクリッパーズ打線が襲いかかる。
西橋が代わりばなの初球を捉え、この日2本目となる痛烈なツーベースヒット。
そして、打席にはここまで苦しんでいた背番号7。
見逃せばボールになる高めの吊り球を力でねじ伏せるように強振。
高く舞い上がった打球はグングン伸びてライトスタンドへ吸い込まれる値千金の今季第1号逆転2ランホームラン!
鎌倉はライトフライに倒れてワンアウト。
そして、中北に代わり、勝負どころで後藤を打席へ送り込む。
しかし、抜け球が後藤の頭部を直撃する死球。
相手投手は危険球退場を宣告される。
倒れ込んだ後藤は立ち上がることができず、騒然とする場内の中、担架で運ばれて無念の途中交代となる。
緊迫した空気の中、臨時代走として俊足の恵良が一塁へ。恵良はすぐさまスタートを切り、鮮やかに二盗を成功させる。
米丸の打席。ベンチのサインはヒットエンドラン。
米丸がきっちり転がすと、二塁走者の韋駄天・恵良が快足を飛ばして一気にホームへ生還!
貴重な7点目を奪う。
その後、平山、小芦は打ち取られてチェンジ。
中北・後藤の捕手2人を使い切った状態で
5回表を迎えることになる。




