第27話 開幕第3戦(1)
開幕3戦目
スターティングメンバー
1番 ライト 恵良 和幸 背番号68
2番 センター 鎌倉大斗 背番号57
3番 レフト 西橋賢介 背番号8
4番 DH ゲイリー 背番号42
5番 ファースト 小芦純 背番号35
6番 セカンド 平山明彦 背番号0
7番 サード 米丸慎也 背番号60
8番 キャッチャー 後藤紀之 背番号33
9番 ショート 若狭大将 背番号7
先発 竹井壮介 背番号21
野手は顔ぶれこそ同じだが、打順を大幅に変えた。
昨日大活躍した恵良を1番に起用。
不振の若狭を9番に配置。
平山、米丸を6、7番に据えたところに
俺の監督としての迷いが
透けてしまっているような感じもする。
竹井は高卒6年目で徐々に成績を上げている成長株。
だが本人も先発ローテーションギリギリの立場なことはわかっており、ここで生き残りのためのアピールをしたいところだ。
1回表
試合開始のプレイボールが告げられ、打席には恵良が入る。
昨日の試合では、小技や足技を活かすために一塁ベースに近い左打席に立っていた恵良だが、
実は左右どちらでも打てるスイッチヒッターだ。
相手のマウンドには、手強い左腕投手。
ベンチからのサインを確認した恵良は、すっと反対側の右打席へと陣取った。
「おっ、今日は右でいくのか?」
ダグアウトから見守る俺の隣で、ガタさんが腕を組む。
相手バッテリーも、まさか昨日あれだけ足でかき回した男が右打席に入るとは思っていなかったか、外角中心の配球で警戒してきた。
カウント1-1からの3球目。
真ん中付近へ甘く入った変化球を、恵良は強烈なスイングで振り抜いた!
——カキィィィンッッ!!
「……って、マジか!?」
打球は乾いた音を響かせ、ライトスタンドの最前列へ飛び込んだ。
プロ初ホームランが、まさかの先頭打者ホームラン!!
「うおおおおおーーーっ!! 恵良ぁぁぁ!!」
ダグアウトが一気に爆発したように沸き返る。
打った恵良自身も、ベースを回りながら信じられないといった表情で自分のバットを見つめ、満面の笑みでベンチへと帰ってきた。
そして、ベンチの階段を降りてきた瞬間——。
「フハハハハハ!! ヤッタナエラァァァ!!」
待ち構えていた巨体・ゲイリーが恵良の脇を後ろからガッチリと抱え込み、そのまま子供のようにグルグルと力任せに振り回した!
「ちょっ、ゲイリーさん! ゲホッ、目が回るっ、目が回りますって!!」
「ハハハ! グッジョブだボーイ!」
初アーチの喜びとゲイリーの祝福(?)にもみくちゃにされながら、恵良は顔を真っ赤にして照れ笑いを浮かべていた。
その後、鎌倉が凡退し、西橋が倒れて2アウトとなったものの、打席には4番・ゲイリー。
昨日からまともに勝負をしてもらえず、四球攻めに遭っている主砲に対し、相手投手も警戒心からかボール球を連発していた。
しかし、相手投手が投じた明らかな失投。
外角高めの、少し抜け球気味の緩いボール球。
ゲイリーの巨体が猛烈な回転で唸りを上げる。
——バコーンッッ!!
打球は凄まじい弾丸ライナーでセンターバックスクリーン右横へ直撃!
文句なしの第3号ソロホームラン!!
「よしっ! ゲイリーも続いた!」
初回から恵良のプロ初弾とゲイリーの豪快な一発が飛び出し、クリッパーズが早くも2-0と試合の主導権を握った!




