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6_第六話【尽くして尽くして!!】



 なんだ? いや、感性が鈍いことくらい自分で大のご承知の! このロッツさんにすら感じられる! あたりを包む強い魔力の圧!! それが急に感じられた!


「……なにが、Come On!! か!! この無能娘がっ!!」


 ぐおお?! なんて威厳に満ちて! そしてなんて嫌な性格の声なんだ?!


 前庭に、デキルギシュ伯爵邸の正門を開いて。

 出てきたその初老の男は、そんな声と雰囲気を放っていた。


「お父様ぁ!! ごめんなさい! マドールは弱うございます! 面目次第もありません!!」


 あ? なんだあのガキ? ずいぶんしおらしいじゃねえか? あのてっぺん河童ロン毛スタイルのジジイおっさんに対して? なんだよ、礼儀知らねえわけじゃねえんだな。俺たち賎民相手じゃなければな!! ああむかつく!!


「ふん。マドールよ。立て! そして私がいいというまで動くな!」

「? は、はい!! ウドールお父様っ!!」


 ん? 何やってんだあの父と娘は? いや、発言からたぶんあれ、父と娘だろ?


「おまえは、負けた。しくじった。家に恥の泥を塗った。貴族の面汚しだ。復唱しろ! マドール!!」

「はい!! 私は負けました! しくじりました! 家に恥の泥を塗りつけた、貴族の面汚しです!!」

「ふむ。で?」

「どうぞ罰してくださいませ!! 温情でもって!!」


 うわ……、やべえ! この父と娘、デンジャラス!! 傲慢な笑みを浮かべる、ウドールとかいうらしい、でかい父親と。恥じらいと恐ろしさと身の置きようのなさで、ひたすら自分を悪いと言い続ける娘! 歪み切ってやがるじゃねえかよ!! 親子関係!!


「楽しいから、だな? 貴様のその言葉は処罰の言葉ではない。楽しむためのモノだ。愉悦に顔が歪んでいるぞ! ウドール!!」


 ん? シンが突然。例の魔導銃をかまえて、すげえ殺気に満ちた視線で。狙いをウドールに定めて。言葉を紡ぎ始めた。


「土魔導師団第八分隊長、伯爵ウドール=デキルギシュ」

「貴様はしくじったな?」

「娘を育てること以上に」

「自分というものに人格を持たせることを」

「全く以てしくじったようだな!!」


 ……すげえ。強者たる、大土魔導師と呼べなくもない、あのウドールのことを指しているとしたら。シンの銀髪の民の女としての度胸は尋常じゃない!!

 心を凶器として用いる貴族の内面を、精神面を。


 挑発するような言葉を投げるなんて!!

 だけどよ!!


「ファーハハハハハ!! 何をのたまうか、このテロリストが!! 銀髪の死神! 貴様がそう呼ばれている者なのだろう? 銀髪の女よ! わかるぞ? 私が美しい術にて、銀髪の害獣どもを三つの桁ほどの数。皆殺しにしたことで逆上して、怨念を告白に来たのだろう? あのゆがんだ動作しかしない愚なる害獣どもの旗印が!! それが人の完成度を語るなど笑わせるな!!」


 げっ! あの禿ロン毛もキレてやがる!! おめえ! シンのおっかなさを見てわからねえか? ぶっ殺されるぞてめえ!!

 俺は、シンがさぞ激怒しているだろうと、シンの顔を見ると……!!


 なんでにやにや笑っているんだあ!! シーンん!!


「あっはっはっは!! 愉快!! ウドール貴様はたった今」

「私が自ら持つ命と心の法に見事に違反した!!」

「ゆえにたとえ国法が明文法として貴様を守ろうとも」

「私は貴様を処刑する依り代を得たわけだ」

「貴様に対してな!!」

「行くぞ! 刑を執行する!!」


 うぎゃあああ!! シン、シン! お前さっきのマドールと何も変わらねえこと言っていることに気がついていんのかぁ?! それ、自前法律っていうんだぞ!!


「ふん! 心は物理に劣り! 物理は魔力に劣る!! われは魔力豊かなる、魔道王国イオシスの魔導貴族なり! くたばれぁあああああああああ!! シルバーモンキィー!!」


 ウドールはやばい声で絶叫!! 嬉しさに声がひっくり返って歪んでやがる!! ザ・変態!! そのものの動きと声と振る舞いと、臭いにおい!!


「くさい魔力を斬ってやる!! 魔導弾丸開放!! ウィンドセイバーブリット!!」


 行ったあ!! シンが魔導銃をぶっ放した!! カッ飛んでウドールに殺到する、緑白色に光る風のギロチン!! 5段風魔導術の『業斬風刃』が周辺の大気を強烈に吸い込む!!


「がっはははははは!! 愚物!! そんなものは効かんわぁ!! 土精霊神アードよ! 汝の愛しき裔孫たるこの、ウドール=デキルギシュを守れ!! 土魔導四段術!! アースプロテクションウォール!! 発効せよ!!」


 あああああ!! ちっくしょう!! あの腐れ貴族の禿ロン毛め!! 『岩石防壁』の術で!! 強固な防御壁で自分を包みやがった!! どうする?! シン!!



           6話  END



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