第35話 選手公示
試合後の選手公示
出場選手登録
平田武史/背番号 47(32歳 / 11年目 / 左投左打)
田中丈一郎/背番号 49(26歳 / 9年目 / 左投左打)
出場選手登録抹消
遠藤彬/背番号 52(外野手)
湯浅孝介/背番号 59(捕手)
若手野手の2人をファーム調整させ、
手薄の左投手を2枚厚くする。
「監督、前原の体調ですが……熱は下がったものの、まだ倦怠感が残っているようで、明日の登板も回避させた方が良さそうです」
トレーナーからの報告を受け、俺は深く椅子に寄りかかった。
「連戦の頭で無理はさせられないな。前原はしっかり治させよう」
ホワイトボードの先発ローテーション表を見つめながら投手コーチが呟く。
「問題は明日の先発です。……うちのローテーションには現在、左投手が一人もいません。相手打線も右投手を想定した並びを作ってきています」
俺はニヤリと笑い、ホワイトボードのカードを指で叩いた。
「あの男の出番だな」
ロッカー室で準備を進めていた平田武史を、俺と捕手の後藤が呼び出した。
「平田、急な話で悪いが……今日の先発、行ってくれ」
「え……!? 先発、ですか!?」
32歳のサウスポー・平田が思わず目を丸くした。昨日ファームから昇格してきたばかりで、本人は中継ぎやワンポイントでの登板を想定していたからだ。
「前原の風邪が長引いててな。ちょうどうちのローテーションには左がいない。そこでお前に白羽の矢が立ったわけだ。」
後藤が平田の肩を叩いてニッコリと笑う。
「平田さん、ファームでも先発調整の経験はあるでしょ? 完璧に抑えようと投げ込む必要はないです。ウチの打線なら点を取ってくれますから、初回からスライダー中心に相手をのらりくらりとかわしていきましょう!明日の試合、僕はスタメンマスクではないですが、中北さんがしっかりリードしてくれるはずです。」
後藤の言葉に、平田の表情から驚きが消え、勝負師の顔へと変わった。
「……分かりました、監督、後藤。昇格初日にこんなおいしいマウンドを用意してもらえるなんて、投手冥利に尽きますよ。相手打線をのらりくらりと翻弄して、勝ちパターンに繋いでみせます!」
そして、翌日。
超満員のスタンドに、ウグイス嬢の声が響き渡る。
『打ちました、本日のクリッパーズの先発ピッチャーは……平田武史!背番号47!』
予告先発で発表はされていたものの、いざアナウンスされて、どよめきと大歓声が混ざり合うスタジアム。
11年目のベテラン左腕・平田武史と、正捕手・後藤のコンビが魅せる巧みな投球術。
開幕5連勝を狙うホーム第2戦のスタメンが発表された。
1番 サード 米丸慎也 背番号60
2番 セカンド 平山明彦 背番号0
3番 ファースト 小芦純 背番号35
4番 DH ゲイリー 背番号42
5番 ライト 大広豊 背番号4
6番 レフト 西橋賢介 背番号8
7番 ショート 若狭大将 背番号7
8番 センター 鎌倉大斗 背番号57
9番 キャッチャー 中北元貴 背番号5
先発 平田武史 背番号47
脚部不安の小芦がスタメン復帰。
ライトは恵良に変わって大広をスタメンに
それに伴い、西橋の打順を6番に下げる。
そして中北が今シーズン初スタメンマスクを担う。




