第21話 開幕戦(2)
3回表
2番・若狭が空振り三振に倒れた後、3番のベテラン・西橋がじっくり球を見極めて貴重な四球を選ぶ。
1死1塁。打席には4番のゲイリー
「ヘイ、ゲイリー! 楽にいけよ!」
ベンチから声援が飛ぶ中、ゲイリーは相手投手が投じた真ん中高めのストレートを一閃した。
——ガキィィィィンッッ!!!!
打った瞬間にそれと分かる、凄まじい衝撃音!
高々と上がった白球は、夜空を切り裂きながらバックスクリーンへ一直線! 驚愕の飛距離を描いてスタンド中段へと叩き込まれた。
「行ったぁぁぁ!ゲイリーの第1号2ランホームラン!!」
「なんて打球だ! 打った瞬間だぞ!」
ベンチへ戻ってきたゲイリーと熱いハイタッチを交わしている暇もなく、続く5番・スチュワートが打席に入る。
「ヘンリー、お前も続け!」
相手投手の初球、内角へ食い込む厳しいシュート。スチュワートは詰まらされながらも、驚異的なパワーで腕を押し込んだ!
——バコォォォンッ!
「あ、詰まったか……!?」
誰もが打ち取られたと思った打球は、そのままぐんぐんと伸び続け、なんと右中間フェンスをギリギリで越えてスタンドイン。2者連続の第1号ソロホームラン!
「うおおおおお! 詰まって持って行ったぞ!」
「助っ人コンビのアベックホームランだ!!」
勢いづく打線はさらに6番・小芦もヒットで続き、耐えかねた相手ベンチは早くも投手を交代。
代わったピッチャーから7番・後藤が進塁打を放ち2死2塁とするも、8番・鎌倉は三振でスリーアウト。
だが、この回一挙3点を追加し、4-0とリードを大きく広げた。
3回裏
4点をもらったエース・今井は
気合十分のピッチングで、下位打線を三振、ピッチャーフライ、三振と、寄せ付けない圧巻の三者凡退!
4回表
平山がセカンドゴロ、米丸がサードフライ、若狭がレフトフライと、相手2番手投手に三者凡退に抑えられた。
4回裏
今井は先頭を三振、続く2番をセカンドゴロに打ち取り、難なく2死までこぎつける。
(この回もあっさり終わるか……)
そう思われたが、さすがは相手のクリーンアップ。
3番打者に粘られた末にライト前へチーム初安打を許すと、続く4番打者にも甘く入ったスライダーを痛打され、タイムリーヒットで1点を返されてしまう。
「今井、切り替えろ!」
後藤のミットに頷いた今井は、なおも走者を背負う展開で5番打者に対し、渾身の153km/hの直球で空振り三振。
最低限の1失点で切り抜け、リードを守り切った。
5回表
先頭の3番・西橋が左中間を鋭く破る二塁打で出塁
1塁が空いているため、前打席でホームランを放った4番・ゲイリーは敬遠気味の四球で歩かされ、無死1・2塁。
絶好のチャンスで打席には5番・スチュワート。
——バシッッ!
「あっ!!」
フルスイングしたファウル球が、スチュワートの自身の足を直撃!
悶絶してその場に倒れ込むスチュワート。立ち上がったものの足を引きずり、そのまま力のないスイングで空振り三振に倒れてしまう。
1死1・2塁となったが、ここで頼れる6番・小芦が勝負強さを発揮
外角低めの球をライト前へ弾き返し、2塁走者の西橋が生還して5点目。貴重な追加点を奪い取った。
後続の後藤、鎌倉は交代した相手3番手投手に連続三振に倒れたものの、リードを4点に広げる。
5回裏
足に自打球を受けたスチュワートはプレイ継続不可能と判断し、途中交代。
ベンチから大広を投入し、ライトの小芦をファーストへ、
大広をライトへ入れる守備シフトを敷いた。
今井はこの回も落ち着いた投球で三者凡退に仕留めた。




