魔女の森で1
亀更新すみません((。´・ω・)。´_ _))ペコリ
異様に静かで不気味な森の中、忙しなく視線をあちこちに向けては溜息を吐く少女がいた。冒険服に身を包み、腰に提げた袋をしきりに大事そうに撫でている。
「はぁ、なんで私が素材採集なんてしなくゃいけないのよ」
少女の態度からわかるように、素材採集は根気のいる作業であるから、人気があまりない。新人の生産職の人間は、まずここで諦めてしまうくらいには観察眼が必要だ。さらに、素材を傷つけないようにしたり、と忙しい。
「む? そこの女、ちょっと聴きたいのだが?」
不気味だと感じるくらい、耳に心地よい男の声が、少女の鼓膜を震わせた。少女がそちらに意識を向けると、甘い匂いが鼻孔に優しく届く。
「はい?どうされましたか?」
少女の頭に、なぜ危険な森の中に武器も持たない男がいるのかという疑問は不思議と思い浮かばなかった。ただ、吸い寄せられるように、男の目をじっと見つめている。警戒の色もない、まるで元から知りあいであったような笑顔を見せたままだ。
「すまないが、ここはどこだろうか?」
男の蠱惑的な瞳に疑問の色が浮かんだ。それを見てとった少女は、心配そうに眉根を寄せて男の言葉を吟味するように考え込んだ。純粋に、この森を指しての事なのか? という疑問が浮かび彼女は素直に答えることを躊躇った。
「あぁ、もちろん、この森の事も知りたいがここがどの国に当たるのかも合わせて教えてくれないか? なにせ、地図も持たずに旅にでたものでな。何もわからぬのだ」
「あ、はい! 旅人さんなんですね。ここはメイフス大陸の極東の国であるドライグ王国。さらに細かく言いますとイゴイザという商業都市が管理している魔女の森です」
よどみなく、すらすらと少女は男に説明を始めた。魔女の森というのは、錬金術や調薬に使うような素材が密集している森を指すので、それが森の正式名称という訳ではないとの説明まで始める。




