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魔女の森2
短いですが……。
男は少女から話を一通り聴き終わると、イゴイザがあるという方角に向き直り顎に手を添えて「ふむ、やはりこちらで良かったようだ」と訳知り顔で頷いてみせた。
「女よ、感謝する。貴重な時間をとらせて悪かったな、これは礼だ」
男が何も無い空間に手を伸ばすと、空間が歪み中からドサリとアイテム袋が音を立てて少女の前に落ちてきた。
「そ、そんな、お礼だなんて……誰でもできるようなお話しかしていないのに?」
「俺にとっては貴重な話だった。それだけのことだ、気にせず受け取ってくれ」
それだけ言うと男はイゴイザの方角に歩き去っていった。少女は呆気に取られながらも、思い出したようにアイテム袋の中身をいそいそと覗きこんだ。
「え!?……こんなのお師匠様になんて説明したら、鑑定できない程の等級の物ばかりね……」
少女の瞳は動揺し、揺れていた。嬉しさよりも困惑のほうが勝っている。あんなことくらいで、こんなにも報酬がもらえるならお師匠様のところでいるよりも、今の男に支持したほうが特なのではないか? などと、ありもしない誘惑と少女は闘うことになったのだった。




