第20話 開幕戦(1)
敵地球場を満たした、地鳴りのような相手ファンの大歓声。
アウェイ独特の重苦しい空気の中、俺たちはビジターのダグアウト前に全員で円陣を組んでいた。
「全員、準備はいいか!」
俺の声に、全員が力強く「おうっ!」と応える。
「世間の下馬評なんて関係ねえ。今日から始まる143試合、俺たちが目指すのは優勝だけだ! 今井、思い切って腕振ってこい!」
「はいっ! 143試合の最初の1勝、僕が持ってきます!」
エース・今井瑠星が力強く頷き、ロージンバッグを手にマウンドへと駆け上がっていく。
開幕戦スターティングメンバー
1番 サード 米丸慎也 背番号60
2番 ショート 若狭大将 背番号7
3番 レフト 西橋賢介 背番号8
4番 DH ゲイリー 背番号42
5番 ファースト スチュワート 背番号9
6番 ライト 小芦純 背番号35
7番 キャッチャー 後藤紀之 背番号33
8番 センター 鎌倉大斗 背番号57
9番 セカンド 平山明彦 背番号0
先発 今井瑠星 背番号12
「1番・サード、米丸」のアナウンスとともに、背番号60が打席に入る。
相手ピッチャーが第1球を投じると同時に、ベンチの全員が身を乗り出した。世間の低評価を覆す、反撃のペナントレースがいよいよ開幕する。
主審の「プレイボール!」の声が静まり返る間もなく、相手ピッチャーが第1球を投じた。
——カァァァァンッッ!!!!
米丸が振り抜いたバットから、けたたましい打撃音が響く!
打球は超高弾道で伸び、外野手の頭上を遥かに越えてレフトフェンスを直撃!
「うわあぁぁ! スタンド入ったかと思った!」
「米丸、暴走するなよ! 3塁で止まれ!」
米丸は俊足を飛ばして一気に3塁へ滑り込んだ。初球からの特大三塁打!
続く2番・若狭は、慎重に外角の球を見極めると、右中間方向へ深々と上がるライトフライ。
「走れ米丸!」
3塁走者の米丸がタッチアップで生還! わずか数球で、クリッパーズが1点を先制した!
(相手ピッチャー、立ち上がりの浮ついたところを米丸が一撃で仕留めてくれたな……!)
その後、3番・西橋はセカンドゴロに倒れたものの、
4番・ゲイリー、5番・スチュワートが連続四球を選び、2死1・2塁のチャンス
6番・小芦はレフトフライに倒れて追加点こそならなかったが、初回から相手バッテリーに強烈なパンチを叩き込んだ。
1回裏
1点をもらったエース・今井瑠星がマウンドに上がる。
相手の1番打者にファウルでしぶとく粘られたものの、ギアをひとつ上げた最速154km/hの直球で空振り三振!
続く打者も完璧な打線コントロールでセカンドゴロ、サードゴロに打ち取り、テンポよく三者凡退。
上々の立ち上がりだ。
2回表
7番・後藤がファーストゴロに倒れた後、
8番のドラ4ルーキー・鎌倉が俊足を活かした強烈なサード内野安打で出塁!
さらに9番のドラ2ルーキー・平山もライト前へ流し込むクリーンヒット!
「よし! ルーキー2人でチャンス作ったぞ!」
「鎌倉も平山も、開幕の硬さが全然ねえな!」
1死1・2塁で打席には今日三塁打を放っている1番・米丸。絶好の追加点チャンスだったが、ここは相手ピッチャーのカットボールに詰まらされ、無念のサードゴロダブルプレー。
追加点とはならなかった。
2回裏
先頭打者の打ち取ったサードゴロをファーストのスチュワートが捕球ミス
無死のランナーを背負ってしまう。
「ヘイヘイ、スチュワート! ドンマイドンマイ!」
ベンチからモーガンの大声が響く中、マウンドの今井は少しも動揺しなかった。
後続の打者をキレのあるフォークで三振に仕留めると、続く打者を狙い通りサードゴロダブルプレーに打ち取り、あっという間にスリーアウト




